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2003夏南仏とザルツブルクの旅 ブログトップ
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(14&15.16))ザルツブルク&帰国 [2003夏南仏とザルツブルクの旅]

8/4(月)


 大きなガラス窓からのザルツァッハ川を眺めながら美味しい朝食を済ませ、この日はバスツアーに参加しました。ホテルから集合場所まで、日本人の係員が迎えに来てくれました。イーグルネスト(鷹の巣)のヒトラーの山荘までは専用道路やエレベーターがあり、ほとんど歩かなくても行けるようになっています。当時は暗殺を恐れて、厳重な警備が敷かれていたと想像できます。山荘は思っていたよりこじんまりした質素な感じでしたが、執務室などもあり、ここで非人間的な謀りごとや報告を受けていたのかと思うとぞっとしました。また愛人と滞在していた時の写真や映像をどこかで観た覚えがありました。


↓ヒトラーの山荘


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↓頂上の十字架


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↓ここからの眺めは絶景!手前に咲く柳蘭の花。


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バスで隣席に座られた日本人の女性はオペラツアーで来られた方で、劇場ではほとんど最前列かそれに近い席だそうです。羨ましい~と思いましたが、料金をお聞きして眼が点!(2回来れますわ)

詳しいことは忘れましたが、このツアーは半日ツアーでしたので途中でフリーのランチの時間があり、3時ごろまでにはザルツに戻ることができました。


仮眠の後、ザルツ滞在の最後の演奏会へ。


♪~ウィーンフィル演奏会 SEMYON BYCHKOV WIENER PHILHAMONIKER@祝祭大劇場 21:00開演

指揮:SEMYON BYCHKOV  ピアノ:Jewgenij Kissin    オーケストラ:Wiener Philharmoniker


ベートーヴェン 「ピアノ協奏曲第3番」、チャイコフスキー「交響曲第5番」


セミヨン・ビシュコフは日本ではあまり知られていませんが、ヨーロッパでは中堅の指揮者として評価されています。手堅い中にも繊細な気配りも失わず、ウィーンフィルとの相性も良いようです。2001年春にウィーンで『トリスタンとイゾルデ』を彼の指揮で聴いてましたから、今夜のコンサートも楽しみでした。その期待以上の素晴らしい演奏でした。キーシンのピアノの控えめな中に強いメッセージの込められたベートーヴェンとの相性も抜群でした。ロシア出身ということもあり、チャイコ5番もまた導入部からロシアの曲想に引き込まれていきました。


終演は11時、まだまだ華やかなザルツの夜ですが、明日は帰国ですから急いでホテルに戻りました。


8/5(火)ザルツブルク12:00→パリCDG13:35/17:00→

8/6(水)成田13:55/18:30→札幌20:05


 次女との最後になると思う南仏母娘二人旅にザルツブルク夏の音楽祭をプラスした2003年夏の旅もこうして無事に終わりました。この時の記録的なヨーロッパの猛暑は私が帰国してからも続き、パリではお年寄りが何人も亡くなったというニュースも流れました。一方では良いことも・・・というのは葡萄の出来が良く、芳醇なワインができた年なのです。この後、2003年のワインをリクエストするたびにあの夏のことを思い出すのです。(終)


次回は秋のシカゴとロサンジェルスの旅ですが、メモも日記もなく、写真もいったん縮小したものなので、簡単なブログに終わりそうです。





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(13)ザルツブルク [2003夏南仏とザルツブルクの旅]

8/3(日)


 この日は日記をつけてないので、ぼんやり過ごしたものと思われます。旧市街の散策や昼食に中華を食べに入ったお店の餃子が美味しかったことなどでしょうか。ショッピングは実は以前ザルツに来た時高価なので、迷って買わなかったゴブラン織りのハンドバックに未練が残っていたのです。記憶をたどって行ってみましたが、幸か不幸かあの手造りの織やレース編みのお店はすでになく・・・がっかりでした。

夕方からはやや涼しくなったので、また頑張って着物姿で祝祭大劇場へ。


ザルツの今夏の目玉はこのマックヴィガーの演出の「ホフマン物語」ということで、最もチケットが手に入りにくい公演でした。まだネットでの手配にも慣れていなかったときでしたから、苦労した覚えがあります。最後の送信で進まず、結局FAXしてゲット。

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年前のザルツブルグはツアーでしたが、今回はチケットの手配を含めて、すべて自力。これに味をしめて4年連続ザルツに出かけることに・・・。


♪~オッフェンバック『ホフマン物語』19:30開演@ザルツベルク祝祭大劇場

揮:ケント・ナガノ 演出:ダーヴィット・マックヴィガー 

ホフマン:ニール・シコフ   ラ・ミューズ/二クラウス:アンジェリカ・キルヒシュラーガー    
リンドルフ/コッペリウス/ドクター・ミラクル/ダペルトゥットの4役:ルッジェロ・ライモンディ   アンドレス/コシュニーユ/ピティキナッチョ/フランツの4役:ジェフリー・フランシス   オリンピア:ルビカ・ヴァルギコヴァ    アントニア:クラッシミラ・ストヤノーヴァ   ジュリエッタ:ワルトラウト・マイヤー  

ステラ:ウルスラ・プフィッツナー   クレスペル:クルト・リドル

 

オーケストラ&コーラス/ウィーンフィル&ウィーン国立歌劇場合唱団

 

 

舞台はフリードリッヒの絵画に描かれるような大木にヴァイオリンなどがぶら下がっていて、深みのある色彩がほーっと溜息が出るように美しい。

主人公のホフマンはアル中?薬中?芸術と現実のうつつに彷徨する青年。舞台の片隅で、下のプログラムの写真のように鬱々状態。ニール・シコフはあまり調子が良くないようでしたが、何度もこの役を歌っているので、それなりに安心して聴けました。ただし、好みの歌い方ではありませんが。。。

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ぜんまい仕掛けの人形の演技もコロラトゥーラも大拍手のオリンピアを歌ったヴァルギコヴァは2001年春のウィーンのジルダを聴いて以来でした。スロヴァキア出身の謎のソプラノ・・・というのはこのザルツブルグ以来ほとんどメジャーな歌劇場にはでていないのです。このときのオリンピアも喝采を浴びていましたし、これからの欧州各地での活躍を約束されていたはずです。地元のブラチスラヴァで歌っているようですが、それだけで満足しているのか?不思議です。

キルヒシュラーガーとマイヤーは文句のつけようのないパフォーマンス。素晴らしかったです!!

↓ジュリエッタのマイヤー(プロマイド)

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反してライモンディは不調。後からの情報では病後だったらしいのです。前年チューリッヒで聴いたオテロのイヤーゴの時は快調でしたから、少々残念。またプロローグの酒場の場面で、ナタナエルの役でジョン・健・ヌッツオが出演。頑張っていましたし、将来の活躍が期待されていました。

生のホフマンは2度目、バスチーユの強烈な舞台に比べると、ややまとまりがないような気もしま
したが、オッフェンバックの音楽も大好き、豪華な歌手たちのパフォーマンスも楽しめました。ケント・ナガノはやはりフランスものがしっくり来ます。

後ろの席のおじさまに「ベルトがビューティフルだね」と言われて「えっ? 帯のことでした」

↓この時の公演はCDかDVDになっているのか、調べてましたら、NETに音源だけ見つけました。

https://www.mixcloud.com/Jungfer_Marianne_Leizmetzerin/offenbach-les-contes-dhoffmann-shicoff-vargicov%C3%A1-stoyanova-meier-nagano-salzburg-2003/

 

参考映像:オッフェンバック(1819-1880) <ホフマン物語>

2000.8道新教室にて 

ホフマン:マーカス・ハドック   ニクラウス:アンゲリカ・キルヒシュラーガー

オランピア:ナタリー・デッセイ   

ジュリエッタ:ベアトリス・ユリア モンゾン(ソプラノ)   

アントニア:レオンティーナ・ヴァドゥヴァ

リンドルフ/コペリウス/ダペルトゥット/ミラクルの4役:ジョゼ・ファン・ダム

アンドレス/コシュニーユ/ピティキナッチョ/フランツの4役:ジャンポール・

フーシュクール     ミューズ:カトリーヌ・デューヌ

トゥールーズ・キャピトル劇場管弦楽団

合唱:トゥールーズ・キャピトル劇場合唱団、アビニヨン歌劇場合唱団、

オランジュ音楽祭合唱団
バレエ:ニース歌劇場バレエ団
指揮:ミシェル・プラッソン
演出:ジェローム・サヴァ
         2000年7月12、15日:オランジュ野外劇場 

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(12)ザルツブルク [2003夏南仏とザルツブルクの旅]

8/2(土)


 昨日より気温が上がってきましたが、朝晩は涼しいのが嬉しい山間の街ザルツです。夏の音楽祭の時期は路上でのヴァイオリンやフルートなどのアマチュア・パフォーマンスも多く、


↓大聖堂の広場では人間チェスをする人たちも


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 大聖堂では丁度パイプオルガンのコンサートが始まりバッハやリストなど聴きました。ここは入り口上の大きなパイプオルガンのほかに中小4台のパイプオルガンがあって、さすがです。内部はバロック様式。


ケーブルカーで城の展望台へ。テラスでランチも済ませ


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下に降りてザルツブルクで一番古い?小さな教会を観たり


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モーツアルト広場の(i)へ行って、2日後の「ヒトラーの山荘バスツアー」を予約しました。


仮眠の後、暑いけれど頑張って着物を着て祝祭大劇場へ。昨年春、突然亡くなったヴェルニケの追悼の大きな写真が祝祭大劇場の広場にも掲げられていました。いかに彼の存在がこの音楽祭でも大きかったかが、今さらながら胸に迫りました。

その広場に大きな張りぼて人形が置かれていたのですが、卑猥だというので不評。私の滞在中に取り去られたという事件もありました。



♪~ヴェルディ『ドン・カルロ』18:30開演@祝祭大劇場


指揮:Valery Gergiev   演出:Herbert Wernicke(♱)


フィリッポ2世:Ferrucco Furlanetto   ドン・カルロ:Johan Botha

ロドリーゴ:Dwayne Croft   宗教裁判所長:Kurt Rydl   エリザベッタ:Adrianne Pieczonka   エボリ:Olga Borodina   テバルト:Martina Jankova


オーケストラ&コーラス/ウィーン国立歌劇場管弦楽団&合唱団


1998年(マゼールの指揮)がプルミエだったこの舞台は今回はゲルギエフが指揮しました。ここの大舞台をスケール豊かな、そしてシンプルな装置で、スペインの宗教的圧迫感とともにドラマは進行します。ゲルギエフのぐいぐいと荒々しいまでに引っ張る指揮ににウィーンフィルの名手たちが勢ぞろいして、豊かさとドラマティックなヴェルディが出来上がりました。
大好きなチェロのマスターのお髭のおじさまも、この日とウィーンフィルのコンサートが最後の演奏になった模様。多分定年になられたようです。彼がオーケストラボックスに姿を現わしたとき、拍手がおきましたから、予感はしていましたが・・・。
4幕の冒頭に演奏されたチェロの調べは一生忘れられないでしょう。精魂こめて弾かれていたように、王の孤独とともに普遍的な人間の孤独・・・伝わりました。胸がいっぱいになりました。

歌手はフィリッポ2世のフルラネットとエボリのボロディナがだんとつ!良かったです。ロドリーゴのD・クロフトはスタイリッシュで素敵でした。ボータは初めて聴きましたが声は良いけれど、巨体がどうも目に余り(演技以前の問題)、かっこいいクロフトとの差があり過ぎ・・・肥満体でも許されるのはパパロッティだけと思いました。祝祭大劇場の大きな舞台をフルに使っての演出。ヴェルニケのデザインした衣装もセンス良く、エリザベッタのドレスの立ち姿の美しさ!6年前にザルツで観て感動したのもヴェルニケの『ボリス・ゴドゥノフ』だったことなど思い出しつつ、改めて失ったものの大きさを痛感。イタリア語4幕版。


↓プログラム


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席は2階のバルコンの2列目(140€)。暑くて(冷房なし)誰にも見えないので足袋を脱ぎたくなるほど。日本の女がすたると思いとどまりましたが(笑)。以前扇子でパタパタしたら、隣席の方に睨まれたことがありましたので、横のおじさまにお断りしたところ、いたく感心され「礼儀正しいレディだ、ジャパニーズだよ」と、前の席の方たち(家族らしい)にも吹聴され、赤面。
レストルームでお会いした日本人の方にも着物を褒められて気分良~く、少し涼しくなった街をホテルへ帰りました。


追記:ヴェルニケ@ザルツブルク夏の音楽祭 

Herbert Werniche@Salzburg 

(1)Nonteverdi『L'ORFEO』 

premiere  27.Juli 1993 / Dirigent Rene Jacobs/Graham,Bacelli,Fouchecourt 


(2)Mussorgsky『BORIS GODUNOW』

premiere7.Aug1994/Dirigent Claudio Abbado/Ramey、Nichiteanu、Langridge、

♪~Salzburg1997.8


(3)R・Strauss『DER ROSENKAVALIER』

premiere 30.Juli 1995 /Dirigent Lorin Maazel/Studer,A・Marray

♪~Paris1998.10


(4)Beethoven『FIDELIO』

premiere10.August 1996/Dirigent Sir Georg Solti/Mattei、Heppner,Studer,Pape


(5)Verdi『DON CARLO』

premiere7.August 1998/Dirigent Lorin Maazel/Pape,Shicoff,Alvarez,Lloyd、Zajick

♪~Salzburg2003.8


(6)Berlioz『LES TROYENS』

premiere24.Juli 2000/Dirigent Sylvain Cambreling/Villars,Lloyd,Polaski,Spence


 (7)Offenbach『LA BELLE HÉLÉNE』

premiere17.August 2000/Dirigent Stéphane Petitjean/Badea,Gubisch,Visse

♪~Aix-en-Provence1999.7

 

   



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(11)ザルツブルク [2003夏南仏とザルツブルクの旅]

8/1(金)


 この日から暑くなってきたザルツブルク、私が南仏の太陽を運んできたのでしょうか・・・。久しぶりの懐かしいザルツの街をぶらぶら歩き。前回はツアコンの後について歩いただけでしたので、やはり気ままな旅はいいものです。

↓祝祭劇場近く


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↓St. Blasius 教会


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↓ エレベーターでメンヒスベルクの展望台へ。ランチもここで軽く済ませました。


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ストリートてもみん(笑)


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 モーツアルトの生家の裏の広場の青空マーケットで果物などお買い物の後はホテルでのんびり過ごしました。

今夜はトーマス・ハンプソンのリサイタルです。会場の祝祭小劇場は初めてでした(現在は改装後Haus für Mozartに変更)平土間の最前列に日本人が14,5人並んで座っています。多分ファンクラブ?こちらへきてハンプソンの人気の高さにオドロキでした。ホテルの部屋にあったオペラ雑誌の人気投票でもバリトン部門で1位、ちなみにソプラノはネトレプコでした。


♪~  「トーマス・ハンプソンリサイタル」1930開演 @祝祭小劇場

ピアノ伴奏:ヴォルフラム・リーガー

 HUGO WOLF UND SEINE ZEIT(フーゴ・ヴォルフと彼の時間)というタイトルのリサイタル。フーゴ・ヴォルフ(1860-1903)はスロヴェニア生まれの後期ロマン派の作曲家。

プログラムによりますとこの夜は1888年に作曲されたメーリケの詩による歌曲集などが歌われました。ドイツ語は全くダメなので、意味は全く分からないものの、ハンプソンの声とドイツ語の響きのベストマッチに感動でした。ピアノ伴奏も秀逸。席は上階2列目(30€)

↓プログラム

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 ランチは独りでも気後れしませんが、夕食や夜食はなかなか慣れませんので、お寿司やサンドイッチのテイクアウトが多くなります。その点ザルツブルクは狭い地域にお店や野外マーケットもあり、気軽に調達できて便利です。

オペラ好きな日本の方とお話しする機会も多いのもザルツブルクの特徴かもしれません。この夜はパリ在住の女性と帰る道が同じ方向で、モーツアルト広場でワインを飲みながらお喋り。この広場では毎晩9時からザルツで収録されたオペラが放映されます。この夜は2001年の『ファルスタッフ』でした。彼女は二十数年前に観たドミンゴの『オテロ』以来のオペラファン。日本から単身パリに出て、洋裁で身を立てられてきた方のお話も、また興味深く伺いました。とても楽しい夜でした。





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(10)マルセイユ~ザルツブルク [2003夏南仏とザルツブルクの旅]

7/31(木)マルセイユ10:50→パリCDG12:20/14:50→ザルツブルク16:30


ザルツブルク/Hotel Radisson SAS 5泊


  朝早い出発なので、独りで朝食を済ませました。ここのホテルの朝食もオレンジを自分で絞って作るジュースや好みの茹で加減ができる卵など、簡素ながら満足できました。8時頃、娘より先にチェックアウト。別れの時はさすがに淋しい気持ちになりましたが、秋には結婚の支度などのヘルプのため、ロスアンゼルスに押し掛けるつもりなので、それまで元気でね~!と笑顔でさようなら。


ホテルからマルセイユ空港までタクシー(50€)。マルセイユはタクシー代が高いです。パリからは直行便でザルツブルクに飛びました。2回目のザルツブルクは6年ぶりでした。初回はツアーでしたので、今回はうっかりホテルを予約するのが遅れて、ハイクラスのラディソンしか空いてなく、予算オーバー・・・。


 さて、ザルツは今にも雨が降り出しそうなダークグレイの曇り空。気温も23度くらいで南仏に比べるとかなり涼しく、安堵。ホテルの部屋は5☆だけあって、素敵です。


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↓部屋からは中庭と


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↓左にザルツブルクの旧市街を流れる川が見えます


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動で疲れたので、夜のオペラはコンサート形式ですし居眠りの心配が・・・。水色のワンピースとジャケットのアンサンブルで行きましたが、コンサート形式であってもドレスアップしたご婦人たちが多いのは、さすがザルツです。


♪~R・シュトラウス『エジプトのヘレナ』(演奏会形式)19:00開演@フェルゼンライトシューレ


指揮:ファビオ・ルイージ  オーケストラ&コーラス/ドレスデン歌劇場管弦楽団&合唱団 

ヘレナ:デヴォラ・ボイト   メネラス:アルベルト・ボンネマ   ヘルミオーネ:マルティナ・ヤンコーヴァ   アイテラ:へレン・ドナウ   アルタイル:ファルク・ストラックマン   ド・ウド:クレジミール・スパイサー

 R・シュトラウスはこうこなくっちゃ~と大満足。色彩感のある素晴らしい演奏でした。スイスロマンド管が札幌で公演したときのルイージが好印象でしたから、期待感いっぱいでしたが、まさしくお見事!なシュトラウスでした。ヘレナを歌ったデヴォラ・ボイトも、これ以上のヘレナを歌えるソプラノはいないでしょう。艶やかさと気品にあふれた声がフェルゼンライトシューレのホールに響き、陶然となりました。トロイ戦争の後、ヘレネは夫メネラスとともにエジプトに戻りますが、裏切った妻ヘレネを許すことのできない、苦悩の夫。ギリシア神話に名を借りた夫婦の葛藤物語…といえば『インテルメッツオ』を思い出しますね。めったに上映されないオペラですが、指揮のF・ルイージとD・ヴォイトの素晴らしいパフォーマンスのおかげで、ザルツブルグでの第一夜は満ち足りた想いのうちに、終わりました。席は9列目左側190€。


↓プログラム


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幕間にカナッペなどいただいたので、夜食は持参のカップうどん、ビール、おつまみのおかき。


予習のために探した音源は下の古い録音のものしか、手に入りませんでした。
参考CD:R・シュトラウス『エジプトのヘレナ DIE AGYPTIDCHE HELENA』

指揮:JOSEPH KEILBERTH オーケストラ&コーラス/バイエルン歌劇場管弦楽団&合唱団


ヘレナ:Leonie Rysanek   メラネス:Bernd Aldenhoff   アイテラ:Annelies Kupper

アルテール:Hermann Uhde  ダ・ウド:Richard Holm


1956年8月10日収録 バイエルン歌劇場ライブ盤/1996年ORFEOにて再録


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(9)アルル~マルセイユ [2003夏南仏とザルツブルクの旅]

7/30(水)

アルル最後の日はやはりサン・トロフィームの回廊へ再び行きました。柱頭彫刻の細かな作業に心惹かれます。特にある一本の柱頭には受胎告知から降誕、産婆さんによるキリストのもく浴、おまけに隣の柱の陰になって見えない部分にまで彫られた聖ヨセフには驚きました(写真は初回訪れたときにアップ済)。信仰篤いとはいえ、自分の仕事に誇り持ち、愛情を注いだであろうその人の手技を目の前に、800年の時を経て身近に感じる不思議さに時がとまるとはこのこと。

↓お別れの前に教会の写真を撮り

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出発の時間が来てあわててホテルに戻り、チェックアウト。昼ごろの列車でマルセーユへ。TGVが開通したマルセイユは駅の大改装中。夏のヴァカンス客でごった返す構内で救急隊員が熱中症?、倒れた若者を介抱していました。近くを通りかかりましたが、意識はもうろうとした感じでした。若いだけに油断もあったでしょうが、人通りの多い駅で見つかって助かったのではないかしら?

 

 日本から到着した夜に泊まった旧港のホテルに8日ぶりに舞い戻りチェックイン、預けてあったトランクを引き取り部屋へ。窓からの港と丘の上の教会の眺めが素晴らしく、娘と眺めていますと、10年前に亡くなった義父が20代はじめに農業機械の勉強のためにロンドンに渡航、マルセ−ユにも寄港していました。これと同じ風景を見たかも知れないという想いがこみあげてきました。

幸い、ホテルの前から丘の上のノートルダム・ド・ラ・ギャルド・バジリカ聖堂までプチ・トランが登っているというのでさっそく乗り込みました。チケットを買おうとすると「ノッテ、ノッテ、ノッテレバ」と日本語の上手な運転手のおじさん。急勾配の坂道を登ってマルセーユのランドマーク、大きな聖母子像の立つバジリカへ。ここで皆降りて見学し、30分後の次ぎのプチ・トランで帰るシステムになっています。ここも要塞をかねていたとみえ、跳ね橋があり、物々しい雰囲気があります。

 

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☆ノートルダム・ド・ラ・ギャルド・バジリカ聖堂Basilique  Notre-Dame de la Garde

 

下のクリプトと上の聖堂の二層式。ロマネスク・ビザンティン様式の壮麗な内部。内陣に比較的新しい船の図柄のモザイク、飾り物、絵画にも港町らしい航海にまつわるものは船旅の安全を願って奉納したものでしょう。「おじいちゃんもきっとここへ来てお参りしたにちがいないわ」と無口で優しかった義父を思い出しました。ひと休みしようと椅子に腰掛けようとしたとき、「どちらから?」と日本人のシスターが声をかけてきました。「札幌です」というと一瞬声をのんだように見えました。札幌出身の方だったのです。天使女子大を出られた保健婦さんの資格をもつシスターでした。札幌、神戸、モロッコそして今はこの聖堂の隣接する修道院に居られるとのことでした。プライベートなことはほとんどおっしゃらず、この聖堂は船の安全ばかりでなく、人生の荒波にもまれる人々を守ってくださるということなど説明してくださいました。娘もクリスチャンの青年と結婚して、来春からアメリカで暮らすことになります。近じか、洗礼を受けることにも決まっていました。とても熱心にこのかたのお話に耳を傾けていました。神戸の病院は海星病院というので、次女のフィアンセの母上が系列の女学院出身なので、いろいろな偶然に驚きました。

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Google earthから拝借したノートルダム・ド・ラ・ギャルド・バジリカ聖堂の全景(海抜154m)

 

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外へ出ると地中海のきらめくような地中海の青が目に入り素晴らしい眺めです。眩しくもあり、遠く暮らすことになる娘とのふたり旅も終わりに近く、その感慨も迫ってきて、泪がじわ~と、慌ててサン  グラス。プチ・トランにも乗り遅れたので、急な坂を降りてサン・ヴィクトール修道院を目指しました。

 

 ☆サン・ヴィクトール修道院Abbaye St-Victor

 ここは4世紀からと古い歴史を持ち、地下のクリプトも今までになく広大です。外観はここも港の要塞を兼ねるのでしょう。強固な城塞のようにも見える厳めしさ。ロマネスクらしい楚々とした魅力にははずれますが、内部は静寂、神聖な雰囲気にあふれていて、内陣の簡素な佇まい、その外観との落差も強く印象に残りました。クリプトは有料。聖人たちの墓が並べられています。布教のためにマルセイユから異国に出発して、そして命を捧げてお骨になって戻ってきたのです。

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↓プラン

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 既に陽が暮れようとしていますが、まだ西からの日差しが照り付け暑ーい!ホテルの反対側の旧港の近くまで来ましたが、ダウン寸前。カフェをようやく見つけて一息入れました。ここはインターネット・カフェでしたので、札幌にメールしました。札幌は冷夏で昨夜はキムチ鍋にしたとの長女の返信に眼が点!でした。2003年当時は携帯電話を持って歩いてなかった頃で、あちこちのネット・カフェを利用して、なんと便利な!と思っていたものでした。

 夕食は豪華に某有名レストランにて本場のブイヤベース。もちろん全部は食べきれないほどの量があります。お隣のおじいさまはひとりで来て、2人前からのこのブイヤベースを頼みました。結構食べ切って、ワインもボトルでぐいぐいあけてました。好きなだけ食べて飲んで、ある日突然のお迎え・・・なら良いのですが(汗)

ヨットやボートの停泊する旧港付近は夕涼みのお散歩の人たちで夜中まで賑やか。2003年夏のプロヴァンスの旅はこうして終わりました。明日から私はザルツブルク、娘はロスアンゼルスと別行動になります。


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(8)アルル(レ・サント・マリー・ド・ラ・メール) [2003夏南仏とザルツブルクの旅]

7/29(火)


  今日は午前中はエスパス・ヴァン・ゴッホとアルラタン博物館の見学。午後からはレ・サント・マリー・ド・ラ・メールへ行ってきました。

ゴッホといえばアルルに滞在していた1888年2月から1889年5月までに描いた傑作が目に浮かびますが、アルルでは一枚も本物を観ることはできません。100点以上も描いたというのに物足りない思いがしました。


↓昨日ランチで立ち寄ったカフェがモデルの「夜のカフェテラス」(クレーラー・ミューラー美術館/オランダ、オッテルロー)


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↓「アルルのゴッホの家(黄色い家)」(ファン・ゴッホ美術館/アムステルダム)


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↓「アルルのゴッホの部屋」(ファン・ゴッホ美術館/アムステルダム)


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エスパス・ヴァン・ゴッホはゴッホが耳切り事件を起こした後に収容された病院で、現在は再現された中庭や資料館が残っています。


↓エスパス・ヴァン・ゴッホにて


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前年スイスの美術館で「アルル施療院の庭」を観ていましたので、「あの庭だわ~!」と感動(笑)


 アルラタン博物館はバスターミナルからも近いので寄ってみました。女性の係員が民族衣装姿でしたので、カメラを向けましたが…撮影禁止でした。アルルの女=美人がこの伝統のドレスを着ることでますます美しく見えますが、現実は暑い日でしたし、仕事で仕方なく着てるのよの気分満載で苦笑。

アルラタン博物館はノーベル賞受賞の詩人フレデリック・ミストラルが賞金を基に作った博物館です。ミストラルの郷土愛が詰まっています。ミストラルがプロヴァンス語(オック語の一方言)で作品を書いたことで、その保護のための展示などもありました。邦訳で出版された『プロヴァンスの少女ミレイユ』がグノーのオペラ『ミレイユ』の原作だったとはこの時気が付きませんでした。


 さて時間になり12時30分発のバスで出発。何人かのツーリストのほかは地元の 海水浴の家族なども乗って、海辺の町へ50分ほど走りました。途中にはカマルグの白い馬が放牧され、乗馬学校も併設したホテルや民宿などさまざまなタイプの宿泊施設が並んでいます。

娘は高校生のとき、乗馬教室に通ったくらいなので、ここにも泊まりたかったと羨ましげ。カマルグの沼をぬって、乗馬をのんびり楽しむ人々を眺めているうちに教会の鐘楼が見えてきました。

 教会の見学前に腹ごしらえ・・・昼食は教会近くの魚介専門レストランで、大きなプレートに山盛りの牡蠣、ムール貝、海老などの盛り合わせを頼みました。今朝捕ったばかりと自慢げなおかみさん、真夏でしかも猛暑、最初は恐る恐るでしたががナント!!新鮮で美味しいこと。ブルターニュにも負けていません。レモンをたっぷり絞って…..キリリと冷えた白ワインも欠かせません。

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☆レ・サント・マリー・ド・ラ・メール教会Eglise les saintes Maries de la Mer

 さて伝説に彩られた教会の見学です。外観は要塞のようなそっけなさですが、海岸にある立地条件から、外敵や海賊から町の人たちを守る役目もあったのでしょう。単廊式の内部が暗いのは襲撃にも耐えるように窓がとても小さいから。暗いので写真は撮れませんでした。

キリストの死後ここに流れ着いたマグダラのマリアらの3人のマリア達の遺品や彼女たちの召し使いサラの像もクリプトに祀られています。サラが黒人だったということで、とりわけジプシーの巡礼者たちの信仰が篤いとのこと。他の南仏の港町には見られないちょっとエキゾチックな、流浪の雰囲気ともいえる感じ。海の聖母マリア達と名付けられたこの町は以後何世紀にもわたって巡礼地として人々を受け入れてきました。最近見かけないジプシーの煙草売りのおばさんも何人かたむろしていました。

外観はロマネスクの教会としては?でしたが↓プラン

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教会の階段を登って屋根にも上ってみましたたが、午後の強烈な陽射しにさきほどのワインがまわって、クラクラ状態でしたが、ここから見る地中海のまばゆい青、カマルグ湿地帯の眺めは素晴らしい。

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↓絵葉書ですが、カマルグからのサント・マリー・ド・ラ・メールの眺め

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↓ バス停近くから

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帰りのバスまで時間もあるので、土産物やの並ぶ細い道を歩き、ビーチにも行ってみました。

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ここは南仏のニースなどコートダジュールのビーチとは大違いで、フランスらしい洒落たところは少しもなく庶民的。周辺のカマルグの景観も含め、乗馬にビーチ、海の幸とのんびり安く過ごせそうです。そのせいか5時過ぎの帰りのバスは英語圏からの若者の観光客も多数乗っていました。

 夕食は8時過ぎに、また昨日のレストランへ。テラス席で食事していたのですが、そのうち暗くなり、蚊に刺されてしまいました。教訓:明るいうちに食事は済ませること。

アルル3泊の滞在もまたたく間に終わりました。明日はマルセイユに戻ります。


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(7)アルル(モンマジュールとサン・ジル) [2003夏南仏とザルツブルクの旅]

7/28(月)


 亀のいる小さな噴水のある中庭で朝食。このホテルは3☆の割りにブッフェの朝食も品数が揃い、美味しくいただきました。また従業員の態度も礼儀正しく好ましいです。

朝晩は涼しいけれど、こちらに来てからずーっと30度を超える日が続いています。道産子の母娘ですが、無理せずに歩きました。

  10時にタクシーを呼んでもらってサン・ジルとモンマジュールの見学に行きました。サン・ジルは厳密にいえばプロヴァンス地方にははいらないそうですが、アルルからも比較的近く(7K)、訪れやすいところです。20分程でサン・ジルの街に到着。坂を少し登った広場に面して、何度も写真で見た有名なファサードを持つ サン・ジル・デュ・ガール教会が堂々と建っています。サンチャゴへの巡礼の道に沿っているので、周辺も門前町のような雰囲気をとどめています。最近は洗浄したところが多いのですがここは黒っぽい、古びた感じのままに残っていました。

 サン・ジル・デュ・ガール教会  Abbatiale St-Gilles du Gard 

 

 7世紀後半の聖ジルの奇跡伝説によって信仰を集め、11~12世紀には南フランスきっての重要な巡礼地になりました。16世紀の宗教戦争で破壊されましたが、ファサードの彫刻と内陣の遺構は幸いにも残り、中世ロマネスク芸術を今に伝えています。

 

↓朝だったので、ファサードの写真は酷い・・・。

 

 

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↓斜めから撮ったら少しマシになりました

 

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正面扉口左のカインとアベルの物語、二人が差し出す貢ぎ物に神の手がアベルの羊に伸びている。単純な構成のなかに旧約の神の理不尽さが伝わってくる。と同時に試される側の人間の生き方にも想いを寄せずにはいられない。ここに来た中世の巡礼者はどのような気持ちでこれを見たのでしょう。

 

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↓中央扉口ラントゥに彫られた「最後の晩餐」左の「弟子の足を洗うキリスト」

 

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12世紀の南フランスはカタリ派の台頭という混乱のさなかにありました。それ故にここサン・ジルの壮麗な彫刻群のファサードの前に立つと、異端に対抗し厳しくカソリックの牙城にならんとした意気込みを感じずにはいられません。アルルの古代ローマの石棺彫刻を手本にキリスト教の精神性を見事に表現してみせた職人の技に感服です。アルルのサン・トロフィーム教会に似た多彩な構成も興味深いものでした。

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さて次の訪問地モンマジュールはアルルから10分くらい。途中ゴッホが残したデッサンにもある「モンマジュールの眺め」の農道を走り、満開のひまわり畑で写真ストップ。

 

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☆モンマジュール修道院 L'Abbatiale de Montmajour

遠くから眺めるとお城の廃虚にもみえる大きな修道院。ここは古代が発祥という墓地から初期キリスト教、中世と発展し隆盛を極めた修道院だそうです。地形的な変化もあり現在は丘の上に建ち、灌木や岩に囲まれた寂れたところです。

 

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階段の脇の入り口から入場料を払って入ります。チケット売場のキュートな若い女性が気をきかせて娘に「学生割り引きがある」といってくれました。娘が正直にかつ嬉し気に27才なのというと「ごめんなさい」と謝るのですが、それがまた可愛いひとでした。そう言えばフランスの女性は年より若く観られるのは喜ばないのでした?

狭い通路を抜け今は修道僧の姿もない教会、クリプト、回廊と見学。広いだけに、祈りの場として使われていない建物にはそこはかとない寂寥感、無常感がただよっていました。見学者も数えるほどで、独りで来たら怖かったでしょう。

↓彫刻も怖い

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↓回廊にて

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ここは昔の沼地に立っているので教会の回りも葦のような雑草が生い茂っています。サンダルで、そこを歩くのはマズイと思って、少し離れて建つサン・クロワ礼拝堂や墓所の見学はパスしました。それは正解だったようです。この後、秋に訪れた友人は蚊に刺され大変だったとか。

全体の構えが日常的な祈りの場としてよりも古代神殿の影響の強い葬送斎場のようなのが、この地方のロマネスクの一面を表わしているように思いました。

↓全景はGoogle Earthから

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Zodiaque/la nuit des temps『Provence ROMANE 1』の表紙もMontmajour

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 アルルには12時半に戻り、ゴッホの「夜のカフェ.テラス」で有名なカフェ・ヴァン・ゴッホでランチ。黄色い壁がいかにもプロヴァンスらしく、夏の陽射しを受け華やか、ますます観光客を惹き付けます。ただし料金は高めです。

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 午後からはひと休みののち、ここのハイライトであるサン・トロフィーム教会の再見学。ファサードは先ほど見たサン・ジルより小さいのですが、彫刻の満載感が強いです。ここはホテルにも近いので何度も通りすがりに見ることが出来たのでラッキーでした。「最後の審判」をはじめひとつひとつの彫刻も見飽きることがありません。

 回廊の柱頭彫刻もひとつずつ解説を見ながら辿ったのですが、残念なことに補修のためでしょう、ところどころに絆創膏のようなテープが貼られていてとても見ずらいのです。半分はゴシックとはいえこれだけのロマネスクの柱頭彫刻がほぼ完全に残っていて、部分によってはよじ登って目の高さで鑑賞ができるのが嬉しいことでした。回廊だけで1時間半ずつ2日間通いました。

↓左「受胎告知」、右「ご訪問」

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↓「降誕」

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↓上の「降誕」の裏側、聖ヨゼフ(顔が半分隠れていますが)。

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  夕食はホテル近く裏通りのレストランで。ここは大当たり!!20ユーロのムニュで前菜、メイン、デザートとそれぞれ10種類くらいから選べます。2日通いましたがどれも美味しかったです。それにとても可愛い、気取りやさんのメス猫がいます。普通は呼んでも来ませんが、観察していると若い男性のとこへは行くのです。でも私が舌平目のグリルをとったのでやってきました。(笑)

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帰るころ日本の雑誌関係らしいお仕事モードのグループが入ってきました。この通りは3軒のレストランが並んでいてどこも繁盛していました。

 

 


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(6)エクサンプロヴァンス~アルル [2003夏南仏とザルツブルクの旅]

7/27(日)エクサンプロヴァンスBT14:10→アルルBT15:30


アルル/Hotel D'Arlatan 3泊


 今朝は少し涼しい風が吹いて、しのぎやすいです。午前中はコインランドリーでお洗濯して、荷物の整理。ランチはホテル近くの日本料理屋さんへ。日本人の女将さんが気配りも上手に接客。中止になった音楽祭の話をしましたが、彼女は舞台裏で働く人たちの味方をしていましたが、音楽祭でお客さんが来ないと経営も大変だろうなと察しました。お寿司はとても美味しくてかなりなレベルです。マルセイユに水揚げしたお魚を使っているそうで、納得でした。(追記:この和食屋さんを2012再訪しましたが、移転したようです)


 さて、エクスのバスターミナルから2時ごろのバスでアルルへ。1時間20分ほどでアルルに到着。少し上り坂になる旧市街の道を歩いて、予約していたホテル・ダルラタンへ。

ホテルは街の中心のフォーラム広場に近く、それなのに静かな環境と願ってもない立地。ロビーの床は一部ガラス張りになっていてローマ時代の遺跡を見ることができます。私達の部屋は一番奥のプールのある裏庭に面した建物で比較的新しい広い部屋。エアコンも程よく効いているて、ここで3泊できると思っただけでシアワセ。


↓ホテル別館


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↓ホテルのプール


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↓ホテルの中庭。手前の噴水に亀さん


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 アルル市内の見学はバスターミナルに近い(i)の前からプチトランに乗って巡りました。円形闘牛場で降りて見学。


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↓最上階に昇ってアルルの景観を楽しみました。アルルのオレンジ色の瓦屋根が連なり、ローヌ川の流れも。


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☆サン・トロフィーム教会Eglise St-Trophime

ローマ時代に発展した古代からの都市アルルにはプロヴァンス地方で最も美しいロマネスク様式の教会があります。元は5世紀の創建ですが、現在の教会は12世紀前半に建てられたものです。西正面の古代風な浮彫も多彩で、回廊の柱頭彫刻の美しさも屈指と言われています。


私にとってはアルルで最大の見どころなので、近くに宿をとりました。すでに夕方近くですがまだまだ陽は高く、西日が強烈にサン・トロフィームのファサードを照らしていました。


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Hercule et les Cercopes ギリシャ神話から「ヘラクレスと二人のケルコプス」


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↓ローマ的なリアリスティックな表現の彫刻が多いのも特徴です。旧約から「獅子の穴のダニエル」


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旧約から「ライオンにまたがるサムソン」


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↓同じく旧約から「サムソンとデリラ」


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↓「天国と義人の魂」左の天使が族長たちに差し出すのは子供に象徴される義人の魂だそうです。


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内部はロマネスク期後、14世紀から19世紀までに渡って改築、増築されています。回廊は翌日見学することにしてホテルに戻りました。


 夕食はフォーラム広場のレストランで。ズバリ観光客向けのお店ですが、前菜にメロンと生ハム、メインは羊肉のグリルをいただきました。味は普通ですがお高い。すぐ近くにヴァン・ゴッホの「夜のカフェテラス」のモデルになったカフェがあります。










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(5)エクサンプロヴァンス(リュベロン一日ツアー) [2003夏南仏とザルツブルクの旅]

7/26(土)


今日はエクスに着いてすぐに予約しておいたバスツアーに参加しました。(i)の横から15人乗りのミニバスで9時に出発。朝市目当ての地元の老婦人たちのほかは日本人の観光客が半分も!

 

まず、アプトの土曜朝市へ。荷物になるからと警戒していたのですが、可愛い蝉のついた匂い袋などは軽いので購入。アイスティを飲みながら休憩し、先程のガイドの案内にあったカテドラル聖アンナを見に行くことにしました。ところが、道を間違え集合時間まで間に合うかと心配になり、道行く地元のおじさまに尋ねると結構遠いとのことでしかも坂道、暑いし諦めました。このかたは英語が話せ、「義理の娘は日本人なんだ」と私たちと話せるのが嬉しそうなのです。少し立ち話をしてバスに戻りました。この時は11時半ころ、気温計は37度の表示でした。


↓近郊からも集まってくるアプトの朝市は大人気


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 次ぎはルションへ。顔料のオークルの名産地でもあり、街の建物も土壁に微妙に異なる色合いのオークルに塗られている美しい街です。丘のうえの街なので展望もまた素晴らしい。

ツアーといってもバスが着くと、集合時間を告げてすぐにフリータイムになります。


↓ ルシヨンの散策


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↓ルシヨンの街の眺望


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ランチはガイドさんおすすめの見晴らしの良いテラス・レストランで。前菜がメロン半分のくりぬいたなかにポート.ワイン?、メインは羊のグリル、安くて美味でした。

↓レストラン


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 ルシヨンからは30分ほど、峠越えをしてセナンクに向かいました。道は狭く乗用車がすれ違うのがやっと。大型のバスは走れないので、マイクロバスなのです。峠から見下ろすと谷間にひっそりと建つセナンク修道院が見えました。


↓Google Earthから拝借


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↓セナンク修道院。通常はまだラベンダーの観られる時期ですが・・・多分この暑さで終わったのでしょう。残念!


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☆セナンク修道院Abbaye de Sénanque


 「プロヴァンスの三姉妹」として名高いシトー派の修道院は緑に囲まれた谷間に建っています。7月のラベンダーの季節にはその美しい花畑を背景に建つロマネスク様式の教会は特に印象深いものです。1148年の創建ですが、現在も創建当時の面影を留めています。


↓プラン


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駐車場からは一般の見学者は右の建物から入ります。ここは一度途絶えていた修道院としての機能が1989年から復活している関係もあって、ル・トロネやシルヴァカーヌとは違った緊張感のようなものを感じました。教会の正面入り口も両脇の小さい扉だけ、修道士と巡礼者のみが出入りする閉ざされた空間をより強めるかたちになっています。また修道士の寝室も各人の布団?ごとに厳密にひかれた線が残っています。

後陣の外にはここで亡くなった修道士たちの墓標が並んでいます。多分木製でしょう、しかも手製と思われる簡素な十字架です。装飾は極力省きながらも、回廊の柱頭に見えるアカンサスの葉が彫る人の個性を主張していて様々で、いじらしい感じでした。

↓回廊にて

 

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最後はブックショップへ。ここはロマネスク関連の本がとても充実しています。ゾディアック叢書も新品がずらり並んでいます。集合時間も迫り、そのうち一冊だけ急いで購入しました。

↓「L'ART CISTERCIEN / FRANCE」

 

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4年前のシルヴァカーヌ修道院、一昨日のル・トロネ修道院に続いて、この日はセナンク修道院を訪問できました。「プロヴァンスの三姉妹」を制覇です。上の写真の本「L'ART CISTERCIEN / FRANCE」シトー派修道院(フランス国内)では観るべき重要なところは13か所となっています。

私が巡ったのは、Silvacane(1999) Fontenay(2000) Le Thoronet(2003)Senanque(2003)Pontigny(2008) Noirlac(2010)Fontfroide(2011)の7か所ですが、どこも人里離れた深い森や谷間にあり、公共のバスの便はありません。その点「プロヴァンスの三姉妹」はエクスからバスツアーも出ていますので、曜日を合わせて回るのは可能です。

 

 ↓ 帰途はゴルドに寄ってのんびり街の散歩と水分補給の休憩。

 

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↓ゴルドの眺望

 

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 7時過ぎにエクスに到着。ホテルへの道の途中にあるベトナム料理屋での夕食。生春巻きやフォーをいただいて(安くて旨い!)ホテルに戻りました。

今日もかなりな酷暑でした。ルシヨンで具合が悪くて、道端で倒れている人も見かけました。観光で疲れが出ないように、なるべくのんびり歩こうと思います。


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