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2001年春の旅(5)アンティーブ~ニース [2001春南仏、パリ、ウィーンの旅]

4/23 アンティーブ→ニース(列車)

ニース/ホテル・ラ・ぺローズ2泊

 朝目覚めると雨が降っていました。午前中はレジェ美術館のあるビオットBiotを訪れる予定だったのですが、この快適な宿を離れるのが惜しくなってしまって、雨ですし怠け心がでてしまいました。ルームサービスの朝食をゆっくりいただいて、本を読んだりして過ごし、昼近くにチェックアウトしました。そのころには雨も上がり、青空の広がる良い天気になりました。

↓ ルームサービスの朝食

ルームサービスの朝食.jpg

↓ ホテルの前で

アンティーブのホテル中庭.jpg

  ニースに着いたのは13:00頃でした。ホテルは海岸通りのプロムナード・デザングレの東端にあります。15:00まで部屋は用意できないとのことで荷物を預け、タクシーで丘の上のマティス美術館へ行きました。

ニース・マティス美術館.jpg

マティス美術館

 17世紀の邸宅がニースを愛したマティスの美術館になっています。初期から晩年まで数多くのコレクションを展示しています。マティスは40歳代になってから主にニースで過ごし、人物像や室内風景、そして礼拝堂の装飾なども手がけ、傑作を残しました。この美術館には彫刻やデッサンも多数収蔵されています。ここでの見所はヴァンスのロザリオ礼拝堂のために描いた幾枚ものデッサンです。表現が次第にシンプルになっていくさま、その線描を追うのはとても興味深いものでした。

↓ 展示室風景。カメラは禁止なので、美術館のHPから拝借しました


b_interieur05.jpg

↓ 絵葉書「ざくろのある静物」 

 b_grenade.jpg 

 次は丘を下って数分のシャガール美術館へ。

シャガール聖書美術館

  1973年に開館したシャガール美術館は地中海を見下ろす丘の上の白亜の建物です。最晩年に描かれた旧約聖書をテーマにした油彩17点、水彩、版画、ステンド・グラス、モザイクなど展示されています。
ロシア系ユダヤ人だったシャガールは1985年にニース近くのサン・ポールで亡くなりました(享年98歳)。
創作の根底には人種、民族の悲哀や苦悩がありますが、故郷の幻想的なイメージや愛妻べラとの幸福なイメージもまた万人に受け入れられ、賞賛されました。劇場の天井画(パリ・オペラ座 1964)も有名です。

陽光差し込む展示室で華やかな赤、青、黄色主体で描かれた作品群を鑑賞。旧約聖書が題材なので、見慣れたキリスト教の主題とは違っていて、ちょっぴり面食らいました。
「アブラハムと3人の天使」はロシアのイコン画家ルブリョフの「聖三位一体」を思い起こさせます。日本人のグループも多く来館、混雑していました。カメラは禁止。

↓美術館入り口棟 (美術館のHPより)

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↓絵葉書「Le Cantique des Cantiques 1」


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雅歌シリーズ5枚のうちの一枚「あなたのほぞは、混ぜたぶどう酒を欠くことの出来ない丸い杯のごとく・・・」7-2より
幼少のころよりユダヤのファミリーで口承されてきたソロモンの雅歌もシャガールにとっては終生忘れえぬ追憶だったのです。甘い官能が赤い絵の具に溶け込んだような幻想的な絵画です。

↓コンサートの間にあったクラブサン (絵葉書)

img148.jpg 

 シャガールの作品数は膨大で、主な美術館には必ず収蔵されているといってもいいくらいですが、ここで観たシャガールは、やはり最高でした。美術館の広い前庭でお茶をしたあとは、またトコトコ坂道を下り、ニースの近代美術館へ。地図を見ながら美術館を探し、時間がかかりました。丘の上は高級住宅地で治安も良いのですが、下町に入ると少々問題ありな感じで、びくびく。美術館の近くで地元の人に訊いても知らないって言いますし・・・うろうろ。すでに夕方、閉館時間に近くなり、焦りました。ようやく見つけて入館しました。

↓ 入り口付近

ニース近代美術館.jpg

ニース近代美術館

1960年代以降のモダンアート、ポップアート、写真、ガラス工芸、デザインなどの現代美術作品400点以上を展示。美術館は1990年に開館したモダンな建築で、屋上テラスからの眺めも楽しめました。主な収蔵品の中ではニース出身のイヴ・クラインの作品が充実しています。クライン・ブルーを堪能しました。

イヴ・クライン Yves Klein(仏)1928~1962  ヌーヴォ・レアリスムの代表的画家、彫刻家、パフォーマー。ウルトラ・マリン・ブルーの独特な調合をインターナショナル・クライン・ブルーと名づけ、絵画、彫刻だけでなく風船、照明なども青く染め、制作にはお騒がせなパフォーマンスを行ったことでも有名。そのなかの火の絵画と呼ばれるものはここニースで初めて観ました。残念ながらカメラ禁止でその焼け焦げ絵画の画像はありません。

↓ 「空気の建築」(1961) 263×214 絵葉書

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↓ 「タイトルなしのコスモゴニー」(1961) 絵葉書

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午後から3つの美術館を制覇(笑)したのですが、もうふらふら状態でホテルに戻りました。午前中の予定をパスして正解だったようです。ホテルはとても複雑な造りで、まるで迷路です。何度も迷いそうになりました。レセプションは地上階にありますが、私の部屋は海の見える上階ですが、別棟なので遠い~。

↓ ホテルの部屋

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↓ 広いベランダからの眺め。右方向にアンジェ湾とプロムナード・デザングレ

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↓ ホテルのプールには4月でも泳ぐ人。

ニースのホテル1.jpg

↓ 外観はこんな感じ。右下の黄色の建物がホテルの入り口で、私の部屋はその左上のHと書かれた黄色の建物。

ニースのホテル5.jpg

ニースのホテル4.jpg

夕食は海岸沿いから少し入ったレストランの並ぶ広場で。魚介のグリルにレモンをたっぷり絞って素朴な味、プロヴァンスのロゼもGoodでした。

↓ 夕方の花市場で。シベリアン・ハスキー君、名前はアリ。人懐っこくて我が家のちょびにそっくりで可愛い~。

ニース花市ハスキーのアリ君.jpg

ちょっぴりホームシックになりました。札幌はまだ桜も咲かない気候ですが、こちらは初夏の陽気。それでも暗くなると急に気温が下がりました。お風呂に入って就寝。


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