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(11)ボローニャ~ローマ~ウィーン [2003春パリからベルリンへの旅]

4/18(金)ボローニャ中央駅11:48→ローマ・テルミニ駅14:30....ローマ空港20:10→ウィーン空港22:00頃


ウィーン/ Schlosshotel Römischer Kaiser 2泊


 2.3日前にボローニャの駅でローマまでの特急指定券を購入したのですが、予定していた10時頃の出発が満席で、11:48発になりました。その時の下見ではローマ行きの3番ホームはレールを越える箇所があり、人が渡っていたのでOKなのかと思いこんでしまいました。ボローニャ駅の最大の難点はエレベーターやエスカレーターがなかったことで、重いトランクを運ぶのが恐怖だったのです。


遅い出発なので、ぎりぎりホテルで休んだのが幸いしたのでしょう。昨夜の湿布も効いて、このあとはなんとか支障なく動けるようになりました。


 さて、ボローニャの駅で例のレールを堂々と渡り終え、ホームに着いた直後ですが、同じく渡っていた自転車を押した若者二人は「ピ!ピ!ピ!」という警笛と同時に厳しく注意されました。私はびっくり!先ほど渡る直前にポリスが立っていたので「ボン・ジョルノ!」と挨拶したらにっこり微笑んでくれたばかりでしたから・・・。日本のおばさんは大目に見てくれたのですね~。でも知らぬこととはいえ恥ずかしく思いました。注意の立札も目に入らず・・・ごめんなさい。


 ローマのテルミネ駅では荷物預かりは大混雑。空港のように荷物の監視装置を1個1個通さなければならなくなったからです。30分以上かかり、日本から予約していたボルゲーゼ美術館の15:00入館には間に合わなくなってしまいました。タクシーでボルゲーゼ美術館へ向かいましたが着いたのは15:30過ぎていてアウト。すぐ予約を申し込みましたが、次回は17:00とのこと。バック類もすべてロッカーに預ける仕組みになっています。先にお財布まで預けてしまったので、飲み物も買えません。のどが渇きもう一度出してもらって、預けなおしたのですが、係員が面倒なのかつっけんどんで、不愉快・・・。


ボルゲーゼ美術館は長年の建物修復のため、絵画部門は他に移されていました。ようやく改修が終わり予約制になったのを機会に訪れることができました。この美術館の名前を知ってから10年以上も経っていました。

待ち時間も長く、疲労もたまっていましたが、ようやくここの傑作揃いのコレクションを見学できました。そして忘れえぬ素晴らしい体験になりました


☆ボルゲーゼ美術館  Galleria Borghese

 
枢機卿シピオーネ・ボルゲーゼ(1576-1633)のコレクションを母体に、その宮殿を使用して1902年に国有となった美術館です。ルネッサンスからバロック時代を中心とする優れた作品が公開されています。



特に「ベルニーニはローマのために生まれ、ローマはベルニーニのためにつくられた」と賞賛されたバロック芸術の巨匠ベルニーニ(Gian Lorenzo Bernini 1598-1680)の彫刻の並ぶ展示室は圧巻です。まさに奇跡といっても過言でないほどの見事な彫刻です。略奪されるプロセルピナの涙、ダフネの月桂樹の枝にかわりつつある手の指・・・本物を観る喜びをこれほど実感できたことはありません。


↓「プルートとプロセルピナ」(1621-22)


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↓「アポロとダフネ」(1622-25)


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 絵画部門ではカラヴァッジョを筆頭にラファエッロ、ベッリーニ、D・ドッシ、ティツィアーノなどなど・・・。
カラヴァッジョの何点かは何年か前の東京での展覧会に観ていました。でも「蛇の聖母または馬丁の聖母」は貸し出しされませんでした。ここのコレクションに入るいきさつもあり一番興味がありました。確かに胸をあらわにした聖母は俗っぽいけれど、とても綺麗に描かれ、カラヴァッジョらしい聖と俗の融合が闇に浮かび上がります。


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カルパッチオの「女の肖像Cortigiana」この画家の女性像ってなんとなく中性っぽくて、ヴェネチァの娼婦らしくない・・・かといって素人の女性にも見えないし、不思議な絵です。


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↓ドッソ・ドッシ「魔女キルケまたは魔女メリッサ」1523頃 176×174  アリオストの叙事詩『狂乱のオルランド』にでてくる魔女とすればメリッサでしょう。またドッシはエステ家の宮廷画家だったので、その点でも叙事詩のなかでエステ家の歴史を予言するメリッサと考えられます。


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↓ティツィアーノ「聖愛と俗愛」1514 118×279


主題についてはさまざまな解釈がありますが、一般に左の着衣の女性が世俗のヴィーナス、右の裸の女性が天上のヴィーナスと考えられます。


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 まだまだ観たい気持ちでしたが、再びタクシーでテルミネ駅に戻り、荷物預かり所からスーツケースをピックアップ、空港へ急ぎました。というわけで、 タクシーで美術館を往復しただけのベリーショートなローマ滞在でした。


ボローニャからウィーンまでの直行便がとれなくて、ローマ経由になった訳ですが、憧れのボルゲーゼ美術館を訪問できたのでハッピーでした。ウィーンまでの飛行機はアドレア海を超えて北上。ローマ見物帰りの人たちでしょうか、聴こえるのはドイツ語ばかり・・・。

ウィーンのホテルに着いたのは11時近く。カップうどんを食べて就寝。



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