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(7)パリ~ボローニャ [2003春パリからベルリンへの旅]

4/14(月)パリ18:30→ボローニャ20:00頃(AF)


ボローニャ/パラダイスホテル4泊

 

 今日はボローニャへのフライトが夕方なのでパリでまだ観光ができます。朝コインランドリーで洗濯。ついでに待ち時間を利用して近くのカフェ・ドームでコーヒーとオムレツの朝食。

11時過ぎにチェックアウトしてスーツケースをホテルに預けポンピドー・センターへ。マレ地区を縦断、徒歩で10~15分くらいで到着。ここは相変わらずの混雑で長い行列ですが、二コラ・ド・スタールの特別展があるので、辛抱強く並びました。


☆ポンピドー・センターCentre Pompidou(3)

「二コラ・ド・スタール展 L'exposition NICOLAS DE  STAËL」

 2001年春に南仏アンティーブのピカソ美術館を訪れて以来のまとまったド・スタール体験です。最上階のフロアをテーマと年代ごとに14ルームに区切って展示されていました。最初に等身大の画家のポスター(なかなかハンサムなのですよ!)亡命したロシア貴族の末裔でもあり、41歳でアンティーブで自殺したド・スタール。画歴の変遷をたどりながら薄幸だった画家の心の叫びを耳を澄ませて聴いているような感覚・・・。個人コレクションも含めて世界各地からの出品に最後の作品になった「コンサートLa concert 」まで。充実の展覧会は大層な混みようでした。日本ではあまり知られていない画家ですし、アンティーブでもド・スタールの部屋は私一人だったので、やはりパリですな~笑。


↓カタログ


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↓「Grande Composition bleue」1950-1951 200×150(ポンピドー・センター蔵)


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↓「Les Martiques」1954 146×97 (ヴィンタートゥール国立美術館)


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↓「コンサート」1955 350×600(アンティーブ/ピカソ美術館)


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 遅めのランチはメトロのサン・ポール駅から近い「ブルギニョンAu Bourguignon」にて。ここはブルゴーニュ地方料理屋なので、エスカルゴの前菜は必須です。それに赤魚のメイン(付け合わせの野菜にもやしがたっぷり)。ワインもさすがに美味。観光客より地元のややハイソなお客さんが多いみたいで、予約が必要でしょう。


 3時にホテルに戻り荷物をピックアップ、タクシーでCDG空港へ。ところが予約していたエールフランスの便が17:00発のアリタリアとの共同運航便だったのですが、オーバーブッキングになっていることがわかり、大層焦りました。次の便は10時過ぎというのですが、ろくに謝りもしませんしアリタリアは信用できないと思い、出発便のモニターをチェックしたら6時半出発のエール・フランス便があるではありませんか~!ここも満席でしたがウエイティングリストに載せてもらって、かろうじてOK。このトラブルのおかげで後日腰痛になってしまったのです・・・涙。


 ボローニャ空港に到着後ホテルに入ったのは9時になっていました。ホテルは部屋は広かったのですが、バスタブがついていないので、すでに腰が重かったのでバスタブ付きの部屋に変えてもらいたいと言いましたら、レセプションの中年女性に「日本人はバスタブバスタブってうるさいのね、うちはないの!」と冷たい対応で唖然。(当時は細かいところまで確認できない予約が多かったのです)しょんぼりカップうどんを食べてベットへ。




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(6)パリ [2003春パリからベルリンへの旅]

4/13(日)


 今日のオペラ『ボレアード』はマチネなので、遠出はできません。マレの紅茶専門店の「マリアージュ・フレイル」は日曜日はブランチがあるとのこと。朝は遅めに起床し11時頃行ってみました。ところがブランチと言っても12時からとのこと。一度はあきらめてサン・ジェルマン・デ・プレのお寿司屋さんに行ってみましたが、日曜日なので休業。そのうち12時になったのでマレに戻って「マリアージュ・フレイル」へ。奮発して35€のフアゴラのブランチを注文。値段ほどでもなく失望・・・。食後はオペラ座にも近い旧国立博物館へ。学術的文化的なエリアに趣のある建物の図書館は庭園も広く、素敵なところです。(↓Google earthより)


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ここで「大フーケ展」がありました。


↓フーケ「ヌアンのピエタ」1455頃 146×237


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この板絵はフランスのロアール地方トゥールの南東に位置する小さな村ヌアン=レ=フォンティーヌの教区聖堂にあります。実際にここまで訪れたのではありませんが、パリの旧国立図書館での「大フ-ケ展」で観ることができました。

フーケJean Fouquet(1415/20頃~81以前)は15世紀最大の宮廷画家。イタリアでの修業の後、故郷のトゥールに戻り活躍、「王の画家」の称号も受け、華やかな画家人生を送ったと思われます。でも、このピエタは小さな村の教会にふさわしく、慎ましく静謐な空気で満たされていました。


↓「エティエンヌ・シュヴァリエの時祷書」から<聖マルガリータ>1452-60頃 /ルーヴル美術館アートグラフィック部門蔵


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フランス国王シャルル7世や11世時代の財務長官だったエティエンヌ・シュヴァリエのためにフーケが挿絵を描いた時祷書。キリストや聖人たちの説話を15世紀のフランスの風景に同時代人(判定可能な、有名な)を登場させて描いています。シャンティィのコンデ美術館にも40枚ほど収蔵されていますので、そちらでも「フーケ展」が開催されていました。


最初の画面をクリックすると次々観ることができます。

http://expositions.bnf.fr/fouquet/enimages/chevalier/intro.htm


↓「フランス大年代記」1459  サン・ドニ修道院で編纂されてきた正史を縮約してシャルル7世に献呈。フーケが51枚のミニアチュールを手掛けました。


http://expositions.bnf.fr/fouquet/enimages/chroniques/intro.htm


さすがに「大フーケ展」というだけあって、これほどの規模のフーケを観ることは(特に国立図書館収蔵のミニアチュール)今後あるかどうかと思われます。


時間的に細かい鑑賞ができたとは言えませんが、現在でもHPで観ることができるのを知り、嬉しくてアップしました。


♪~  ラモー『レ・ボレアードLes Boreades』15:00開演

指揮:William Christie 演出:Robert Carsen オーケストラ:Les Arts Florissants

ALPHISE:Barbara Bonney SEMIRE:Anna Maria Panzarella POLYMNIE:Jael Azzaretti
ABRIS:Paul Agnew CALISIS:Toby Spence BOREE:Laurent Nauri BORILEE:Stephane Degout
ADAMAS/APOLLON:Nicolas Rivenq

ラモーのオペラは初めてでしたが、予習に余り時間が取れないまま、白紙に近い状態での生体験でした。
バロックは大好き!クリスティも前年、札幌まで来てくれて、素晴らしいヘンデルのメサイアを聴かせてくれましたから、楽しみでした。

幕が開くと黒い舞台に平面に植えられた花畑がいかにもフランス庭園風。演出はカーセンなので、シンプルモダンな色彩感覚が印象的。ギリシアの神話の恋愛劇を自然の雨や風を背景に、ストーリーが展開していきます。演出は正直理解不能の面もありましたが、それをあれこれ考えるよりも優雅な心地よさを伴った音楽にうっとり。そして、時折バロック演奏では先端を行くような響きにも感動でした。またコンサートマスターの黒崎さんがオペラ仲間の友人の息子さんということもあって、素晴らしい弦楽器の響きに大拍手。
歌、管弦楽、バレエ(なんといってもガルニエ!!)、そして演劇的要素がほどよく散りばめられた優れた舞台でした。予習していればより深くフランスバロックを愉しめたでしょう。それが心残りでした。
↓プログラム
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 マチネなので夕方には終演。ホテル近くの寿司屋でテイクアウトの巻寿司などを買って帰りました。
明日はボローニャに向かいます。


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(5)パリ(オルレアン~サン・ブノワ・シュル・ロアール) [2003春パリからベルリンへの旅]

4/12(土)パリ・オーストリッツ10:10→オルレアン11:10


 この日は日帰りの予定でロアール川を遡った2つの教会を巡りました。まずは基点になるオルレアンへ。パリ・オーストリッツ駅から約1時間の汽車の旅。トゥール行きの汽車はオルレアンに直行せず郊外のLes Aubrais Orleans で停車。すぐ向かいに待機している列車に乗り換えてオルレアンまで一駅、数分で到着しました。オルレアンの駅舎は近代的な建築、ショッピングセンターも併設。ある程度の規模の都市はこういう形態の駅になっていくのは日本も同じだけれど、味気ない気がします。駅からカテドラル近くの(i)に行ってみたのですが、土曜日だったので閉まっています。以前ツアーで寄ったことのあるこの町はある程度土地勘があったので、とりあえず13世紀から16世紀までかかったという大きくて立派なゴシック様式のカテドラルを再見学。その後サロン・ド・テで軽く食事してから郊外のふたつの教会を目指しました。


↓オルレアンのシンボル、ジャンヌダルクの像


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↓大聖堂


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↓大聖堂近くの古く趣のある館


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 駅の構内のバスターミナルの切符売り場でST-Benoit-sur-Loire行きのバスを尋ねたのですが、ないような?答えなので、仕方なくタクシーに乗ることにしました。地図では途中にGermigny-des-Presもあるので効率は良いし、料金も基本の50EUR(往復で780キロ)に待ち時間とチップを加えて65EUR、去年のプーリアに比べると安いし、走る前の運転手さんの説明も料金表を確認しながらなので安心でした。ロアール川に沿って30分ほども南東に走り小さな村に入るとジェルミ二イ・デ・プレ教会がひっそり建っています。


 
中に入ると観光客は私だけ。管理人さんらしい人が居て私が入っていくと嬉しげな様子で英語で説明してくれました。見るべきものはフランスではとても希少とされるラヴェンナの工房による後陣天井の円蓋モザイク。写真ではハッキリしませんが、ラヴェンナのクラッセ教会に似たところは神の手が中央に配置されていること。建築には詳しくないのですが19世紀の改築が上手くいかなかったらしいのです。オリジナルはロマネスクより古いカロリング朝の集中形式といわれ希少価値だったと管理人さんも残念そうでした。



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↓ プラン


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↓後陣外観の写真がカメラに入りきらなかったので撮りませんでした。下の写真はZodiaque「Val de Loire ROMAN」より。


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 待たせていたタクシーで数分のサン・ブノワ・シュル・ロワールへ。


☆サン・ブノワ・シュル・ロワール教会saint-Benoit-Sur-Loire


メロヴィング朝時代の7世紀に創建され当初は聖ペトロに捧げる修道院でした。仏語のブノアとは聖ベネディクトゥスのこと。色々と紛糾のあった伊のモンテ・カッシーノから聖ブノアの聖遺骨を奪回し、この地へ持ち帰りました。9世紀~10世紀にはヴァイキングの襲撃により荒廃した時代もありましたが。代々の優れた修道院長たちがそれを再建。カロリング時代の教会を改築し1030年代には鐘塔玄関が完成し、次々と改築が進み、現在の教会の姿になったのは13世紀になってからとのこと。ロアールのみならずフランスのロマネスクを代表する修道院です。


 
ロワール川沿いの小さな村に佇む教会は鐘楼玄関を持ち堂々とした姿で建っています。鐘楼玄関は2層になっていて、合計100を超える柱頭彫刻で埋められた素晴らしい空間です。吹き晒しなので外部に近いほうはかなり傷んでいますが、一千年に近い歳月を考えるとこれだけキチンと残っているのは奇跡のようにも思えます。


↓写真はキリストの生涯のうちの「エジプトへの逃避」


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↓「愛の柱頭」


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ほかにも黙示録をテーマにしたものなど多彩。


内部は修道院として今も立派に機能しているので、僧服の修道士さんの祈る姿もあり、敬虔な雰囲気を持っています。地下のクリプトはこのとき閉鎖され見学できなくて残念でした。


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↓北側扉口


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↓前景、鐘塔玄関


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 ロワール川の向こうに遠ざかるサン・ブノア・シュル・ロワール教会に別れを告げて、オルレアンに戻りました。オルレアン歴史博物館の前でタクシーを降りますと、なんとも古風な建物・・・。


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門を入って左に進むと受付があり、展示室へ。ロマネスク彫刻がいくつか、確かサン・ブノア・シュル・ロワール教会にあったものと記憶しています。詳細不明。


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余談ですがトイレは館内にはなく、外の木造小屋にあり、一応は水洗ですが、裸電球がぶら下がっていました。まだ暗くなかったので、灯りをつけずに済みましたが・・・。


オルレアン17:53→パリ・オーストリッツ18:59


また列車でパリに戻りました。丁度夕方ですが、疲れたのでマレにあるファラフェル屋に寄って持ち帰り、ホテルで部屋食。一個でおなかがいっぱい。Bさんに教えてもらったファラフェルサンドはこの時が初めてでした。安くて旨い~!








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(4)パリ [2003春パリからベルリンへの旅]

4/11(金)


昨夜は飲みすぎたので朝は1時間遅く起床。食欲もなく地下の朝食室には行かないで、手持ちのフリーズドライのお粥と味噌汁を食べると、元気になりました。そして昨日に続いてルーヴル美術館へ。

昨日はクローズしていた中世美術部門(ロマネスクの彫刻を主に)の見学をしました。


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フランス各地の修道院や教会から集められた柱頭彫刻はそれぞれ素晴らしいものです。一番下の「女と龍」の小タンパン?の浮彫がこの時印象に残ったのですが、何日か後に同じテーマのものに出会うことになります。


ランチはカフェ・マルリーのピラミッドの見えるテーブルで、クラブサンドとロゼワイン。


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昨日に続いて再びルーヴルの書店に寄り、悩んだ末zodiaque叢書を4冊購入して、日本まで送ってもらう手続きをしました。建築専門書の棚の隅に並んでいたのに気が付いて、この時購入しておいて、結局は正解でした。24€の定価で購入できたのはこれが最後だったかも知れません。


ホテルに戻り近くのコインランドリーへ。使い方がわからなくてまごまごしていましたら、親切な方が教えてくれて、1時間後には無事終了。洗濯機が回っている間は隣のカフェでお茶して待機。ホテルに戻って1時間ほど仮眠の後、オペラ・バスティーユへ。


♪チャイコフスキー『エウゲ二・オネーギン』19:30開演

指揮:Vladimir Jurowski 演出:Willy Decker オーケストラ:Opera National de Paris

MADAM LARINA:Alexandrina Mitcheva TATIANAOlga Guryakova
OLGA
Marina Domachenko FILIPIEVNAIlina Tchistiakova EUGENE ONEGUINEVladimir Chernov LENSKIPiotr Beczala LE PRINCE GREMINEGleb Nikolsky MONSIEUR TRIQUETMichel Senechal

高校生のときチャイコフスキーでクラシックに目覚めたわりにあまり熱心ではなかったのですが、このオペラを1度オペラ講座で聴いてから、またチャイコフスキー贔屓になりました。(笑)
このオペラもパリ滞在中に観られるとあって、嬉しくてホクホクしながらバスチーユへ。

指揮のJurowski は初めて聞く指揮者でしたが、見事な演奏でした。野生的な風貌も素敵な方です。すでにグラインドボーン音楽祭でも振っていて、これからの活躍を大いに期待されます。
ロシアの哀調を帯びた美しいメロディ、流麗なダンス曲など息つく暇もないドラマティックな展開に、心奪われました。
歌手陣はタイトルロールのキーンリーサイドがキャンセル(またか~涙)でチェルノフ。やや弱かったけれど健闘していましたし、ほかは大好きなGuryakovaをはじめ、ほぼ完璧といっていい演奏。LENSKIの Beczalaはデビューしたばかりの期待のテノール。死を前にしたアリア「クダ クダ~」は絶品でした。
演出も場面展開がスムーズで、感情移入しやすく、衣装も洗練されていて、うっとり。

↓プログラム

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参考映像:チャイコフスキー『エフゲニー・オネーギン』

収録:1994年7月 グラインドボーン・フェスティバル・オペラ


タティアナ:エレーナ・プロキナ
エフゲニー・オネーギン:ヴォイチェフ・ドラヴォヴィツ
レンスキー:マーティン・トンプソン
オリガ:ルイーゼ・ウィンター

指揮:アンドリュー・デイヴィス
ロンドン・フィルハーモニック管弦楽団
演出:グレアム・ヴィック

 

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参考CD:TCHAIKOVSKY『EUGENE ONEGIN』1993年収録

 指揮:SEMYON BYCHKOV  オーケストラ:パリ管弦楽団

Tatyana:Nuccia Focile  Olga:Olga Borodina   Onegin:Dmitri Hvorostovsky Lensky:Neil Shicoff  Prince Gremin:Alexander Anisimov

 

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席のシニアの女性はロンドンからのDomachenkoの追っかけの方。ロンドンはチケットが高価なので、パリはいいわ~とのこと。ロンドンにはいつ行けるかしら・・・。

 Kさんとは4人置いて同列の席になり、休憩も一緒に楽しくおしゃべり。終演後もバスティーユ広場に近い有名店Bofignerで生カキや豚の足など美味しくいただいて、またもや1時過ぎまで夜遊び。この夜は週末のうえイースター休暇に入ったところで夜中でも人通りも多く、危ない感じも全くなくのんびり宿に戻りました。

 




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(3)パリ [2003春パリからベルリンへの旅]

4/10(木)


 昨夜は夜遅くまで活動したので、さすがに疲れました。それでも9時半ごろに外出。メトロでトロカデロにあるフランス文化財博物館へ。ところがまだ修復が終わっていなくて空振り。


↓トロカデロの広場からエッフェル塔を眺めて、


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 ルーヴル美術館へ向かいました。フランスの中世美術のセクションはお休みとのことで、今日は古代オリエントの美術部門を見学することにしました。1999年にシリア、ヨルダンを旅していましたので、主にメソポタミア文明部門に観たいものがありました。

ルーヴルの超目玉「バビロンの王のハンムラビ法典」を見学後、シリアの隊商都市からの発掘品の部屋へ。

↓古代都市マリの神殿にあった青銅の獅子


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 半壊されていたとはいえ対で2体あったのですが、もう1体のほうはシリアのアレッポ博物館にあります。並んで展示されることはもうないのでしょうか?

この後はブックショップに行ったのですが、欲しい本はあまりにも重く断念・・・。


ランチはマドレーヌ寺院近くのエディアール2Fのレストランへ。ここは3年前に来て美味しかったので再訪したのですが、味は落ちたみたい(シェフが変わったのかも)。1Fの食品売り場でおやつにクッキーや木苺など購入。ホテルへ戻るともう4時。1時間ほど仮眠の後、6:20頃オペラ・バスチーユへ(徒歩で10分くらい)。


♪~ロッシーニ『ウィリアム・テル』(仏語でギョーム・テル)19:00開演


指揮:Bruno Campanella 演出:Francesca Zambello オーケストラ:Opera National de Paris

MATHILDE:Hasmik
 Papian  JEMMY:Gaele le Roy  HEDWIGE:Nora Gubisch
ARNORDO:Janez Lotric  UN PECHEUR:Mathias Zachariassen  RODOLPHE:Valerij Serkin
GULLAUME TELL:Thomas Hampsom  WALTER:Wojtek Smilek  MELCHAL:Alain Vernhes

2年前のウィーンで『ウィリアム・テル』を観るつもりでチケットもとっていたのですが、当日劇場で「トスカ」に演目変更されていて、観られませんでした。そのリベンジもあり、ハンプソンがバスチーユでテルを歌うということを知りスケジュールを立てました。まだ慣れなかったネット予約も無事済ませ、偶然同じ日にご覧になったBさんともお会いでき、楽しい思い出のバスチーユになりました。
このときのBさんの現地新聞情報によりますと、パリでの評判はあまり良くなかったようです。白木の小屋や木々がイケアの家具のようだとか・・・確かに。しかし、ハンプソンは立派との評でにっこり。ハンプソンは最終公演ということもあって頑張って歌いました。
大好きな前奏曲も素晴らしい演奏でわくわくしながら観ていましたら、私の数列後方で「オーレ!オーレ!」の野次。次第にその声も大きくなり、周りが静止しても聞き入れません。それで小休止のとき、数人の係員に連れ出されました。周りは良かったと拍手(私も)
わざわざ遠くからやってきて、喜んで見ている私にはまったく理解不能。メーワク男め!

4年ぶりのNora Gubischは安定した歌唱。Hasmik PapianJanez Lotricもまあまあ。マチルデとアーノルド、それぞれのアリアは大好きですが、引き込まれるまでの魅力はありませんで、残念。


↓プログラム


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 帰途はBさんの定宿の近くのビストロ「レ・フィロソフィー哲学者たち」で。ブーダンノワールにカオールの赤がぴったり!Bさんはオペラも美術も詳しい方なので、話が尽きることはありません。1時になったのでしぶしぶ徒歩で数分の宿に帰りました。途中までBさんに送っていただいたので、怖いこともなく・・・ところがホテルのドアが閉まっていてドキリ。でも呼び鈴を鳴らすとすぐ開けてくれました。パリのプチホテルは真夜中は閉めてしまうところが多いです。真夜中にほろ酔いで、独りで帰ってきた日本のおばさん・・・ちょっぴり恥ずかしかったです。


参考映像:

ロッシーニ(1792~1868)<ウイリアム・テル>

ウイリアム・テル・・ジョルジョ・ザンカナーロ(バリトン)
エドヴィジェ・・・・ルチアーナ・ディンテイーノ(メゾ・ソプラノ)
ジェミー・・・・・・アメーリア・フェッレ(メゾ・ソプラノ)
ゲスレル・・・・・・・ルイジ・ローニ(バス)
マテイルデ・・・・・チェリル・スチェーダー(ソプラノ)
メルクタール・・・・・フランコ・デ・グランデュ(バス)
アルノルド・・・・・・・クリス・メリット(テノール)
ミラノ・スカラ座管弦楽団・合唱団
指揮:リッカルド・ムーティ
演出:ルカ・ロンコーニ
収録:1988年 ミラノ・スカラ座

参考CD:ロッシーニ「ウィリアム・テルGuglielmo Tell」 1952録音2001CDに再録


指揮:Mario Rossi Orchestra :Sinfonica di Torino della RAI


Guglielmo Tell:Guseppe Taddei       Matilde:Rosanna Carteri     Arnoldo:Mario Filippeschi    

Gualtiero:Giorgio Tozzi   


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(2)パリ(ポワチエ&ショゥヴィニー) [2003春パリからベルリンへの旅]

4/9(水)


 青空の見えるお天気ですが、とても寒い朝。地下にある朝食室で簡素なパン、コーヒー、チーズを食べて9:30ごろホテルを出て、近くの散策。

↓朝のヴォージュ広場は寒いせいか散歩の人も僅かでひっそり。


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↓カルナヴァレ博物館入り口の門から


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☆カルナヴァレ博物館Musée Carnavalet

マレ地区のパリの歴史資料を収蔵・展示している市立博物館。絵画、彫刻、家具の膨大なコレクションにふさわしく広大な元貴族の館。オリジナルは16世紀のルネッサンス様式の建物でしたが、その後も改修され1866年にパリ市が買収、博物館としてオープン。このカルナヴァレ館と隣接のル・プルティエ・ド・サン=ファルジョー館も博物館の一部になっています。


この日はパリのお店の古い看板の特別展がありました。かなり見学者が多かったと記憶しています。ここで見逃せない一枚の絵を探してドンドン進み、漸く見つけました。


↓フランソワ・ジェラール「レカミエ夫人」1805 225×145


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モデルのレカミエ夫人は裕福な銀行家の妻。執政政府時代に美貌と知性を兼ね備えた女性として、そのサロンは多くの文人、政治家が集まり、ルーヴルにあるダヴィッドの絵画によっても有名です。彼女自身はダヴィッドの作品は気に入らず(ナポレオンが注文したので)、これはダヴィッドの弟子であったジェラールに描いてもらったもの。古代風な背景に彼女の好みが表れています。


そして、サン・ポールのバス停からモンパルナス駅へ。12:25発のトゥール行きに乗ってヴァンドームからラヴァルダンやモントァールのロマネスク教会を観に行くつもりでした。

初めてTGVの予約をネットでしてきたので駅の自動販売機で引き取るのですが、簡単なことでミスをし、ギリギリでホームへ。飛び乗った列車はまもなく発車。やれやれ・・・しかし、次ぎはポアティエというアナウンスに頭が一瞬真っ白に・・・同じホームの左右の列車を間違えたのです。ポワティエといえば数年前にツアーで訪れ、サンサヴァンとの間のショウヴィニィには寄らなかったちょっと口惜しい想い出がありました。だから立ち直りは我ながら速かったのです。(自慢にもなりませんが)

パリ・モンパルナス12:15→ポワチエ13:42 

ラヴァルダンに行かれなかったはホントに残念でしたが、またの機会もあるでしょうと気持ちを切り替えました。車掌さんが切符拝見に来たので、ヴァンドームより1時間も多く乗るし差額を払うと申し出たのですが、こんなご時勢に(イラク戦争が始まったばかり)日本のおばさんの一人旅を感心に?思ったのか(計算が面倒だったのか?)サービスしてくれました。

 乗車前に駅で買ったサーモンとクリーム・チーズの黒パンサンドがこの日のランチ。

ポワチエに着いたのはすでに午後2時近くになっていました。とりあえず駅前からタクシーでノートルダム・ラ・グランド教会へ。この広場の(i)でショウヴィニィ行きのバスの時刻を確認。係りの女性は「今夜はショウヴィニィに泊まるの?」、私「パリに帰る」と答えたら目を丸くしていました。日本のおばさんは元気なの~。4時半ごろ駅前を出発すると、7時半すぎに帰着のバスがあり「ホッ!!」。

ショウヴィニィへ行く前にポワチェの3カ所の聖堂を見学できました。



↓ノートルダム・ラ・グランド教会


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5年前は外壁の汚れを洗浄中でしたが、その工事も終わり、年月を経てそれなりに落ち着いた色になっていました。

↓華麗なファサードは何度見ても見飽きません


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↓裁判所とジャンヌダルクの像


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☆  サン・ポルシェール教会 St Porchaire Poitiers

 

街角で偶然見つけた小教会。ここも古い歴史があります。ポワティエの名刹聖チレール教会の参事会教会としてカロリング時代に創立。11世紀にはベネディクト派の修道院になりました。16世紀の改築を経て、19世紀には道路を広げるため塔を壊すという案があったのですが、多くの市民の反対で生き延びたそうです。。目抜き通りをカーブする角地に建ち、古都ポワチエのランドマーク的存在となっています。

 

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時間も限られていますので、サン・ジャン礼拝堂や美術館は見学できず、その近くのゴシックの大聖堂へ向かいました。

 

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↓壮大なカテドラル。薔薇窓や扉口の彫刻がさすがに美しい。

 

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さてなんとかポワティエの駅前広場からバスに乗り込み、40分ほどでショウヴィニィの丘の麓の街に到着。

帰りのバスの乗り場と時刻も再確認。2時間弱の見学時間があることが判明。これならそう慌てなくても済みそうです。

 

バス停のある広場の薬局と役場の間に「中世の街へ」の看板があり、

 

↓まもなく丘の上のサン・ピエール教会が見えてきます

 

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道案内では遠回り?だったかもですが、それに沿って静かな住宅街の石畳を歩いて丘を登って行きました。この日は15度くらいの気温でしたが、村にはこぶし、桜のようなピンクの花、リラ、藤の花が咲き乱れていました。

 

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結構傾斜のきつい坂道を含めて15分くらいで丘のうえの旧市街に到着。午後も遅いので出会った観光客も数えるほど。城壁がみえてその一部残ったような城跡も見学できるようになっていたのですが、パスして隣りのサン・ピエール教会へ。

 

ところが内部はあいにく教会は内陣の修復中。でも2人くらいの工事の人も図々しいおばさんひとりを黙認してくれて、遠慮がちながら無事見学できました。さすがに写真は1枚しか撮れませんでしたが、工事中立ち入り禁止の貼り紙もあったのに、有難いことでした。

 ☆サン・ピエール教会Saint piere di Chauvigny

12世紀の後半の建設とみられますが、身廊部分は華やかに白地に赤く模様が塗装されているのがユニーク。それ以上に驚かされるのは後陣の周歩廊に沿った柱頭彫刻。怪奇な幻想の世界がロマネスク。

↓プラン

 

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↓周歩廊の柱頭彫刻の配列

 

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↓かの有名な白と錆朱色に彩色された柱頭彫刻が並んでいて、いかにもロマネスクな怪物が舌を出したりしているます。

 

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↓ヨハネの黙示録の「バビロンの妖婦」(教会のHPから拝借)は盃ととっくりを手にして踊っているようにも見えます。

 

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とっくりを持つという描写は黙示録にはないので、彫刻家の想像で加えられたものと考えられます。天井付近はシートに覆われていましたし、足場も組まれ不安定で、全体は良く確認できなかったのですが、後陣の柱頭群は低い目線にあり観察しやすかったのは良かったです。

 ↓北側面

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↓猫たち

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 サン・サヴァン、ポアティエとここは距離的にあまり離れていないのですが、それぞれが個性的で魅力な彫刻や壁画で彩られています。ロマネスク詣でには欠かせないゾーン。教会の前は小さな展望台になっていて、素晴らしい眺め。

 

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下の街に降りるとすでに薄暗く夕方です。バス停近くに建っている教会は詳しくは不明ですが一部ロマネスク様式です。

 

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広場に面したパン屋さん(ケーキもつくっている)も兼ねたサロン・ド・テで、杏のパイ(美味しい!!)を食べて休憩。定刻より早く着いたバスに慌てて乗り、帰りはノンストップでポワティエヘ。この路線バスはサン・サヴァンへも行く便があるので、ポワチエから両教会を一日観光で、個人でもゆっくり訪れることができると思います。(現在はバスの便も限られるようですが)

ポアチエ19:51→パリ・モンパルナス21:35

 TGVで戻りましたが、パリのモンパルナス駅に到着したのは夜10時近く、この夜は特に冷え込んだパリは零度まで下がり、寒くて慌ててタクシーでマレのホテルに帰りました。ホテルは暖房がよく効いていて、寒がりの私には大助かり。まだ旅の2日目ですが長い一日でした。

 

 








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(1)パリへ [2003春パリからベルリンへの旅]

 2003年春の旅はイラク戦争が始まって間もなくのころ。おまけに中国のサーズ騒ぎもプラスして、のほほんと旅に出るのは気が引けました。イラク戦争は3月に始まったのですが、こちらはほぼ3か月~半年前には旅のプラン作りは完了していました。そしてオペラのチケットも無事手に入っていたので、諦めることは不可能です。パリで会う友人や前後してイタリアに出かける友人とも励ましあって、思い切ってGO~!ということになりました。



旅の日程 17泊19日

パリ(6)~ボローニャ(4)~ウィーン(2)~ベルリン(3)~ウィーン(2)


旅のMAP




イラク戦争のため当初予定していたJALとエール・フランスのとの共同便(パリ行き)が減便になったため、ロンドン経由で行きました。


4/8(火)千歳8:00→関空10:05/11:50→ロンドン16:15/18:50→パリ21:00


Paris/Grand Hôtel Malher 6泊


 関空はこの戦争と中国のサーズ(重症急性呼吸器症候群)騒ぎのため閑散としていました。それでもJALのロンドン便はほぼ満席で離陸。順調な飛行でロンドンには定刻より早い到着。バスでのターミナル移動のうえ、待ち時間が3時間で疲れてしまいました。空港内のショップではユーロもお札しか受け取れないといいますし(小銭は持参)…日本円2000円だけ両替して飲み物などに使いました。パリには夜に到着。震えるほど寒くタクシーでマレのホテルへ(40€)。

部屋は5Fで狭いけれどバスタブ付き。昨年のサン・ルイ島のホテルと違って階ごとに停まるエレベーター、暖房もよく効いて、気持ちよく就寝。


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