SSブログ

(6)ニューヨーク [2002春NYオペラと美術の旅]

4/19(金)

 やはり気温が下がり(最高気温25度くらい)過ごしやすくなりました。今日はオペラのない日、計画通りNY市内でもマンハッタン北(190th)にあるメトロポリタン美術館別館の「The Cloistersザ・クロイスターズ」へ。まずはグッケンハイム美術館を訪問しました。

☆グッケンハイム美術館(初)

鉱山王だったソロモン・R・グッケンハイムの財団によって運営されている近現代美術専門の美術館です。

  ↓カタツムリ型のユニークな建物(絵葉書)はフランク・ロイド・ライトの設計。

img004.jpg

入館すると広い吹き抜けのホールになって、それを巡るように緩やかなスロープの展示室になっています。この日は大きな特別展「BRAZIL BODY&SOUL」があり、巨大できらびやかな祭壇がホールを飾っています。彫刻も多数展示されていて、スペインの影響が強くうかがわれるものが多かったように記憶しています。撮影は禁止だったこともあり、細部はすでに忘却の彼方・・・。ここのパーマネント・コレクションもこの特別展のため、平常より展示品は少なかったようです。


なかでも印象に残った一枚は幼い日を思い出させました。まぶしいほどの晴れた朝、積もった雪に冷たい空気、かじかんだ手、ゴム長靴の足元・・・。

↓マレーヴィチ「降雪後の村の朝」(1912)80.7×80.8

img019.jpg

 マレーヴィチMalevich(1878~1935)はロシア未来派の画家。2000年に訪れたサンクトペテルブルクのロシア美術館のコレクションも素晴らしいものでした。抽象を徹底したシュプレマティズムの創設者として知られていますが、上記の作品はレジェ風のキュビズム的な表現のもの。1920年代後半は具象的な画風に変わっていったようです。


↓クレー「New Harmony」(絵葉書)暗いグレーや栗色と多色の市松模様、こんな柄の帯が欲しいなと美術鑑賞から離れた審美的欲望(笑)絵葉書より本物の色はとてもシックです。

img115.jpg


ほかにはピカソ青の時代、スーラの鉛筆画、モジリアーニの裸婦図、ブランクーシの彫刻「アダムとイブ」など。


エレベーターが故障してたため、行きはゆっくり鑑賞、帰りはどどっと急ぎ足になってしまいました。ユニークな建築はそれだけで魅力的ですが、アート鑑賞にはいまいち落ち着かないかも・・・。


グッケンハイムから東に1ブロックのマジソン・アベニューからバスに乗って終点のクロイスターズまで。NYのバスは老人や子供などが多いためか、停留所が2ブロックごとくらいにあり、大層時間がかかりました。でも

ザ・クロイスターズ美術館の前がバス・ストップなので便利です。


↓美術館の建物は中世の教会風

DSCF0022.JPG


☆ザ・クロイスターズ美術館 (初)


 スペインや南フランスから運ばれた5つの回廊と修道院の遺構によって構成され、12~15世紀の中世美術を紹介しています。

↓トスカーナ・ロマネスクの扉口@San Leonardo al Frigido(1175頃カッラーラ・マーブル)「キリストのエルサレム入城」

DSCF0024.JPG


DSCF0027.JPG

↓スペイン・レオンの磔刑像(12世紀)

 

DSCF0028.JPG

↓フランス・オーヴェルニュ地方の聖母子像(12世紀末)


DSCF0029.JPG

↓フランス・ブルゴーニュ地方オータンの聖母子像(1130~40)


DSCF0032.JPG


DSCF0033.JPG


↓フランス・ブルゴーニュ@Moutiers-Saint-Jeanの扉口(13世紀半ば)タンパンには「聖母戴冠」

DSCF0030.JPG

↓The Cuxa CLOISTER @saint-Michel de-Cuxa フランス・ピレネー地方カニグー山麓に建つベネディクト派修道院から移築。



DSCF0035.JPG


DSCF0036.JPG


 


DSCF0038.JPG


DSCF0041.JPG

↓南ドイツの「ピエタ像」14世紀


DSCF0042.JPG


 他には象牙のクロスや「一角獣伝説」のタペスリーなど。これだけ良く集めたものと感心しつつも、大西洋を越え、アメリカまで移築されたロマネスクの教会の回廊や扉口・・・作りものめいた感じはぬぐえません。オリジナルの何世紀にもわたってひっそり建っていた、あるべき場所で観たかったなと思うのは致し方ないでしょう。カンパンの最高傑作「メローデ祭壇画」(1425~30)は必見です。小さな古風な部屋で緻密に描かれた受胎告知の室内風景を眺めていると、徐々に先ほどの違和感も薄れてきました。ニューヨークでの美術行脚はここクロイスターズがあるから更に奥深く、味あうことができるのかもしれません。写真は初代デジカメのうえ、縮小したものを少し拡大したので不鮮明です。また初回では見逃したものも多かったので、再訪(2009)再々訪(2011)しています。


帰途はまたバスに乗ったのですが、146thあたりで降車。バスの運転手さんの指さす方向に地下鉄の駅があり、コロンバス・サークルのホテルに帰りました。部屋で休んでいると夕刻から激しい雷雨。外出は控えてホテル内のレストランで食事。ラムの炭焼きなどいただいたのですが、あまり美味しくないのに高いので驚きでした。雷雨ですっかり季節はずれの猛暑も終わりました。













nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:旅行

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。