(13)ヴェローナ~ミュンヘン [2005年夏サルデーニャ・ロマネスクとオペラ]
7/3(日)ヴェローナ9:01→ミュンヘン14:28
ミュンヘン/Hotel an der Oper 3泊
ヴェローナから北へ。トレント~ボルツァーノ~ブレンナー峠を超えるとオーストリアです。インスブルックを経て南ドイツ・バイエルンのミュンヘンに到着。鉄道の旅は長くてもあまり気になりません。道北の故郷の町から東京まで(途中青函連絡船で一泊)何度も行き来して、汽車の旅に慣れているのでしょう。
ミュンヘンの宿はオペラ劇場に至近距離ですし、前回3年前に友人たちと泊まったところです。ところが今回は道路を隔てた別館?に案内されました。しかも暑いのにエアコンなしなので、扇風機(涙)
↓ホテル近くの広場で昼夜兼用の食事。3年前より賑やかになって、和食レストランもオープン。早速天ぷらをいただきました。ドイツ人のお客さんたちの箸の使い方が上手でびっくり!
このPlatzl広場からマリエン広場まで散策。途中に人気が爆発中のネトレプコの大看板を見かけました。
マリエン広場はミュンヘンに来ると必ず寄っています。ちょうど人形が回りだす時間でした。広場は観光客で大賑わい。
この近くの路上カフェでコーヒータイム。ロサンジェルス郊外に住んでいる次女にメールすると、4月に生まれた孫娘の写真が送られてきました。
ホテルに戻り仮眠をとって、着物に着替えて、徒歩で1~2分のバイエルン州立歌劇場へ。
♪~ヴェルディ『ファルスタッフFalstaff』18:00開演@Bayerische Staatsoper
指揮:Zubin Mehta 演出:Eike Gramss
ファルスタッフ:Ambrogio Maestri フォード:Zeliko Lucic ファントン:Rainer Trost
ドクター・カイウス:Ulrich ReB バルドルフォ:Anthony Mee ピストラ:Anatoli Kotscherga
アリーチェ:Anja Harteros ナンネッタ:Chen Reiss クイックリー夫人:Marijana Lipovsek
メグ・ページ夫人:Ann-Katin Naidu
オーケストラ&合唱:バイエルン州立歌劇場管弦楽団&コーラス
?3年前に同じ演出の舞台を見ていましたが、今回は配役は変わっていました。 この時が初めてのマエストリやルチッチ、ヘルテロスの新鮮味あふれる舞台でした。アリーチェ役のヘリテロスは3年前の圧倒的歌唱にしびれたダニエラ・デッシーと比べるといまいちでしたが、ミュンヘンの大型(背も高い!)スターに相応しい熱烈な賞賛を浴びていました。マエストリの巨体演技と安定の歌唱は素晴らしい。
オペラがはねた後外のカフェに居ましたら、マエストリが通りかかりました。近くの人たちが声をかけて、皆で改めて拍手をすると、嬉しそう・・・舞台で観るほど巨体ではなく、やや肥満体の中年男性って感じでした。
ミュンヘンの夏の音楽祭は人気があります。日本人のツアーや個人で観劇の方たちも多く、特に最終公演がワグナーなので、それに合わせたチケットはとりにくくなりました。
タグ:バイエルン州立歌劇場 ミュンヘン
(12-2)ヴェローナ [2005年夏サルデーニャ・ロマネスクとオペラ]
~続きです。
さてカステルヴェッキオを後にてくてく、真夏の西日を受けながら歩きサン・ゼノへ。地図の通りに川に沿った道を歩いたのですが、途中で迷って、
↓教会の裏の道に入ったので、すぐそこに見えても・・・
結局ぐるっと一周してようやく到達。噴き出る汗・・・。
☆サン・ゼノ・マッジョーレ教会San Zeno Magiore
↓正面
イタリア・ロマネスク建築の傑作と言われ、ヴェローナでもアリーナと並んで素晴らしい見どころとなっています。
↓ファサード中央の柱廊式玄関
以前扉口を飾っていたブロンズの扉(ニコロの浮彫1138年)は内部の扉裏側に保存されています。
↓旧約聖書のヘロデ王の場面(洗礼者ヨハネの首)。サロメの宙返りダンスとしても知られています。
パネルは24枚ありますが見学者も多く、じっくり見られませんでした。
↓内部は三廊式。
↓クリプト
クリプトの上は内陣になっていて、主祭壇にマンテーニャのパドヴァ時代の祭壇画(1455-59)が飾られています。18世紀末にナポレオン軍によってフランスに持ち去られましたが、1815年に返還されました。ただプレデッラだけはそのままフランスに残されています。そのうちの一枚はルーヴル美術館にあります。プレデッラといえども大作(67×93)で驚いた記憶があります。
↓マンテーニャ「サン・ゼーノ祭壇画」カメラ禁止でしたのでNET から拝借。
中央:玉座の聖母子と9人の天使/220×115
左右:聖人たち/それぞれ220×115
↓回廊(12~14世紀)
広い敷地に聳える二本の鐘楼はそれぞれ11世紀~12世紀のもの(写真)と13世紀~14世紀(改修中)のもの。
↓Google earthから
バス停も近かったのですが、経験からあまり時刻表は当てにならないので、徒歩でなるべく静かな路地をたどりホテルに戻りました。
↓途中の民家に青いリボンの飾り。男子が誕生したというお知らせ「生誕のリボン」さすがロミ・ジュリの町
今夜のアレーナのオペラは9時開演なので、7時ころまで仮眠ができました。夕食はアレーナのブラ広場に並んでいるブッフェ形式のレストランで前菜をあれこれいただくとおなかがいっぱいになりました。
♪~ポンキエッリ『ラ・ジョコンダLa Gioconda』21:00開演@Arena di Verona
指揮:Donato Renzetti? ? 演出:Pier Luigi Pizzi
出演者:Andrea Gruber,Marco Berti ,Alberto Mastromarino , Carlo Colombara他
演目の名前とあらすじだけで、予習もなくぶっつけ本番でしたが、古代の闘技場が舞台にふさわしい大きなスケールで進行。イタリアオペラの良さが存分に発揮されたオーソドックスな舞台でした。この公演は評判が良かったので、後日DVDになっています。ジョコンダのアリア「自殺」と劇中のダンス音楽「時の踊り」は特に有名ですね。
↓リーフレットから
この日は暑さと疲れで泥のように眠りました。明日はイタリアからドイツまで列車移動します~。
(12-1)ミラノ~ヴェローナ [2005年夏サルデーニャ・ロマネスクとオペラ]
7/2(土)Milano11:05→Verona12:35
ヴェローナ/Hotel Mastino 1泊
ロンバルディアからベネトへ列車移動しました。ヴェローナは到着したホームにエレベーターが完備されていて、助かりました。駅からは「そのホテルは歩いても近いよ」というタクシーに荷物重いからといって連れて行ってもらいました。この時期はヴェローナは観光客でいっぱいです。必然的にホテルもお高いので、旧市街の外にようやく3☆の宿を見つけ、確か1泊1万円くらいで予約しました。Arena円形劇場にはホテルのすぐ近くのブラの門をくぐると同名のブラの広場という近さで、今夜のオペラのはねた後でも安心です。ホテルの部屋は暗くて狭いシングルでした。ランチはホテルの近くでパニーニを食べて、早速観光に出かけました。ヴェローナは1991年、1997年と2回来ていましたが、ツアーでしたので、私的には肝心のカステルヴェッキオ美術館とロマネスク様式のサン・ゼノ・マッジョーレ教会を観ていませんでしたから・・・そして、ついでに夏のヴェローナのオペラ観劇も楽しめます。チケットは当日券を購入できました。
カステルヴェッキオCastelvecchioは13世紀に建てられた煉瓦造りの要塞城です。東側の市立美術館の門をくぐると広い中庭があり、入館。チケット売り場からはすぐ、この近辺の教会から集められた中世の彫刻が並んでいます。
↓祭壇?
ここでの最大の目的はカルロ・クリヴェッリです。上階の展示室まで急ぎ足で到達~ハアハアしつつ巡りました。残念ながら光が反射して写真は失敗しましたが、画架にかけられた展示なので、油彩の艶々した輝きの効果が素晴らしい作品です。「受難の聖母」(聖母子と受難の象徴を持つプットー)1460頃71×48
↓マンテーニャ「聖家族」1500頃72×55
マンテーニャ?
↓カルロの弟ヴィットーレ?
↓照明を落とした暗い特別室に展示されていたピサネッロの「鶉の聖母」1420頃50×33
写真は失敗したのでnetから拝借しました。
↓美術館から見えたアディジェ川にかかるスカリージェロ橋
↓サン・ゼノ・マッジョーレ教会の遠望(あら、鐘塔が改修中)
大層複雑な建築構造なので、かなり迷いながらの美術鑑賞になり疲れましたが、気力でゴー 続きます~。
(11)ミラノ [2005年夏サルデーニャ・ロマネスクとオペラ]
7/1(金)
この日は朝食後、徒歩でダンテ大通りを15分、1Kくらいのスフォルツェスコ城Castello Sforzescoに行きました。ここは初回はツアー(1991)、2回目は友人たちと(1998)訪れていましたが、中世彫刻と絵画館を見ていなかったので再訪しました。城門の前に噴水があり、若い男女がたむろしていて、こちらを見て何か言っています。目を合わさないようにして通り抜けましたが、ちょっと怖い雰囲気でした。イタリアでは私が鈍いのかあまり嫌な目に合っていませんでしたので、記憶に残っています。以前すりの被害にもあっていますし、ミラノは気の抜けません。
さて、中世彫刻の展示室へ。↓ロンバルディア・ロマネスクの教会堂から移された柱頭彫刻やレリーフが多数。
奥に進むにつれ時代がゴシックに替わっていきますので、この辺でお終いにしました。
絵画館は改装中だったのか、この日は観れませんとのことで、ドゥオーモ近くのメルカンティ広場まで戻りランチ。
↓メルカンティ広場の騎馬像(アンテラミ作13世紀)
狭くて細長い広場ですが、ホテルからスカラ座に抜けるときや、この広場の名前の付いたレストランを利用することが多かったので、なじみの場所になりました。
↓ホテル正面
ホテルに戻って午睡の後、スカラ座へ。
♪~ロッシーニ『La Cenerentola チェネレントラ』20:00開演@ミラノ・スカラ座
指揮:Bruno Campanella 演出:Jean-Pierre Ponnelle
ドン・ラミーノ:Juan Diego Florez ダンディーニ:Roberto de Candia チェネレントラ:Joyce di Donato
アリドーロ:Mark Steven Doss ドン・マニフィコ:Simone Alaimo クロリンダ:Jeannette Fischer
ティスべ:Tiziana Tramonti
オーケストラ&コーラス:スカラ座管弦楽団&合唱団
ぺーザロのロッシーニ音楽祭で収録された映像をオペラ鑑賞会で観ていたこともあり、期待大の演目でした。ロッシーニの難しい技巧を完璧にマスターしたフローレスの歌唱に加えてディドナートのチェネントラといえば文句はありません。ですが私のサルデーニャ帰りの疲労が残っていたのか?期待が大きすぎたのか、いまいち感動の波が襲ってこなくて…しょんぼりでした。演出など、細かいこともほとんど記憶に残っていません。何年か前にTVで観たペーザロでの公演が素晴らしかったので(下を参考)、なぜか寂しい思いでホテルに戻りました。
↓プログラム
参考映像:ロッシーニ『ラ・チェネレントラ』
指揮:カルロ・リッツィ 演出:ルカ・ロンコーニ
フアン・ディエゴ・フロレース(ドン・ラミロ)
ロベルト・デ・カンディア(ダンディーニ)
ブルーノ・プラティコ(ドン・マニフィコ)
エカテリーナ・モロゾワ(クロリンダ)
ソニア・プリーナ(ティスベ)
ソニア・ガナッシ(アンジェリーナ(チェレネントラ))
ニコラ・ウルヴィエーリ(アリドーロ)
ロベルト・デ・カンディア(ダンディーニ)
ブルーノ・プラティコ(ドン・マニフィコ)
エカテリーナ・モロゾワ(クロリンダ)
ソニア・プリーナ(ティスベ)
ソニア・ガナッシ(アンジェリーナ(チェレネントラ))
ニコラ・ウルヴィエーリ(アリドーロ)
演奏:ボローニャ管弦楽団
2000.8 ペーザロ・ロッシーニ音楽祭にて収録。TVにて鑑賞