(7.8)ロサンジェルス [2003秋シカゴとロサンジェルスの旅]
(5.6)シカゴ~ロサンジェルス [2003秋シカゴとロサンジェルスの旅]
(4)シカゴ [2003秋シカゴとロサンジェルスの旅]
音はやはり大きく感じました。ビルの合間を縫って走るので、景観が良いわけでもなく、下から見上げたループのほうが面白く見えました。映画やドラマでのループ下のカーチェイスのシーンが印象的だからかも・・・。
↓シカゴの街角。あちこちに大きな彫刻が置かれています。下のはカルダーの作品
この日のランチはクラシックな建物がひときわ目立つパーマーハウスホテル内のレストランで。昨日のピザに懲りて、高級志向です。けれども、場所の雰囲気とお値段ばかりがハイクラスでお味は普通・・・あ~美味しいものが食べたい!
街の散策と昼食を終えて、ホテルに戻り仮眠・・・なかなか時差ぼけが治りません。
♪~ワーグナー『ジークフリート』18:00開演@リリック・オペラ
指揮:Andrew Davis 演出:August Everding
ミーメ:David Cangelosi ジークフリート:John Treleaven さすらい人(ヴォータン):James Morris アルベルヒ:Oleg Bryjak ファフナー:Raymond Aceto エルダ:Jill Grove ブリュンヒルデ:Jane Eaglen
指輪はまだ『ワルキューレ』だけしか見ていないので、これも初めての実舞台でした。表題役のトレレ―ヴァンはまずまずの出だしでしたが、最後のブリュンヒンデとの愛の場面はちょっとお疲れ気味。イーグレンもなにしろあの体型ですからちょっと動くとハアハアと息切れが聞こえそうでした。二人が愛を確認する40分ほど続くシーンは正直退屈しました。歌手のなかで素晴らしい活躍をみせたのはミーメのカンゲロージです。フシュクールタイプの小柄なテノールですが、屋根に登ったり、床にもぐったり少しもじっとしていません。アクロバットな演技に歌も完璧なのです。無邪気なミーメを装いながら欲望の固まりでもある複雑さを見事に表現していました。久方ぶりに背が寒くなる感覚を味わいました。モリスのヴォータンも良かったです。森の小鳥はピーターパン風の緑の衣装のダンサーが手に白い折鶴を持ってつとめました(歌声は陰で)。この場面は舞台も小鳥の歌も美しく『ジークフリート』でも好きなところです。堪能しました。全体的に音楽も小気味よく、シンプルといっても良いくらいですが、牧歌や動機のパートでは昂揚感に溢れ、めりはりのある響きでした。
シカゴッ子はおしゃべりです。美術館でも大声で話ながら鑑賞する人が多くびっくりしましたが、オペラでも同じでした....。アメリカ人(またはイリノイ人)の気質なのでしょうか?ヨーロッパの歌劇場にある良い意味での緊張感というものは感じとれませんでした。休憩時には日本のお弁当のような容器に入ったサンドイッチなど(予約しているらしい)受け取って、その辺(階段とかに)座って食べていました。
夜になってからホテルに戻るのは怖いと、なるべく人の後をついて歩いたのですが、皆さんは次々と駐車場に消えていきますので、結局は私一人…ほとんど駆け足でホテルへ。徒歩数分といえアメリカの大都会は慣れないので怖かったです。
参考映像:Wagner『SIEGFRIED』クラシカジャパンの放映で予習。
指揮:バレンボエム 演出:クプファー
ジークフリート:ジークフリート・イェルザレム
ブリュンヒルデ:アン・エヴァンス
さすらい人:ジョン・トムリンソン
ミーメ:グレアム・クラーク
アルベリッヒ:ギュンターフォン・カンネン
ファフナー:フィリップ・カン
エルダ:ビルギッタ・スヴェンデン
森の小鳥:ヒルデ・ライトランド
1992年6&7月、バイロイト祝祭劇場
(3)シカゴ [2003秋シカゴとロサンジェルスの旅]
予約はインターネットで済ませていました。確認書のコピーと引き換えです。今日の『ファウスト』と明日の『ジーグフリード』の2枚をいただいて安堵。
次はシアーズ・タワーの見学に行ったのですが、団体さんが入ったとかで、展望台に上るエレベーターも大分待つというので、休むところもなく諦めました。その案内係のおじさんに近くにおいしいピザの店ある?と聞いて行ってみました。初めてのシカゴ風ピザでしたが・・・大きいというか厚いピザ生地に味もあまり美味しいとは言えない代物で、がっかり。残したのは包んでもらって、夜も嫌々食べるありさま・・・いつものカップ麺などの食品は今回は持ってきていなかったので、仕方ありません。
さて、今日のオペラは初体験のリリック・オペラ。日曜日なので2時からのマチネです。とてもスカートやドレスを着る気にはなれないほどの寒さですから、カシミヤのアンサンブルのセーターにストッキングを2枚重ねて、ウールのパンツというスタイル。赤いレザーの半コートにマフラーをぐるぐる巻きのできうる限りの防寒スタイルでゴー。劇場内もそれほど暖房をきかせているわけでもなく、おしゃれしている人は数えるほどでした。
♪~Charles Gounod『Faustファウスト』14:00開演@Lyric Opera of Chicago
指揮:Mark Elder 演出:Frank Corsaro
ファウスト:Marcus Haddock マルグリート:Patricia Racette
メフィストフェレス:Samuel Ramey ヴァランタン:Philip Torre
シーベル:Lauren Mcneese マルテ:Judith Christin ワグナー:Quinn Kelsey
表題役のマーカス・ハドックは昨年のグラインドボーンの『カルメン』にホセで
オッターのカルメンと歌っていたのをNHKのダイジェスト版で観たことがありました。厚みのあるドラマチックな歌の印象が良かったので、期待していました。この日も高音を綺麗にのばし、シカゴデビューを好調に歌っていました。体型はちょっと太りきみですが、動きや演技もまあまあ。
このオペラの生の舞台は初めて、「宝石の歌」「トゥーレの王」の二つのアリアが大好きなので楽しみでしたが、残念ながらラチェットは小綺麗に歌っているなと言う程度で、時差ぼけ気味の頭とハートに響いてきません。
レイミイはさすが、歌も演技も昔ほどの切れはないかもしれませんが、動きが軽やか。3年前のパリで観た『ホフマン』以来でしたが、あの時よりいきいきと悪魔役を歌っていました。(若い夫人に赤ちゃんも出来たとか、お元気でなによりです)
演出で目新しかったのはファウスト博士とメフィストフェーレの出会いの一幕目。解剖学室の風景、白い布で包まれた遺体の並んだベットのひとつが悪魔の隠れ場所というわけです。何処から現れるのかなと屋根のほうを見ていたので、ちょっとびっくりでした。文学や哲学の本に埋もれて呻吟するフアウストでないと魂を若さと引き換えに悪魔に売るという心境にならないのでは?解剖学者の設定ではどうも納得できません。なんたって科学者ですから・・・。
↓プログラム(無料)
シカゴはリッチな銀行家や投資家が多いので、寄付も多額です。それでプログラムには写真入りで紹介されたりしています。それと、今まで上演された『ファウスト』が写真付きで載っています。1979年のクラウスとフレーニ(ロマンチック ペアですって!)とか。
参考映像 :GOUNOD『FAUST』
指揮:ポール・エチュアン 演出:ジャン・ルイ・バロー原演出より
オーケストラ&合唱:NHK交響楽団&日本プロ合唱団連合
ファウスト:アルフレード・クラウス メフィストフェレス:ニコライギャウロフ
マルガレーテ:レナータ・スコット ヴァレンティン:ロレンツォ・サッコマーニ
シーベル:ミレーナ・ダルビーヴァ マルテ:アンナ・ディスタジオ
ワーグナー:パオロ・マッツオッタ
1978年9月NHKホールにて収録
参考CD:Charles Gounod『Faust』
指揮:Richad Bonynge オーケストラ&合唱:London Symphony Orchestra & Ambrosian OperaChorus
ファウスト:Franco Corelli メフィストフェレス:Nicolai Ghiarov マルグリート:Joan Sutherland ヴァレンティン:Robert Massard シーベル:Margrete Elkins マルテ:Monica Sinclair ワーグナー:Raymond Myers
1966.7&8 ロンドンにて収録
(1.2)札幌~成田~シカゴ [2003秋シカゴとロサンジェルスの旅]
(14&15.16))ザルツブルク&帰国 [2003夏南仏とザルツブルクの旅]
(13)ザルツブルク [2003夏南仏とザルツブルクの旅]
6年前のザルツブルグはツアーでしたが、今回はチケットの手配を含めて、すべて自力。これに味をしめて4年連続ザルツに出かけることに・・・。
♪~オッフェンバック『ホフマン物語』19:30開演@ザルツベルク祝祭大劇場
指揮:ケント・ナガノ 演出:ダーヴィット・マックヴィガー
ホフマン:ニール・シコフ ラ・ミューズ/二クラウス:アンジェリカ・キルヒシュラーガー リンドルフ/コッペリウス/ドクター・ミラクル/ダペルトゥットの4役:ルッジェロ・ライモンディ アンドレス/コシュニーユ/ピティキナッチョ/フランツの4役:ジェフリー・フランシス オリンピア:ルビカ・ヴァルギコヴァ アントニア:クラッシミラ・ストヤノーヴァ ジュリエッタ:ワルトラウト・マイヤー
ステラ:ウルスラ・プフィッツナー クレスペル:クルト・リドル
オーケストラ&コーラス/ウィーンフィル&ウィーン国立歌劇場合唱団
舞台はフリードリッヒの絵画に描かれるような大木にヴァイオリンなどがぶら下がっていて、深みのある色彩がほーっと溜息が出るように美しい。 |
主人公のホフマンはアル中?薬中?芸術と現実のうつつに彷徨する青年。舞台の片隅で、下のプログラムの写真のように鬱々状態。ニール・シコフはあまり調子が良くないようでしたが、何度もこの役を歌っているので、それなりに安心して聴けました。ただし、好みの歌い方ではありませんが。。。
↓ジュリエッタのマイヤー(プロマイド)
反してライモンディは不調。後からの情報では病後だったらしいのです。前年チューリッヒで聴いたオテロのイヤーゴの時は快調でしたから、少々残念。またプロローグの酒場の場面で、ナタナエルの役でジョン・健・ヌッツオが出演。頑張っていましたし、将来の活躍が期待されていました。 後ろの席のおじさまに「ベルトがビューティフルだね」と言われて「えっ? 帯のことでした」 ↓この時の公演はCDかDVDになっているのか、調べてましたら、NETに音源だけ見つけました。 |
https://www.mixcloud.com/Jungfer_Marianne_Leizmetzerin/offenbach-les-contes-dhoffmann-shicoff-vargicov%C3%A1-stoyanova-meier-nagano-salzburg-2003/
参考映像:オッフェンバック(1819-1880) <ホフマン物語>
2000.8道新教室にて
ホフマン:マーカス・ハドック ニクラウス:アンゲリカ・キルヒシュラーガー
オランピア:ナタリー・デッセイ
ジュリエッタ:ベアトリス・ユリア モンゾン(ソプラノ)
アントニア:レオンティーナ・ヴァドゥヴァ
リンドルフ/コペリウス/ダペルトゥット/ミラクルの4役:ジョゼ・ファン・ダム
アンドレス/コシュニーユ/ピティキナッチョ/フランツの4役:ジャンポール・
フーシュクール ミューズ:カトリーヌ・デューヌ
トゥールーズ・キャピトル劇場管弦楽団
合唱:トゥールーズ・キャピトル劇場合唱団、アビニヨン歌劇場合唱団、
(12)ザルツブルク [2003夏南仏とザルツブルクの旅]
その広場に大きな張りぼて人形が置かれていたのですが、卑猥だというので不評。私の滞在中に取り去られたという事件もありました。
大好きなチェロのマスターのお髭のおじさまも、この日とウィーンフィルのコンサートが最後の演奏になった模様。多分定年になられたようです。彼がオーケストラボックスに姿を現わしたとき、拍手がおきましたから、予感はしていましたが・・・。
第4幕の冒頭に演奏されたチェロの調べは一生忘れられないでしょう。精魂こめて弾かれていたように、王の孤独とともに普遍的な人間の孤独・・・伝わりました。胸がいっぱいになりました。
レストルームでお会いした日本人の方にも着物を褒められて気分良~く、少し涼しくなった街をホテルへ帰りました。
(11)ザルツブルク [2003夏南仏とザルツブルクの旅]
HUGO WOLF UND SEINE ZEIT(フーゴ・ヴォルフと彼の時間)というタイトルのリサイタル。フーゴ・ヴォルフ(1860-1903)はスロヴェニア生まれの後期ロマン派の作曲家。
プログラムによりますとこの夜は1888年に作曲されたメーリケの詩による歌曲集などが歌われました。ドイツ語は全くダメなので、意味は全く分からないものの、ハンプソンの声とドイツ語の響きのベストマッチに感動でした。ピアノ伴奏も秀逸。席は上階2列目(30€)
↓プログラム
ランチは独りでも気後れしませんが、夕食や夜食はなかなか慣れませんので、お寿司やサンドイッチのテイクアウトが多くなります。その点ザルツブルクは狭い地域にお店や野外マーケットもあり、気軽に調達できて便利です。
オペラ好きな日本の方とお話しする機会も多いのもザルツブルクの特徴かもしれません。この夜はパリ在住の女性と帰る道が同じ方向で、モーツアルト広場でワインを飲みながらお喋り。この広場では毎晩9時からザルツで収録されたオペラが放映されます。この夜は2001年の『ファルスタッフ』でした。彼女は二十数年前に観たドミンゴの『オテロ』以来のオペラファン。日本から単身パリに出て、洋裁で身を立てられてきた方のお話も、また興味深く伺いました。とても楽しい夜でした。
(10)マルセイユ~ザルツブルク [2003夏南仏とザルツブルクの旅]
指揮:ファビオ・ルイージ オーケストラ&コーラス/ドレスデン歌劇場管弦楽団&合唱団
ヘレナ:デヴォラ・ボイト メネラス:アルベルト・ボンネマ ヘルミオーネ:マルティナ・ヤンコーヴァ アイテラ:へレン・ドナウ アルタイル:ファルク・ストラックマン ド・ウド:クレジミール・スパイサー
R・シュトラウスはこうこなくっちゃ~と大満足。色彩感のある素晴らしい演奏でした。スイスロマンド管が札幌で公演したときのルイージが好印象でしたから、期待感いっぱいでしたが、まさしくお見事!なシュトラウスでした。ヘレナを歌ったデヴォラ・ボイトも、これ以上のヘレナを歌えるソプラノはいないでしょう。艶やかさと気品にあふれた声がフェルゼンライトシューレのホールに響き、陶然となりました。トロイ戦争の後、ヘレネは夫メネラスとともにエジプトに戻りますが、裏切った妻ヘレネを許すことのできない、苦悩の夫。ギリシア神話に名を借りた夫婦の葛藤物語…といえば『インテルメッツオ』を思い出しますね。めったに上映されないオペラですが、指揮のF・ルイージとD・ヴォイトの素晴らしいパフォーマンスのおかげで、ザルツブルグでの第一夜は満ち足りた想いのうちに、終わりました。席は9列目左側190€。参考CD:R・シュトラウス『エジプトのヘレナ DIE AGYPTIDCHE HELENA』