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(13)ザルツブルク [2003夏南仏とザルツブルクの旅]

8/3(日)


 この日は日記をつけてないので、ぼんやり過ごしたものと思われます。旧市街の散策や昼食に中華を食べに入ったお店の餃子が美味しかったことなどでしょうか。ショッピングは実は以前ザルツに来た時高価なので、迷って買わなかったゴブラン織りのハンドバックに未練が残っていたのです。記憶をたどって行ってみましたが、幸か不幸かあの手造りの織やレース編みのお店はすでになく・・・がっかりでした。

夕方からはやや涼しくなったので、また頑張って着物姿で祝祭大劇場へ。


ザルツの今夏の目玉はこのマックヴィガーの演出の「ホフマン物語」ということで、最もチケットが手に入りにくい公演でした。まだネットでの手配にも慣れていなかったときでしたから、苦労した覚えがあります。最後の送信で進まず、結局FAXしてゲット。

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年前のザルツブルグはツアーでしたが、今回はチケットの手配を含めて、すべて自力。これに味をしめて4年連続ザルツに出かけることに・・・。


♪~オッフェンバック『ホフマン物語』19:30開演@ザルツベルク祝祭大劇場

揮:ケント・ナガノ 演出:ダーヴィット・マックヴィガー 

ホフマン:ニール・シコフ   ラ・ミューズ/二クラウス:アンジェリカ・キルヒシュラーガー    
リンドルフ/コッペリウス/ドクター・ミラクル/ダペルトゥットの4役:ルッジェロ・ライモンディ   アンドレス/コシュニーユ/ピティキナッチョ/フランツの4役:ジェフリー・フランシス   オリンピア:ルビカ・ヴァルギコヴァ    アントニア:クラッシミラ・ストヤノーヴァ   ジュリエッタ:ワルトラウト・マイヤー  

ステラ:ウルスラ・プフィッツナー   クレスペル:クルト・リドル

 

オーケストラ&コーラス/ウィーンフィル&ウィーン国立歌劇場合唱団

 

 

舞台はフリードリッヒの絵画に描かれるような大木にヴァイオリンなどがぶら下がっていて、深みのある色彩がほーっと溜息が出るように美しい。

主人公のホフマンはアル中?薬中?芸術と現実のうつつに彷徨する青年。舞台の片隅で、下のプログラムの写真のように鬱々状態。ニール・シコフはあまり調子が良くないようでしたが、何度もこの役を歌っているので、それなりに安心して聴けました。ただし、好みの歌い方ではありませんが。。。

img214.jpg

ぜんまい仕掛けの人形の演技もコロラトゥーラも大拍手のオリンピアを歌ったヴァルギコヴァは2001年春のウィーンのジルダを聴いて以来でした。スロヴァキア出身の謎のソプラノ・・・というのはこのザルツブルグ以来ほとんどメジャーな歌劇場にはでていないのです。このときのオリンピアも喝采を浴びていましたし、これからの欧州各地での活躍を約束されていたはずです。地元のブラチスラヴァで歌っているようですが、それだけで満足しているのか?不思議です。

キルヒシュラーガーとマイヤーは文句のつけようのないパフォーマンス。素晴らしかったです!!

↓ジュリエッタのマイヤー(プロマイド)

image016.jpg

反してライモンディは不調。後からの情報では病後だったらしいのです。前年チューリッヒで聴いたオテロのイヤーゴの時は快調でしたから、少々残念。またプロローグの酒場の場面で、ナタナエルの役でジョン・健・ヌッツオが出演。頑張っていましたし、将来の活躍が期待されていました。

生のホフマンは2度目、バスチーユの強烈な舞台に比べると、ややまとまりがないような気もしま
したが、オッフェンバックの音楽も大好き、豪華な歌手たちのパフォーマンスも楽しめました。ケント・ナガノはやはりフランスものがしっくり来ます。

後ろの席のおじさまに「ベルトがビューティフルだね」と言われて「えっ? 帯のことでした」

↓この時の公演はCDかDVDになっているのか、調べてましたら、NETに音源だけ見つけました。

https://www.mixcloud.com/Jungfer_Marianne_Leizmetzerin/offenbach-les-contes-dhoffmann-shicoff-vargicov%C3%A1-stoyanova-meier-nagano-salzburg-2003/

 

参考映像:オッフェンバック(1819-1880) <ホフマン物語>

2000.8道新教室にて 

ホフマン:マーカス・ハドック   ニクラウス:アンゲリカ・キルヒシュラーガー

オランピア:ナタリー・デッセイ   

ジュリエッタ:ベアトリス・ユリア モンゾン(ソプラノ)   

アントニア:レオンティーナ・ヴァドゥヴァ

リンドルフ/コペリウス/ダペルトゥット/ミラクルの4役:ジョゼ・ファン・ダム

アンドレス/コシュニーユ/ピティキナッチョ/フランツの4役:ジャンポール・

フーシュクール     ミューズ:カトリーヌ・デューヌ

トゥールーズ・キャピトル劇場管弦楽団

合唱:トゥールーズ・キャピトル劇場合唱団、アビニヨン歌劇場合唱団、

オランジュ音楽祭合唱団
バレエ:ニース歌劇場バレエ団
指揮:ミシェル・プラッソン
演出:ジェローム・サヴァ
         2000年7月12、15日:オランジュ野外劇場 

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(12)ザルツブルク [2003夏南仏とザルツブルクの旅]

8/2(土)


 昨日より気温が上がってきましたが、朝晩は涼しいのが嬉しい山間の街ザルツです。夏の音楽祭の時期は路上でのヴァイオリンやフルートなどのアマチュア・パフォーマンスも多く、


↓大聖堂の広場では人間チェスをする人たちも


DSCF0028.JPG


 大聖堂では丁度パイプオルガンのコンサートが始まりバッハやリストなど聴きました。ここは入り口上の大きなパイプオルガンのほかに中小4台のパイプオルガンがあって、さすがです。内部はバロック様式。


ケーブルカーで城の展望台へ。テラスでランチも済ませ


DSCF0026.JPG



下に降りてザルツブルクで一番古い?小さな教会を観たり


DSCF0025.JPG


モーツアルト広場の(i)へ行って、2日後の「ヒトラーの山荘バスツアー」を予約しました。


仮眠の後、暑いけれど頑張って着物を着て祝祭大劇場へ。昨年春、突然亡くなったヴェルニケの追悼の大きな写真が祝祭大劇場の広場にも掲げられていました。いかに彼の存在がこの音楽祭でも大きかったかが、今さらながら胸に迫りました。

その広場に大きな張りぼて人形が置かれていたのですが、卑猥だというので不評。私の滞在中に取り去られたという事件もありました。



♪~ヴェルディ『ドン・カルロ』18:30開演@祝祭大劇場


指揮:Valery Gergiev   演出:Herbert Wernicke(♱)


フィリッポ2世:Ferrucco Furlanetto   ドン・カルロ:Johan Botha

ロドリーゴ:Dwayne Croft   宗教裁判所長:Kurt Rydl   エリザベッタ:Adrianne Pieczonka   エボリ:Olga Borodina   テバルト:Martina Jankova


オーケストラ&コーラス/ウィーン国立歌劇場管弦楽団&合唱団


1998年(マゼールの指揮)がプルミエだったこの舞台は今回はゲルギエフが指揮しました。ここの大舞台をスケール豊かな、そしてシンプルな装置で、スペインの宗教的圧迫感とともにドラマは進行します。ゲルギエフのぐいぐいと荒々しいまでに引っ張る指揮ににウィーンフィルの名手たちが勢ぞろいして、豊かさとドラマティックなヴェルディが出来上がりました。
大好きなチェロのマスターのお髭のおじさまも、この日とウィーンフィルのコンサートが最後の演奏になった模様。多分定年になられたようです。彼がオーケストラボックスに姿を現わしたとき、拍手がおきましたから、予感はしていましたが・・・。
4幕の冒頭に演奏されたチェロの調べは一生忘れられないでしょう。精魂こめて弾かれていたように、王の孤独とともに普遍的な人間の孤独・・・伝わりました。胸がいっぱいになりました。

歌手はフィリッポ2世のフルラネットとエボリのボロディナがだんとつ!良かったです。ロドリーゴのD・クロフトはスタイリッシュで素敵でした。ボータは初めて聴きましたが声は良いけれど、巨体がどうも目に余り(演技以前の問題)、かっこいいクロフトとの差があり過ぎ・・・肥満体でも許されるのはパパロッティだけと思いました。祝祭大劇場の大きな舞台をフルに使っての演出。ヴェルニケのデザインした衣装もセンス良く、エリザベッタのドレスの立ち姿の美しさ!6年前にザルツで観て感動したのもヴェルニケの『ボリス・ゴドゥノフ』だったことなど思い出しつつ、改めて失ったものの大きさを痛感。イタリア語4幕版。


↓プログラム


img215.jpg


席は2階のバルコンの2列目(140€)。暑くて(冷房なし)誰にも見えないので足袋を脱ぎたくなるほど。日本の女がすたると思いとどまりましたが(笑)。以前扇子でパタパタしたら、隣席の方に睨まれたことがありましたので、横のおじさまにお断りしたところ、いたく感心され「礼儀正しいレディだ、ジャパニーズだよ」と、前の席の方たち(家族らしい)にも吹聴され、赤面。
レストルームでお会いした日本人の方にも着物を褒められて気分良~く、少し涼しくなった街をホテルへ帰りました。


追記:ヴェルニケ@ザルツブルク夏の音楽祭 

Herbert Werniche@Salzburg 

(1)Nonteverdi『L'ORFEO』 

premiere  27.Juli 1993 / Dirigent Rene Jacobs/Graham,Bacelli,Fouchecourt 


(2)Mussorgsky『BORIS GODUNOW』

premiere7.Aug1994/Dirigent Claudio Abbado/Ramey、Nichiteanu、Langridge、

♪~Salzburg1997.8


(3)R・Strauss『DER ROSENKAVALIER』

premiere 30.Juli 1995 /Dirigent Lorin Maazel/Studer,A・Marray

♪~Paris1998.10


(4)Beethoven『FIDELIO』

premiere10.August 1996/Dirigent Sir Georg Solti/Mattei、Heppner,Studer,Pape


(5)Verdi『DON CARLO』

premiere7.August 1998/Dirigent Lorin Maazel/Pape,Shicoff,Alvarez,Lloyd、Zajick

♪~Salzburg2003.8


(6)Berlioz『LES TROYENS』

premiere24.Juli 2000/Dirigent Sylvain Cambreling/Villars,Lloyd,Polaski,Spence


 (7)Offenbach『LA BELLE HÉLÉNE』

premiere17.August 2000/Dirigent Stéphane Petitjean/Badea,Gubisch,Visse

♪~Aix-en-Provence1999.7

 

   



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