(7)アンジェ~パリ [2004秋ブリュッセルからフィレンツエへの旅]
10/20(木)アンジェ・サンロード駅12:37→パリ・モンパルナス駅14:10
パリ/Grand Hotel Malher2泊
昼のTGVでパリに戻るので、午前中はサン・トーバンの回廊(アンジェの重要なロマネスク)を見学しました。昨日通りががったサン・トーバンの鐘塔の修道院だった建物は大革命の後から現在まで公共の建物(メーヌ・エ・ロレーヌ地方庁)として転用されています。お目当ての回廊もすっぽり囲われていますので、探すのにちょっと苦労しました。市庁舎の入り口に受付があり、回廊が観たいと申し出なければなりません。(無料)
「栄光の聖母」のアーケイドはまだ美しい色彩もほのかに残っていて、回廊の柱頭彫刻も見事で感激しました。
会議室のなかに残されている扉口は申し込みが必要です。うっかり見逃すところでした。5分だよと念を押され、会議室の鍵を開けてもらって見学しました。立派なテーブルと椅子が並んでいます。5分間の見学が終わっても15分ほど係員は戻ってこなかっので写真を撮ったりできました。元の規模からいえばほんの一部しか残っていないのですが、愛好者にはたまらない魅力のあるところです。
↓会議室に残っている扉口
↓回廊の奥は資料室
↓Zodiaqueの『Anjou Roman』の表紙にもなっている「アンジェの時祷書」はここでは観られません。NETの古本屋から購入したので、書き込み多くぼろぼろです。
TGVに乗ってパリに戻りました。そして、友人たちとホテルで無事落ち合うことができました。遅いランチを一緒にしてから部屋で休み、19:00頃コンサートへ。ところが何故か地下鉄が動いていません。なんとかタクシーを拾ってシャンゼリゼ劇場へ。
♪~「ファン・デイエゴ・フローレスのコンサート」@シャンゼリゼ劇場20:00開演
Juan Diego Florez/Tenor Patrick Ivorra/Baryton
Orchestre National de France Enrique Mazzola/Directer
ロッシーニ、ベッリーニ、ドニゼッティのアリアをたっぷり歌ってくれて、若々しいフローレスの美声を堪能しました。↓プログラムの紹介ページより
休憩の時、夏のペーザロでお会いしたAさんと偶然お会いできて、しかもこれからイタリアで会う予定の札幌の友人とフィレンツエでお知り合いになられたとか、その偶然に驚き、これからの旅が一層楽しみになりました。
(6)パリ~アンジェ [2004秋ブリュッセルからフィレンツエへの旅]
10/19(火)パリ・モンパルナス駅10:00→アンジェ・サンロード駅11:37(TGV)
アンジェ/Hotel de France 1泊
TGVでアンジェまでは1時間半、ちょっと忙しいけれど日帰りも可能な距離なのですが、ゆっくり見学したい気持ちが強く、駅前のホテルを予約しました。インターネットで予約していた切符をモンパルナス駅の自動販売機で受取るのにもたついて、(結局窓口で受取ったが)発車5分前に滑り込みで乗車するというスリルを味わってどきどきでした。アンジェに向かう車窓には北海道に似た牛の見える農地の風景が広がり、早くも晩秋の気配が漂っていました。
アンジェの駅は近代的なガラス張りの駅舎。その駅前のホテルに宿泊しました。
↓部屋からアンジェの駅が見えました
ランチはすぐ近くのレストランで19ユーロの定食。前菜、主菜、デザートを本日のお薦めから選べ、どれも美味。特にデザートはクリームを熱々のクレープで包んだもの、最高!!。パリに較べると安くて美味しいものが地方にはあることを痛感しました。
さて、ランチが済んだら駅から徒歩10分ほどの旧市街のエリアへ。
↓サン・トーバンSAINT-AUBINの鐘塔(内部は見学不可)を眺めて
↓裏側のサン・トーバン通りへ
↓カテドラルが見えてきました
カテドラルの後陣側に小さな広場があり、角にアダムの家と呼ばれている中世そのままの16世紀の木組みの家があります。1階は土産物屋さんになっていて、織物のクッションカバーを購入しました。
この日は今にも雨が降り出しそうな曇り空、そのためか観光客の姿はほとんどありません。
↓カテドラル(サン・モーリス大聖堂)12~13世紀に建築され、3つの塔のうち真ん中のは16世紀に付け加えられたもの。ロマネスク様式の残っているのは聖堂右のチャペル。いかにも古い扉を押すと小さな礼拝堂になっていて静かに祈る人の姿がありました。本堂はゴシックのステンドグラスが有名です。正面扉口のタンパンは4人のエヴァンゲリストの象徴と荘厳のキリスト、付け柱は聖人たち、幾重にもめぐらされたアーキヴォルトアーチの賑やかさなど。典型的なフランスゴシックですが、宗教戦争とフランス革命でダメージを受け、18世紀に復元されたものです。
カテドラルの前の階段を降りていく途中に細い道があり、そこからお城を目指して歩きました。誰もいないような静な界隈には小さな教会が。
↓アンジェ城では「Tapestry de Apocalypse黙示録のタペストリー」を見学しました。城といっても円形の塔が並ぶ厳めしい要塞のようです。この中にヨハネ黙示録をテーマにした有名なタペスリーが展示されているのです。ショップが入り口にあるので先に詳しいパンフレットを購入してから回りました。内部は保護のため極端に照明が暗くなっています。そのうえ見学客はまばらなので、私の後に男性の方が入ってきて、なんか怖い感じ。(勝手に怖がってすみません )
しかし、難解な福音書をこのように幻想的なイメージで表現するパワーには圧倒されました。ひとつのテーマごとにパンフレットを見ながら鑑賞。
しかし、難解な福音書をこのように幻想的なイメージで表現するパワーには圧倒されました。ひとつのテーマごとにパンフレットを見ながら鑑賞。
↓リーフレットの写真を見てもお分かりのように、照明はこんな感じです。
「黙示録のタペストリー」は、アンジュ―伯ルイ1世の命で、ブルージュの画家Hennequinの下絵を二コラ・バタイユとロベール・パアンソンによって、14世紀後半に制作されました。1400年に行われた息子のルイ2世の結婚式のセレモニーにも使われたそうです。その後カテドラルに寄贈されましたが、宗教戦争などもあり、かなり傷みが激しく修復、1954年にお城に戻りました。カメラは禁止。ギャラリーの床も当時は土のままで歩きにくく・・・今の私なら間違いなく転んだでしょう。
お城の近くの(i)まで行き、翌日訪れる予定のサン・トーバンのほかにロマネスクの教会がまだあるのかを尋ねました。橋の向こうにもあるとのこと。壕を迂回してMAINE河を渡り徒歩20分くらいの↓サント・トリニテ教会へ。
教会の片側側面にロマネスク彫刻が残っている他はほとんど改築されています。
↓この教会の付近には古い建物の民家が並んでいて、そろそろ電気がともってきました。その灯りを見てちょっぴりホームシック。
バスが来ないのであきらめて徒歩で戻りました。随分歩いたのでさすがに疲れ、途中のカフェでビールをぐいぐい。赤い顔をして歩いていると、日本語が聞こえてきました。若い日本の女性が二人、ここの語学学校で研修中とか。ここはとても素敵な町だから、ここでの勉強はラッキーね。お互いに頑張りましょう~とお別れ。ホテルに戻りひと休みした後は再びランチしたレストランへ。再びやってきた日本のおばさんにびっくりしながらもニコニコ。夜は少し高めになるが、無駄の無いきびきびしたサービスが気持ち良く、一人でもくつろいで食事ができました。