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(18)パリ [2005年夏サルデーニャ・ロマネスクとオペラ]

7/8(金)

 サルディーニャから始まった長旅も明日は帰国日です。この日は先ずオルセー美術館の今まで見ていなかったアール・ヌーボーのコレクションから近代の絵画までを見学しました。サン・ミッシェル広場までバスで行き、それからセーヌ川に沿って2Kほど歩きました。途中ギャラリーや古美術屋が並んで・・・パリのハイソなストリートです。


 さて、今回は今まで見てきた印象派などから離れて、未見学の部門から鑑賞しました。1996年のナンシー美術館、2004のブリュッセルのオルタを中心としたベルギーのアール・ヌーヴォーの建築を観てきましたので、これで一応アールヌーヴォー巡りの締めくくりになりました。


↓アール・ヌーヴォー時代の邸宅を模した室内に家具が展示されています。

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↓壁にはボナールの絵


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↓ナンシー派のガラス皿?


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↓エミール・ガレの花瓶

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同じフロアには19世紀後半以後に活躍した画家たちの作品が並んでいます。


↓ルドンの「マリ・ポトキンの肖像」1900 64×48

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↓ホードラー タイトル不明

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↓クノップフの初期の作品?


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↓フェルナン・コルモン「カイン」の部分

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↓全体図はNETから拝借 1880年400×700 旧約聖書のカインとその一族の苦難の旅が描かれています。 

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↓ホテルの部屋から見えた向かいに建つリセ。

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夕方からは今回の旅の最後のオペラです。

♪~ケルビー二『メデア Medea』@19:30開演@シャトレ座


 指揮:Evelino Pido? ? 演出:Yaais Kokkos


 メデア:Anna Caterina Antonacci   ジャゾーネ:Giuseppe Gipali

?ネリス:Sara Mingardo   グラウチェ:Annamaria dell'Oste  クレオンテ:Giorgio Giuseppini

 

 オリジナルはフランス語版で『メデー Medee』ですが、近年はイタリア語の上演が多く、この公演も

イタリア語で上演されました。シャトレ座とトゥールーズのカピトール歌劇場との共同制作で、前年の公演も評判が良く楽しみでした。裏切った男に対する復讐としての子殺しという悲劇は『ノルマ』にも共通していますが、メデアは魔女として描かれているので、よりおどろおどろしい話になっています。アントナッチのメデアは期待にたがわず素晴らしいもので、役になり切ったアリアの数々やネリス役のミンガルドの健闘も光りました。昨夜のやや不満だった『つばめ』の何倍も良かった~。この旅の最後のオペラを感動のうちに締めくくることができました。


↓プログラムから

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参考CD:Cherbini『Medea』ミラノスカラ座

マリアカラスがメデア役のCDは2枚出ていますが、私は購入していません。


↓1953ライブ盤 

指揮:バーンスタイン 演奏:ミラノスカラ座管&合唱団  

マリアカラス、ナーケ、バルビェリほか

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↓1957年スタジオ録音(こちらのほうが音質良いらしい)

指揮:セラフィン 演奏:ミラノスカラ座管&合唱

カラス、スコット、ピラッツィーニほか


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(17)パリ [2005年夏サルデーニャ・ロマネスクとオペラ]

7/7(木)

 夜はオペラなので、あまり遠くには行けません。私のパリ定番のルーヴル美術館へ。ランチも館内で済ませ、書店で美術系の本を探すのも楽しいところです。


 ↓ボッティチェリの「レンミ荘の壁画」1480頃  1873年にフィレンツェ郊外のレンミ荘の開廊で発見され、剥離されてルーヴルに売却されたもの。大作なので気に行った部分だけ撮りました。

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↓トゥーラの「ピエタ」(リュネット)ロヴェレッラ祭壇画のリュネットの部分。他の部分はロンドンやローマに分散。1474

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↓マルコ・ゾッポ「聖母と奏楽の天使」1453~55頃


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↓カルロ・クリヴェッリの「シエナの聖人?」の署名部分

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↓カルパッチョ「聖ステパノの説教」部分。説教を聞く乙女たちのあどけない表情とヴェールで顔を隠した婦人をアップして撮りました。

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↓ヤコポ・バッサーノ?ワインの収穫が描かれた絵画(主題は?)。片隅に試飲する子供の姿が可愛くてアップで撮りました。

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↓ポントルモ「聖母子と聖アンナ」1529頃


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↓モナリザの周辺は来るたびに混雑度は増すばかり。


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今夜のオペラはシャトレ座です。ホテルからはメトロ一号線で2つ目.


♪~プッチーニ『ラ・ロンディーネ La Rondine』19:30開演@パリ・シャトレ座


 指揮:Marco Armilliato   演出:Nicolas Joel


マグダ・ドゥ・シヴェリィ:Katie Van Kooten    リゼッテ:Annamaria dell'Oste

ルッジェーロ・ラストゥク:Giuseppe Fillanoti  プルニエ:Marius Brenciu

ランバルド・フェルナンデス:Alberto Rinaldi     ペリショー:Frederic Caton


 人気の高いプッチーニのオペラの中では知名度が低く(日本では「つばめ」、ゲオルギューとアラーニャ夫妻が歌い、CD(下記参照)になったことで有名になりました。当然この公演もご夫妻が歌うはず?でしたが、アラーニャの名前はなく当初クレジットされていたゲオルギューも降板。少々がっかりでした。筋書きは単調というか…時代が違うので仕方ないのですが、椿姫の純愛が欠けたドライな恋愛模様(現代的かも)。貞淑な妻になりきれない女の恋愛始末記ともとれるストーリーです。でもそこはプッチーニの抒情的なメロディ―が救いです。第一幕のマグダのアリアが聴きどころです。代役のKootonは背が高く歌もそこそこでしたが、急遽舞台に立ったので仕方ありませんし、ゲオルギューの華やかさにはかないません。フリアノーティはいつもの物足りない感じ。上映時間も短くささっと終わりました。舞台は19世紀末のチャールストン・スタイルのドレスが華やかで、アールデコ装飾も素敵でした。

↓プログラム(小さな燕が飛んでます)

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参考CD:Puccini『La Rondeine』 EMI Records 1997

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指揮:Antonio Pappano  演奏:Rondon Symphony Orchestra

キャスト/Angela Gheorghiu  Roberto Alagna  ほか

Patrizia ciofiがBianca/Gabriella 役で参加しています。


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(16)ミュンヘン~パリ [2005年夏サルデーニャ・ロマネスクとオペラ]

7/6(水)

 ミュンヘン10:10→チューリッヒ11:10/12:25→パリCDG13:50


 Swiss Airのチューリッヒ乗り換え便が格安でした。でも乗り換えの案内板にはSwiss Airの記載はなく、ちょっと慌てました。ヨーロッパ間の格安航空券ではたまにこういうことがあります。


パリの宿はマレ地区にある初めてのホテルでした(現在は名前が変わっています)。Paris/Jardins de Paris Marais Bastille 3泊


 このホテルはオペラ・バスチーユにも近く、以前泊まったいくつかのマレのホテルの近くです。いつも利用していた果物屋さんやカフェなどこの界隈にも慣れていました。レセプションのお兄さんも感じ良かったのですが、エレベーターが階と階の中間にあるので、スーツケースを運ぶのが大変なのです。それで以後は泊まることはありませんでした。


 ホテルに着いたのが午後3時ごろでしたので、休憩と仮眠をとってお休みした後は夕食もかねて、バスでサン・ジェルマン・デプレへ。サン・シュルピス教会の前で降りて、何度か来ていますがついでに入ってみました。

今回は夏ですからまだまだ陽は高くまぶしいほどです。


↓内部のステンドグラスや祭壇

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↓ドラクロワの壁画「ヤコブと天使の闘い」東壁@聖天使礼拝堂

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↓「神殿を追われるヘリオドロス」の部分。西壁


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久しぶりの日本食(お寿司)を食べて、↓サン・ジェルマン・デ・プレ教会を眺めてホテルに戻りました。

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(15)ミュンヘン [2005年夏サルデーニャ・ロマネスクとオペラ]

7/5(火)

 この日の写真は一枚も残っていません。アルテとノイエの美術館に入り浸っていたのか?そして多分カメラの電源やカードが切れていて写せなかったのでしょう。美術館から帰途の電車を途中下車して、現代美術の新しいギャラリーを探して迷ってしまい、とても疲れてホテルに舞い戻った記憶だけが鮮明で、情けないです。


夕方から3夜連続の最後のオペラへ。

↓2005夏バイエルン州立歌劇場音楽祭 3公演のプログラム

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♪~ヴェルディ『オテロOTELLO』19:00開演@Bayerische Sttatsoper


 指揮:Zubin Mehta   演出:Francesca Zambello 


オテロ:Jose Cura   イャーゴ:Sergei Lriferkus  カッシオ:Raymond Very

ロデリーゴ:Kevin Conners   ロドヴィーコ:Maurizo Muraro   モンターノ:Steven Humes

デズデモ―ナ:Barbara Frittoli  エミーリア:Hannah Esther Minutillo  


演奏:Bayerische Staatsorcheter&Chor


 ヴェルディ最晩年の傑作「オテロ」は何度かオペラ鑑賞教室で観たこともあり、音楽的にも緊密度の高いドラマティックな傑作です。オテロはホセ・クーラ、デズデモ―ナはフリットリと申し分ないキャストでした。3年前にチューリッヒで観ていましたので、クーラはそこそこ頑張って歌いましたし、フリットリも美しく「柳の歌」にもほろりでしたが、イャーゴの悪の表現がいまいち。印象的だったのはカーテンコール、最前列でしたので、フリットリお姉さまに何やら叱られているクーラ弟でした。多分最後の接吻の場面(クーラが唾を飛ばして歌ったので?)が問題だったのでないかと推察。


翌日はパリに飛び、初観劇の「ラ・ロンドーネ」と「メディア」です。

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(14)ミュンヘン [2005年夏サルデーニャ・ロマネスクとオペラ]

7/4(月)

 ホテルの本館まで朝ごはんに出かけるのが、すぐ道路を挟んで向かい側なのに面倒・・・。行ったり来たりしているうちに別館に若い音楽家たちも宿泊しているのに気が付きました。そのなかに日本人女性のオーボエ?奏者だった方と朝食時のテーブルが一緒になりました。「音楽評論家ですか?」と訊かれて舞い上がりました(汗)彼女はパリ在住でお仲間と管のグループ(現代音楽の)を結成。この音楽祭に出演しているそうです。演奏日がミュンヘンを離れる日でしたので、聴けませんでした。2005夏の音楽祭のパンフレットに載っていたのですが・・・紛失。彼女のその後はNETで確認(日本で演奏)できたのですが・・・お元気で活躍されていますように。


 さてこの日の観光は初訪問のバイエルン州立博物館です。ホテルから徒歩で2k弱、20分ほどの距離です。

↓マキシミリアン通りから北へ抜ける途中にある広場。古い列柱とモダンなビル。

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↓時々雨の降る日でしたが、途中の川でサーフィンの練習中。


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☆バイエルン州立博物館BAYERISCHES NATIONAL MUSEUM)

↓建物はGoogle Earthから

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中世からの美術コレクションや民族史の博物館ですが、あまり知られていないようで、見学者もまばら。大きな建物なので迷子になりそうでしたが、観たいものはしっかり観てきました。

先ずは中世のキリスト教美術の部屋から。お目当てはロマネスク期の彫刻です。


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↓ゴシック期の部屋に移る前に名残惜しくパチリ


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↓照明を落とした暗い部屋に中世の織物が並んでいます。その中で目が点になったのが

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なんと!一角獣が「受胎告知」の聖母マリアに甘えてる~。この図像は初めてでした。帰国後調べたところ、伝説の動物一角獣は「馬に似るが性格は荒々しく、処女の懐で初めて温順になると伝承されたため、純潔の象徴聖母マリアの受胎告知や降誕の場面に組み合わされた」そうです。


↓ドイツの後期ゴシックの彫刻家リーメンシュナイダーの傑作が並ぶ部屋は圧巻でした。

マグダラのマリア(エジプトのマリア?)と天使たち。

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↓この手に目が釘付け


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↓中世末期の彫刻


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ドイツの骸骨はおどろおどろしい。

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ここまでで疲労困憊。また元の道を辿って、ホテルに戻りました。夕方からはグルベローヴァさまのオペラです。

彼女のファンがイタリアからも来ていて、私が鉄道で来たと言ったらびっくりしていました。ヴェローナから飛行機があるとか言ってましたが?


♪~ドニゼッティ『ロベルト デヴリューRoberto Devereux』19:00開演Bayerische Staatsoper


指揮:Friedrich Haider  演出:Christof Loy


エリザベッタ:Edita Gruberova   ノッテンガム公爵:Albert Schagidullin  ノッテンガム公の妻 サラ:Jeanne Piland ロベルト・デヴリュー:Zoran Todorovich   セシル伯:Manolito Mario Franz


演奏&合唱:バイエルン州立歌劇場管弦楽団&コーラス


 「アンナ・ボレーナ」と「マリア・ストゥアルダ」と並んでドニゼッティの女王3部作とのことですが、この「ロベルト デヴリュー」は他の2作ほどの人気がなく、上演されるのも珍しかったのでは?予習用の音源や映像がテに入りませんでした。後にこの2005年の公演はDVDになりました。


 グルべさまの渾身の歌唱と演技には圧倒されました。ロイの演出は衣装や背景もチューダー朝の宮廷とは異なり、背広やスーツ姿でグルべさまは大会社の会長の貫禄。愛憎いろいろあって、最後のシーンは衝撃的!王冠も金髪の鬘ウィッグもかなぐり捨てての老婆スタイル。。。その鬼気迫る絶唱は忘れられません(席も最前列でしたので目の前)。現代にもままあるワンマン経営や後継者問題もからめて普遍的な表現は秀逸と思いました。


↓参考映像/ドニッゼッティ『ロベルト・デヴリュー』2005のバイエルン州立歌劇場での収録


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