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2000年春の旅(13&14.15) パリ (シャルトル)&帰国 [2000春ブルゴーニュ・ロマネスクの旅]

4/24(月)

 今日はなんとか晴れましたが、気温が上がりません。結局暖かかったのはリヨンだけで、パリはまた逆戻りで寒い日の続く春の旅でした。昨夜は何故か目がさえて眠れず、睡眠導入剤を半分飲んで、ようやく就寝。

パリから列車でシャルトルを訪れたこの日は、旅の終わりに近く、疲れがでて、朝寝坊してしまいました。モンパルナス行きのバスが渋滞したこともあって、午前の適当な時間の列車を逃して、結局はモンパルナス駅構内のカフェで少し早めのランチを済ませ、シャルトルへ。到着したのは1時半ころでした。駅舎を出ると大聖堂の塔の先端が見え、それを目指して10~15分くらい歩きました。
途中バス停があり、待っていた若い娘さんが、「このバスはどこそこに行くの?」「私ツーリストなのよ。」パリの町中でも道を聞かれることが多いけれど、田舎では珍しい。どこからみても普通の日本人のおばさんが頼りなげ?にきょろきょろ歩いていると思うのですが・・・。

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さて、シャルトル大聖堂が見えてきました。どういうわけかこの後の写真が見当たりませんので、以下は絵葉書です。

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 ☆シャルトル大聖堂

 まずシャルトルブルーと呼ばれるステンド・グラスの青を堪能しました。特にエッサイの木が素晴らしい!12世紀と13世紀、ロマネスクとゴシックの違いが手に取るように理解できるのが、ロマネスク入門したばかりの私にはとても勉強になりました。とはいえ西正面の王の扉口が一番好きで、ほとんどをここで過ごしたのですが・・・。この時の旅はブルゴーニュ巡りがが主でしたので、シャルトルの資料まで用意していませんでした。内部をぐるりと回ったあと、ブックショップで王の扉口の細かい解説のあるガイド本(日本語版)を購入して外へ。この西扉口の彫刻、キリストの生涯がエピソードごとに38場面に彫られています。結構な高さがあるので、首が痛くなってしまいました。

また中央タンパンの均整のとれた「荘厳のキリスト」、そして自由学芸の彫刻、例えば音楽(絵葉書参照)に見られる知的な表現は、どことなく人の苦悩を、今迄観てきたロマネスクから一歩進んだ深さを、感じ取ることができます。

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左後方に隣接するシャルトル美術館も見学しました。

☆シャルトル美術館  
 スルバランの「聖ルキア」がこの美術館にあることを知ったのは、シャルトル大聖堂訪問を計画していたときでした。場所は大聖堂の向かって左隣に建つ瀟洒な館です。展示室の窓から大聖堂の勇壮なフライング・バットと、裏の展望台が見えました。見学者より係りの方が多いくらいで、スルバランのある部屋にも私ひとり。お皿に乗った目玉がぎょろりと今にも動きそうで、少し怖くなりましたが、聖女の衣装がスルバランらしく、こっくりした色彩で素敵でした。他はほとんど知らない画家ばかり・・・。ただ一枚の絵画のために訪れた美術館でした。

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 この後大聖堂の見えるカフェでお茶。焼き立てのアップルパイにテ・オ・レでひと休み。そろそろ夕方なので、最後はもう一度ステンドグラスの鑑賞。西日が薔薇窓を透して床に色があふれていました。「なんて綺麗なの!」思わず叫びそうになりました。復活祭が過ぎたばかり、菜の花畑の広がる平野を車窓に眺めながらパリに戻りました。

パリに着いたのは6時ごろ、またバスでサンポールまで戻り、最後のパリの夕食を美味しいフレンチでと思いながら、結局は中華とお寿司のテイクアウト。やはり疲れていたようです。明日は帰途に就きます。

 4/25(火)26(水)アムステルダム経由で札幌へ 。初めての独りオペラ&ロマネスクの旅はこうして、無事に終わりました。特に自力で訪ねた教会や回廊の感動的な体験は癖になったようで(笑)これから続いて行くことになってしまいました。   


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2000年春の旅(12) パリ  [2000春ブルゴーニュ・ロマネスクの旅]

4/23(日)

 今日も一日中雨でした。朝食を済ませた後、昨日教えてもらったオペラ座近くのトーマス・クックの両替屋に行ってみました。日曜日なので行列していて、他は閉まっているせい?手数料は昨日のサン・ジェルマンと同じくらい・・・。20,000円のTCで、1,000Fと少し。オータンと比べると200Fも少ないのでがっかりでした。

気落ちしていたせいかメトロに傘を忘れて、降りてしまいました。雨の中、レインコートのフードをかぶって小走りで、初訪問のポンピドウ・センターへ。オテル・ド・ヴィルから徒歩数分。何度も写真で観ていたモダンな建物の前の広場には、このそぼ降る雨の中、昨日よりも大勢の人が行列しています。それを横目にミュゼ・パスでスムーズに入館できました。

 4.5階に主な展示室があり、まずはアンリ・ルソー「戦争」が入り口近くに一番目立つ展示。女の子までが武器を持つ、暴力的な戦争の悲惨さを描いたもの。近代美術館の最初の展示に相応しいセレクション・・・と、そのときは思っていたのですが、実際は特別展示だったようです。(オルセー美術館所蔵)画像はwikipediaから拝借。

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フォービズムから、ポップ・アートまで近現代アートの殿堂にふさわしく、見ごたえ充分。
なかで印象的だったのは

↓ イヴ・タンギー「緩慢な日 jour de lenteur」

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↓ バルテュス「画家とモデル」

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主に5階を時間をかけて見学しました。タンギー、ダリ、バルティスなどお目当てを鑑賞。バスチーユ広場近くのホテルへ戻りました。ホテルの近くに竈でピザを焼いているお店があったので、テイクアウト。

♪ 「椿姫」ヴェルディ

指揮:ムウリッツオ・ベニーニ  演出:ジョナサン・ミラー

ヴィオレッタ:ガラッルド・ドマス  アルフレッド:ロナルド・ヴィッラゾン  ジェルモン:ロベルト・フロンターリ

2000/4   パリ・バスチーユオペラ

 ドマスのヴィオレッタは全力投球という歌唱、圧倒されました。カーテンコールでは息も絶え絶え、倒れそうなほどでした。ドマスは昨年のミラノに続いて2度目でしたが、豊かな声量で瑞々しいヴィオレッタの青春と愛を表現。ヴィッラゾンはこの時がバスチーユデビューでした。将来を嘱望される若手として瑞々しいアルフレッド像を表現、主役に負けない拍手をもらっていました。しかし、私の感じではこの後の活躍を予想するほどではなかったのですが・・・。フロンターリも説得力のあるパフォーマンスで◎。演出は現実的、3幕のヴィオレッタの死を迎える場面は病院ということで、観客はざわざわ。フィンランド映画の「ラ・ヴィ・ド・ボエーム」のミミのようにパリ場末の病院で、はかなく生涯を終えたヴィオレッタの哀れさに胸が痛みました。カウリスマキのこのフィルムはこの数年前に公開されていますので、そのパクリ?かも。バスチーユは1998年と昨夜で3回目でしたが、今夜はポピュラーな演目だったせいでしょうか、観光客が多いせいでしょうか・・・マナーが悪くて閉口しました。

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参考映像/1996.4道新教室にて

指揮:サー・ゲオルク・ショルティ
ヴィオレッタ・ヴァレリー:アンジェラ・ゲオルギウ   アルフレード・ジェルモン:フランク・ロパード   ジョルジュ・ジェルモン:レオ・ヌッチ   医師グランヴィル:マーク・ビーズ

コヴェント・ガーデン・ロイヤルハウス合唱団・管弦楽団

収録:1995年12月コヴェント・ガーデン・ロイヤルハウス

 マチネでしたので、6時過ぎには終演。オペラ劇場の隣のレストランで、少し早目の夕食をとりました。ハーフボトルの赤ワイン(サンテミリヨン)、ブルターニュの牡蠣(半ダース)、鴨のグリル、コーヒー、水で330F(チップ込)。ワインも食事も美味しくて満足満腹。至近距離の宿に帰り早めに就寝。




 


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