(4-2)バーリ(トラーニ) [2002 秋プーリア・ロマネスクの旅]
アドレア海を背に建つトラーニ大聖堂でタクシーを降りたのは1時を回っていました。聖堂の見学の前に、運転手さんもお勧めの聖堂の隣りに建つホテルのレストランでランチを済ませました。アンティパスト・ミスト(4皿)スパゲッティ・ボンゴレ、水、ワイン、エスプレッソで25EUR★★★。野菜も沢山添えられ上品な味、鰯のマリネは酢がやや利きすぎ。
ところが日曜日なので午後はミサも終わったからでしょうか?大聖堂の扉は固く閉まっていました。また一部は修復中。それで写真は外観のみですが、青い海と空を背景に建つトラーニ大聖堂の美しさは格別です。プーリアの諸聖堂は旧市街に埋もれるようにして建っていることが多いのですが、ここは海岸に孤立しています。
☆トラーニ大聖堂 Cattedrale di Trani
この場所にはもともと5~7世紀のサン・レウチョの地下埋葬室があり、その上にマリアを祀る教会が建てられていました。しかし劣化が進み11世紀末、トラーニで夭折した二コラが列聖されたことから教会建設が始まり、13世紀前半に完成。
↓全景
↓ファサード 薔薇窓やその下の小窓の周辺には動物たちの彫刻。
↓扉口周りの彫刻も凄すぎる~。両サイドに人間を襲うライオン
オリジナルの扉はブロンズ製(1175年制作)で現在は教会内部で観られるようです。私が訪れたときには情報がまだごく少なく、参考にしたイタリア旅行公式ガイド(1997NTT出版)ではオリジナルの扉はまだ外されていないときの記述でした。記憶が不確かですが、教会右にある司教区博物館に移されているとの情報もあったのです。しかし博物館も閉まっていました。
↓観られなかったブロンズの扉(参考書JacaBookよりスキャン)
↓扉口側柱に彫られた「ヤコブの夢」
↓南側面から
↓後陣外観
↓北側面へ
↓プラン(左1F)(右クリプト)
↓ 全体図はGoogle Earthから
↓近くには見学しませんでしたがお城も建っています。
↓角を曲がるとき振り返って・・・
昼間の旧市街は人通りもまばらですが危険な感じは全然なく、のんびり歩きました。
↓港のほうから見えたのはオニサンティ教会の後姿です。小道に面した入り口には柵があり閉まっていました。ここはテンプル騎士団のために献堂された12世紀の教会です。
↓駅までの途中に見つけた小さなサン・フランチェスコ教会(1176-84) 屋根にクーポラが3つ並んでいます。
大聖堂から駅までは1Kくらいの距離です。列車の時刻にあわせてBARで一休み。次の目的地、モルフェッタまでは列車で行きました。この線は幹線なので日曜日でも本数があり便利です。
さて、モルフェッタ駅に到着しましたが・・・ここでプーリアの旅最大のトラブルが待っていたのです。
疲れたのでモルフェッタの旧大聖堂まで駅前に停まっているタクシーで行こうとしたのですが、運転手さんはアルコールの入った赤い顔で、近いので(1キロくらい)歩いて行けばと断れてしまったのです。そこへ高校生くらいの男の子が二人現れ案内するというのです。地図も持っているからと断ったのですが、しつこく後ろからついてくるのです。途中、BARに寄って15分くらい休んでからでてみると、まだ待ち伏せしていて、目つきの悪い子も加わっています。ひと気のなくなったときが危ないかな?と日曜日の午後で閉まっているので内部は見学できないし、諦めて駅に戻りました。でも駅の近くまでなんだかんだと後ろから、文句言いながらついてくるのです。正直怖かったです。やっぱり南イタリアだわ・・・モルフェッタの旧大聖堂、外観だけでも観たかったので悔し涙でバーリに帰りました。明日からもこんなことがあったらどうしょう・・・ドッと疲れが出て夕食に出るのも億劫になり、部屋でカップラーメンを食べて早めに就寝。