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(8)ボローニャ [2003春パリからベルリンへの旅]

4/15(火)


 朝から快晴の天気に気分は上々、ただ朝晩はやや寒く10~15度くらいでした。ここのホテルのタオルはどういうわけかふかふかのではなく布巾のような布なので、朝のシャワーは余計に寒々・・・。朝食もハムや卵もない「へえ~」というほど質素なもので、苦虫。


☆  ボローニャ国立絵画館 Pinacoteca Nazionale


 ボローニャを訪れたのは3度目でしたが、この美術館は初めて。ホテルから徒歩数分、チェントロからはやや離れていますが小さな広場に面した17世紀の館に、ボローニャの美術の歴史を物語る数々の作品が並んでいます。地元の教会から集められた宗教絵画のなかでは初期の1200年代からゴシックのものに興味を惹かれましたが、ほとんどは名前の知らない画家たちのものでした。


↓トレチェント(1300年代)にボローニャで活躍した画家Pseudo Jacopinoの「聖クリスティーナの殉教」と「聖ロムアルドの夢」

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後期ゴシック派の

↓Michele di Matteo(1409-70)の祭壇画 幼児キリストの赤い珊瑚の首飾りが・・・次の時代のピエロ・デッラ・フランチェスカを予告するものに思えました。


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ルネッサンス部門ではヴィヴァリー二一族、ペルジーノや↓ラファエロ「サンタ・チェチェリア/聖会話」1514 220×136

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バロック部門では

↓グイド・レー二の「嬰児虐殺」が大迫力!母親たちの悲鳴が聞こえそうです。


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グェルチーノ、クレスピなど。さすがにこのセクションは他では見かけない傑作ぞろい。レー二を初めとするボローニャ派の画風がフランスの古典主義に影響を与えたことがうなずけました。



そして、ボローニャ大学の脇道を歩いてテアトロ・コムナーレへ。ファックスの予約表をチケットに取りかえるためでしたが、まだ窓口は空いていません。(15:30~オープン)ボローニャは3回目ですが斜塔にはまだ上っていませんでしたので、今回は頑張ろうと思っていたのですが・・・昨日の空港でのトラブルで疲れ(特に腰が)断念。


次の目的のサント・スティファノ教会群を目指しました。

途中の建物の窓にはいくつか虹色のPACE(平和)の旗が掲げられています。
今はイラク戦争の真っ最中なのだと思うと、こうして遊んでいるのが後ろめたい気がして・・・。そんな気持ちを振払うように晴れた青空、それにボローニャの赤っぽい建物が綺麗で、見とれている内に心が和んできました。
斜塔から数分も歩くと柱廊の並ぶ向こうに、正しくはサント・ステファーノ教会群という、3つの教会が見えてきました。



↓その名もサント・スティファノ通りはポルティコが並ぶ道


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突き当りの小さな広場に教会群が並んで立っています。右はクロチフィソ教会、左はサン・セポルクロ・オ・カルヴァリオ教会(部分)


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↓右はサン・セポルクロ・オ・カルヴァリオ教会(部分)と左がサンティ・ヴィターレ・エ・アグリコラ教会


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↓Google Earthからの全体図


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↓プラン


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Planimetria della basilica 1-3. Chiesa del Crocifisso 2. Cripta 4. Basilica del Sepolcro 5. Basilica dei SS. Vitale e Agricola 6. Cortile di Pilato 7. Chiesa della Trinità o del Martyrium con il Presepio più antico 8. Il Chiostro 9-10-11-12. Chiesa della Benda e Museo


 広場に面した1番のクロチフィソ教会から左へ順番に見学しました。

クロチフィソ教会Chiesa del Crocifisso(磔刑の教会)

オリジナルはランゴバルド時代8世紀の創建とのことですが、資料もなくあまり詳しいことはわかりません。広場に面した3教会の中では一番改築が進み、そのため観るべきものなく、通過。


↓信仰を集めているというボローニャ派?のフレスコ画「聖母子像」


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☆サン・セポルクロ・オ・カルヴァリオ教会Basilica del Sepolcro o Calvario(聖墓或いはゴルゴダの丘の教会)(上のプランの4番)


5世紀の創建といわれていますが、11~12世紀に改築されています。聖墓の教会という名にふさわしく、クーポラのあるほぼ八角形の教会。ロマネスクの教会よりも旧い空間に、その醸し出されるオーラに圧倒されました。

↓中央にあるのが聖ペトリウスの墓所(5世紀のボローニャの司教)


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そして最後がサンティ・ヴィターレ・エ・アグリコラ教会(上のプランの5番)です。


☆サンティ・ヴィターレ・エ・アグリコラ教会 Basilica dei SS. Vitale e Agricola

 古代末から存在していた聖堂の上に建てられロマネスクの教会。三廊式の内部は後陣のアラバスターの小窓からの淡い光、一部床にガラスがはめられ、古代の遺構が見られるようになっています。


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↓簡素なファサードも煉瓦壁に色石がはめ込まれています。


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12世紀のピラトの中庭には近所の人が犬の散歩中。イタリアらしいおおらかさ。日本では考えられない光景に驚きました。


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↓ピラトの中庭から見た聖墓教会


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奥の教会や中庭はさーっと見学しただけで広場に戻り


↓広場に面した家に藤の花?


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↓サン・ドミニコ教会へ向かいましたが、若き頃のミケランジェロが制作した天使たちの礼拝堂はタッチの差で閉められてしまいました。


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昼食はタンブリーニという総菜やのセルフサービスランチ。地元の人にも人気があり1時半ころ行ったのに15分ほど並びました。3皿で10€。クリーム味の茸のパスタが美味でしたが、大盛りされて食べきれませんでした。この後はホテルに戻り、ひたすら昼寝。


オペラに出かける前に自撮り


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ボローニャのテアトロコムナーレは会員が多く、一般にはあまり券が出回らないので、チケットが取れるまではらはらしました。焦って結局2枚ダブって買ってしまいましたが、プラティアのやや後方中央の席に座れました。パルコの安い席は開演前30分に劇場の前で定価ですぐ売れました。

♪~ヘンデル『ジュリオ・チェーザレGIULIO CESARE』@テアトロ・コムナーレ・ディ・ボローニャ


指揮:Rinaldo Alessandrini 演出:Luca Ronconi
Cesare
Daniela Barcellona  Cleopatra:Maria Bayo Cornelia:Sara Mingardo
Sesto:
 Monica Bacelli TolomeoSilvia Tro Santafe Acilla:sergio Foresti

 舞台左手後方にオーケストラが座り、通常のオーケストラ席も舞台に利用。チェンバロなどソロを受け持つ3人は手前のオーケストラボックスで演奏。イタリアの古楽のオケも

ビデオでの映像も写され(エリザベス・テーラーのクレオパトラなど)、衣装も綺麗で古代と現代を巧くミックスした演出でした。

タイトルロールのバルチェッローナはヘンデルには向かないようでしたが、ビジュアル的には大柄な彼女はぴったり。古代ローマの戦車に乗って颯爽と登場する彼女は本当に素敵!!バーヨは初めて聴きましたが、素直に伸びる艶やかな歌声に魅了され、いっぺんに大ファンになりました。ミンガルドとバッチェリ母子の切々とした歌唱にも泣かされました。アレッサンドリーニの指揮と優れたアリアや二重唱、通奏低音の響きなどが印象深く、バロックのオペラにますます惹かれることになった優れた公演でした。

 ↓プログラムとバルチェッローナの稽古スナップの写真

 

img160.jpgボローニャ オペラ.jpg 

 

参考映像:ヘンデル(1685-1759)<エジプトのジュリオ・チェーザレ>

Julius Caesar
ジュリアス・シーザー・・・・・・・ジャネット・ベイカー(ソプ)
クレオ・パトラ・・・・・・・・ヴァレリー・マスターソン(メゾ・ソプ)
コルネリア・・・・・・・・・・・・サラ・ウオーカー(アルト)
セクトウス・・・・・デッラ・ジョーンズ(ソプラノ)
プトレマイオス・・・・・ジェイムス・ボウマン(カウンタ・テナー)
アキラス・・・・・・・・・ジョン・トムリンソン(バリトン)
キューリオ・・・・・・・・・・・・ ジョン・キッチナー
ニレヌス・・・・・・・・・・トム・エムリン・ウィリアムス
ポテイヌス・・・・・・・・・・・ブライアン・ケーシー
イングリッシュ・ナショナル・オペラ管弦楽団・合唱団
指揮:サー・チャールズ・マッケラス
演出:ジョン・コプリー
制作:1984年 ロンドン・ドックランズ・ライムハウス・スタジオ
 96. 9.28 道新文化センタ講座にて      

ホテルまでは数分なのに、オペラのはねたあと1本道を間違えたばかりに、ぐるぐる30分も歩き回り、ようやくホテルに戻れました。夜食はフリーズドライのお粥で済ませました。



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