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(2)パリ(ポワチエ&ショゥヴィニー) [2003春パリからベルリンへの旅]

4/9(水)


 青空の見えるお天気ですが、とても寒い朝。地下にある朝食室で簡素なパン、コーヒー、チーズを食べて9:30ごろホテルを出て、近くの散策。

↓朝のヴォージュ広場は寒いせいか散歩の人も僅かでひっそり。


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↓カルナヴァレ博物館入り口の門から


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☆カルナヴァレ博物館Musée Carnavalet

マレ地区のパリの歴史資料を収蔵・展示している市立博物館。絵画、彫刻、家具の膨大なコレクションにふさわしく広大な元貴族の館。オリジナルは16世紀のルネッサンス様式の建物でしたが、その後も改修され1866年にパリ市が買収、博物館としてオープン。このカルナヴァレ館と隣接のル・プルティエ・ド・サン=ファルジョー館も博物館の一部になっています。


この日はパリのお店の古い看板の特別展がありました。かなり見学者が多かったと記憶しています。ここで見逃せない一枚の絵を探してドンドン進み、漸く見つけました。


↓フランソワ・ジェラール「レカミエ夫人」1805 225×145


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モデルのレカミエ夫人は裕福な銀行家の妻。執政政府時代に美貌と知性を兼ね備えた女性として、そのサロンは多くの文人、政治家が集まり、ルーヴルにあるダヴィッドの絵画によっても有名です。彼女自身はダヴィッドの作品は気に入らず(ナポレオンが注文したので)、これはダヴィッドの弟子であったジェラールに描いてもらったもの。古代風な背景に彼女の好みが表れています。


そして、サン・ポールのバス停からモンパルナス駅へ。12:25発のトゥール行きに乗ってヴァンドームからラヴァルダンやモントァールのロマネスク教会を観に行くつもりでした。

初めてTGVの予約をネットでしてきたので駅の自動販売機で引き取るのですが、簡単なことでミスをし、ギリギリでホームへ。飛び乗った列車はまもなく発車。やれやれ・・・しかし、次ぎはポアティエというアナウンスに頭が一瞬真っ白に・・・同じホームの左右の列車を間違えたのです。ポワティエといえば数年前にツアーで訪れ、サンサヴァンとの間のショウヴィニィには寄らなかったちょっと口惜しい想い出がありました。だから立ち直りは我ながら速かったのです。(自慢にもなりませんが)

パリ・モンパルナス12:15→ポワチエ13:42 

ラヴァルダンに行かれなかったはホントに残念でしたが、またの機会もあるでしょうと気持ちを切り替えました。車掌さんが切符拝見に来たので、ヴァンドームより1時間も多く乗るし差額を払うと申し出たのですが、こんなご時勢に(イラク戦争が始まったばかり)日本のおばさんの一人旅を感心に?思ったのか(計算が面倒だったのか?)サービスしてくれました。

 乗車前に駅で買ったサーモンとクリーム・チーズの黒パンサンドがこの日のランチ。

ポワチエに着いたのはすでに午後2時近くになっていました。とりあえず駅前からタクシーでノートルダム・ラ・グランド教会へ。この広場の(i)でショウヴィニィ行きのバスの時刻を確認。係りの女性は「今夜はショウヴィニィに泊まるの?」、私「パリに帰る」と答えたら目を丸くしていました。日本のおばさんは元気なの~。4時半ごろ駅前を出発すると、7時半すぎに帰着のバスがあり「ホッ!!」。

ショウヴィニィへ行く前にポワチェの3カ所の聖堂を見学できました。



↓ノートルダム・ラ・グランド教会


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5年前は外壁の汚れを洗浄中でしたが、その工事も終わり、年月を経てそれなりに落ち着いた色になっていました。

↓華麗なファサードは何度見ても見飽きません


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↓裁判所とジャンヌダルクの像


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☆  サン・ポルシェール教会 St Porchaire Poitiers

 

街角で偶然見つけた小教会。ここも古い歴史があります。ポワティエの名刹聖チレール教会の参事会教会としてカロリング時代に創立。11世紀にはベネディクト派の修道院になりました。16世紀の改築を経て、19世紀には道路を広げるため塔を壊すという案があったのですが、多くの市民の反対で生き延びたそうです。。目抜き通りをカーブする角地に建ち、古都ポワチエのランドマーク的存在となっています。

 

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時間も限られていますので、サン・ジャン礼拝堂や美術館は見学できず、その近くのゴシックの大聖堂へ向かいました。

 

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↓壮大なカテドラル。薔薇窓や扉口の彫刻がさすがに美しい。

 

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さてなんとかポワティエの駅前広場からバスに乗り込み、40分ほどでショウヴィニィの丘の麓の街に到着。

帰りのバスの乗り場と時刻も再確認。2時間弱の見学時間があることが判明。これならそう慌てなくても済みそうです。

 

バス停のある広場の薬局と役場の間に「中世の街へ」の看板があり、

 

↓まもなく丘の上のサン・ピエール教会が見えてきます

 

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道案内では遠回り?だったかもですが、それに沿って静かな住宅街の石畳を歩いて丘を登って行きました。この日は15度くらいの気温でしたが、村にはこぶし、桜のようなピンクの花、リラ、藤の花が咲き乱れていました。

 

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結構傾斜のきつい坂道を含めて15分くらいで丘のうえの旧市街に到着。午後も遅いので出会った観光客も数えるほど。城壁がみえてその一部残ったような城跡も見学できるようになっていたのですが、パスして隣りのサン・ピエール教会へ。

 

ところが内部はあいにく教会は内陣の修復中。でも2人くらいの工事の人も図々しいおばさんひとりを黙認してくれて、遠慮がちながら無事見学できました。さすがに写真は1枚しか撮れませんでしたが、工事中立ち入り禁止の貼り紙もあったのに、有難いことでした。

 ☆サン・ピエール教会Saint piere di Chauvigny

12世紀の後半の建設とみられますが、身廊部分は華やかに白地に赤く模様が塗装されているのがユニーク。それ以上に驚かされるのは後陣の周歩廊に沿った柱頭彫刻。怪奇な幻想の世界がロマネスク。

↓プラン

 

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↓周歩廊の柱頭彫刻の配列

 

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↓かの有名な白と錆朱色に彩色された柱頭彫刻が並んでいて、いかにもロマネスクな怪物が舌を出したりしているます。

 

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↓ヨハネの黙示録の「バビロンの妖婦」(教会のHPから拝借)は盃ととっくりを手にして踊っているようにも見えます。

 

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とっくりを持つという描写は黙示録にはないので、彫刻家の想像で加えられたものと考えられます。天井付近はシートに覆われていましたし、足場も組まれ不安定で、全体は良く確認できなかったのですが、後陣の柱頭群は低い目線にあり観察しやすかったのは良かったです。

 ↓北側面

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↓猫たち

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 サン・サヴァン、ポアティエとここは距離的にあまり離れていないのですが、それぞれが個性的で魅力な彫刻や壁画で彩られています。ロマネスク詣でには欠かせないゾーン。教会の前は小さな展望台になっていて、素晴らしい眺め。

 

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下の街に降りるとすでに薄暗く夕方です。バス停近くに建っている教会は詳しくは不明ですが一部ロマネスク様式です。

 

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広場に面したパン屋さん(ケーキもつくっている)も兼ねたサロン・ド・テで、杏のパイ(美味しい!!)を食べて休憩。定刻より早く着いたバスに慌てて乗り、帰りはノンストップでポワティエヘ。この路線バスはサン・サヴァンへも行く便があるので、ポワチエから両教会を一日観光で、個人でもゆっくり訪れることができると思います。(現在はバスの便も限られるようですが)

ポアチエ19:51→パリ・モンパルナス21:35

 TGVで戻りましたが、パリのモンパルナス駅に到着したのは夜10時近く、この夜は特に冷え込んだパリは零度まで下がり、寒くて慌ててタクシーでマレのホテルに帰りました。ホテルは暖房がよく効いていて、寒がりの私には大助かり。まだ旅の2日目ですが長い一日でした。

 

 








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