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2001年春の旅(6)ニース [2001春南仏、パリ、ウィーンの旅]

4/24  ニース→サンポール・ド・ヴァンス→ヴァンス→ニース

 今日はバスでニース近郊へ行きました。バスターミナルは昨日訪れた近代美術館の近くで、タイムテーブルも確認済みでした。ここのルートを決めるにあたって迷ったのはルノワールの家のあるカ―ニュ・シュル・メールに寄るかどうかでした。でも、バスの便があまりなくて断念しました。

バスは1時間ほどで、サン・ポール・ド・ヴァンスの城壁で囲まれた旧市街の外側に停車しました。旧市街は後から見学することにして、まずはマーグ財団美術館の見学へ。バス停の向かい側の道にマーグ財団美術館の看板があり、それに沿って山道を15分くらい歩きました。

↓ ここから眺めた丘の上サン・ポール・ド・ヴァンスの町です。ミモザの花が真っ盛りでした。

サンポール・ド・ヴァンス1.jpg

 そして高台に建つ美術館に到着。さほど急な登りではありませんが、真夏だと厳しいかも・・・。

マーグ財団美術館   1964年、エーメ・マーグ夫妻によって設立された私立の財団によって運営されています。戦後フランスの代表的な現代美術の画商と知られ、その画廊経営と出版事業によって20世紀美術に深く関与した夫妻でした。ボナールやマティスらと親交があり、絵画、彫刻などの豊富なコレクションに加えて、風光明媚な土地に建てられた利点を生かして、ミロやジャコメッティなどの庭園に展示された作品が秀逸でした。ただ訪問した日はミロの特別展のため、常設の作品はほとんど展示されていなくて、心残り・・・涙。

↓ 松林に囲まれたアプローチを行きますと、美術館前庭にはカルダーのモービルやミロの彫刻。

マーグ財団美術館1.jpg

内部はカメラ禁止でした。ミロの特別展のためのいくつかの部屋を抜け、戸外へ出ますと

↓ ジャコメッティの庭

マーグ財団美術館3.jpg

また、庭の片隅にごく小さな礼拝堂がありました。白い壁にキリストの磔刑像が掲げられているだけのシンプルな、祈りの空間です。昨日から現代美術の数々を鑑賞してきた私には、モダンなのにまったく違和感のない親密な感じがする場所でした。

↓ 常設展が見られなかったので、ブックショップで重いカタログ(20世紀のヌード)を購入。

Maeght1.jpeg

元来た道を下り、バス停から城壁内のサン・ポールへ。この日は南仏らしい陽光が眩しい日でした。大勢の観光客で賑わっていましたが、

↓ 狭い路地を抜けるとふと静かな一画が現れたり

サンポール・ド・ヴァンス2.jpg

狭い坂道の途中にあったレストランで野菜中心の軽いムニュのランチ。トマトのファルシーが美味しかったです。

ピクチャレスクな町を楽しんだ後はヴァンスへ。降車したバス停に戻りますと、さきほど美術館でちらっと見かけた日本人の若い女性が立っていました。お互いに独り旅&美術好きということで、たちまち意気投合。この後はご一緒することになりました。バスは10分ほど登り(素晴らしい景観!)、ヴァンスの街中へ。バスを降りると目の前にプチ・トランが待っていましたので、即乗車して、ロザリオ礼拝堂へ向かいました。ヴァンスから礼拝堂までは徒歩で行けますが、かなりきついようで心配でしたから、助かりました。

ロザリオ礼拝堂

マティスが晩年に精魂を傾けて完成させた礼拝堂は1948年に着手し51年に完成しました。前日ニースのマティス美術館で設計図から壁画、ステンドグラスまでに及ぶ推敲を重ねたデッサンを見たあとで、チャペルを見学したのは、予期しなかったことですが、とても良い順番だったと思います。南仏の太陽がステンドグラスを透して、明るい光が差し込み、溢れます。解説の方の話では一日居ても飽きないとのこと。刻々と光が変化するその有様を観たいと思いましたが、一介のツーリストですから・・・。シンプル・モダンな美と祈りの密なるチャペル、マティスの画家としての魂がこもっています。ただただマティスのクリエイティブな仕事に脱帽しました。前年、エルミタージュ美術館で感動した以上のマティス体験になりました。

↓ チャペルの前でプチ・トランを降りました。個人の自由見学は無く、ガイドツアー(30分毎)のみ。

ヴァンス・マティスの礼拝堂.jpg

ヴァンス.jpg

マティス.jpg

入館のとき並んでいましたら、ガイドツアーが終わって出てきた中に札幌のスポーツクラブで一緒の方にばったり!ご主人と個人で南仏を回られているそうです。札幌の町中で会うこともないのに、何でここで?と笑っちゃいました。

感動の見学が終わった後は、プチトランでヴァンスへ戻り、バスの出発まで大聖堂の見学をしました。同行していただいた方と夕食を共にすることを約束して、いったんニースの宿で休憩。約束の時間まで浜辺の散策をしました。

↓ ニース歌劇場の前で待ち合わせ。この日の公演は聴いたことのない珍しい演目でしたし、観る予定はありません。

ニース歌劇場1.jpg

旧市街のレストランでニース名物のソッカ、野菜スープなど。安くて美味しい店なので、狭い店内は満杯でしたが、若い彼女同伴のおかげで「ちょっと待って、すぐ空けるから」って、優しい南仏男(笑)。ワインも1本あけて楽しいお食事になりました。帰りはすでに暗くなっていましたが、海岸通りは危険だからと私のホテルまで送ってきてくれました。いろいろと気配りのできる彼女とのお別れはやはり淋しかったです。お互いに暗黙の了解みたいに住所氏名を名乗らずじまいでした。

コートダジュールの美術館めぐりも終わり、明日はパリに戻ります~。


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