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(5)パリ(オルレアン~サン・ブノワ・シュル・ロアール) [2003春パリからベルリンへの旅]

4/12(土)パリ・オーストリッツ10:10→オルレアン11:10


 この日は日帰りの予定でロアール川を遡った2つの教会を巡りました。まずは基点になるオルレアンへ。パリ・オーストリッツ駅から約1時間の汽車の旅。トゥール行きの汽車はオルレアンに直行せず郊外のLes Aubrais Orleans で停車。すぐ向かいに待機している列車に乗り換えてオルレアンまで一駅、数分で到着しました。オルレアンの駅舎は近代的な建築、ショッピングセンターも併設。ある程度の規模の都市はこういう形態の駅になっていくのは日本も同じだけれど、味気ない気がします。駅からカテドラル近くの(i)に行ってみたのですが、土曜日だったので閉まっています。以前ツアーで寄ったことのあるこの町はある程度土地勘があったので、とりあえず13世紀から16世紀までかかったという大きくて立派なゴシック様式のカテドラルを再見学。その後サロン・ド・テで軽く食事してから郊外のふたつの教会を目指しました。


↓オルレアンのシンボル、ジャンヌダルクの像


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↓大聖堂


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↓大聖堂近くの古く趣のある館


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 駅の構内のバスターミナルの切符売り場でST-Benoit-sur-Loire行きのバスを尋ねたのですが、ないような?答えなので、仕方なくタクシーに乗ることにしました。地図では途中にGermigny-des-Presもあるので効率は良いし、料金も基本の50EUR(往復で780キロ)に待ち時間とチップを加えて65EUR、去年のプーリアに比べると安いし、走る前の運転手さんの説明も料金表を確認しながらなので安心でした。ロアール川に沿って30分ほども南東に走り小さな村に入るとジェルミ二イ・デ・プレ教会がひっそり建っています。


 
中に入ると観光客は私だけ。管理人さんらしい人が居て私が入っていくと嬉しげな様子で英語で説明してくれました。見るべきものはフランスではとても希少とされるラヴェンナの工房による後陣天井の円蓋モザイク。写真ではハッキリしませんが、ラヴェンナのクラッセ教会に似たところは神の手が中央に配置されていること。建築には詳しくないのですが19世紀の改築が上手くいかなかったらしいのです。オリジナルはロマネスクより古いカロリング朝の集中形式といわれ希少価値だったと管理人さんも残念そうでした。



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↓ プラン


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↓後陣外観の写真がカメラに入りきらなかったので撮りませんでした。下の写真はZodiaque「Val de Loire ROMAN」より。


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 待たせていたタクシーで数分のサン・ブノワ・シュル・ロワールへ。


☆サン・ブノワ・シュル・ロワール教会saint-Benoit-Sur-Loire


メロヴィング朝時代の7世紀に創建され当初は聖ペトロに捧げる修道院でした。仏語のブノアとは聖ベネディクトゥスのこと。色々と紛糾のあった伊のモンテ・カッシーノから聖ブノアの聖遺骨を奪回し、この地へ持ち帰りました。9世紀~10世紀にはヴァイキングの襲撃により荒廃した時代もありましたが。代々の優れた修道院長たちがそれを再建。カロリング時代の教会を改築し1030年代には鐘塔玄関が完成し、次々と改築が進み、現在の教会の姿になったのは13世紀になってからとのこと。ロアールのみならずフランスのロマネスクを代表する修道院です。


 
ロワール川沿いの小さな村に佇む教会は鐘楼玄関を持ち堂々とした姿で建っています。鐘楼玄関は2層になっていて、合計100を超える柱頭彫刻で埋められた素晴らしい空間です。吹き晒しなので外部に近いほうはかなり傷んでいますが、一千年に近い歳月を考えるとこれだけキチンと残っているのは奇跡のようにも思えます。


↓写真はキリストの生涯のうちの「エジプトへの逃避」


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↓「愛の柱頭」


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ほかにも黙示録をテーマにしたものなど多彩。


内部は修道院として今も立派に機能しているので、僧服の修道士さんの祈る姿もあり、敬虔な雰囲気を持っています。地下のクリプトはこのとき閉鎖され見学できなくて残念でした。


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↓北側扉口


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↓前景、鐘塔玄関


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 ロワール川の向こうに遠ざかるサン・ブノア・シュル・ロワール教会に別れを告げて、オルレアンに戻りました。オルレアン歴史博物館の前でタクシーを降りますと、なんとも古風な建物・・・。


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門を入って左に進むと受付があり、展示室へ。ロマネスク彫刻がいくつか、確かサン・ブノア・シュル・ロワール教会にあったものと記憶しています。詳細不明。


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余談ですがトイレは館内にはなく、外の木造小屋にあり、一応は水洗ですが、裸電球がぶら下がっていました。まだ暗くなかったので、灯りをつけずに済みましたが・・・。


オルレアン17:53→パリ・オーストリッツ18:59


また列車でパリに戻りました。丁度夕方ですが、疲れたのでマレにあるファラフェル屋に寄って持ち帰り、ホテルで部屋食。一個でおなかがいっぱい。Bさんに教えてもらったファラフェルサンドはこの時が初めてでした。安くて旨い~!








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