2001年春の旅(7)ニース~パリ [2001春南仏、パリ、ウィーンの旅]
4/25(水) ニース→パリ(AF)
パリ/ナポレオンホテル 2泊
複雑な内部のホテルですから、朝食室も遠いのです。おまけに値段の割に簡素なので、今朝は朝食抜きでお菓子など食べて、早めにニース空港へ。空港のカフェでようやくコーヒータイム。私の体は朝のコーヒーを飲まなければシャンとしないので、これでOK。飛行機の遅れもなく、パリCDGに到着したのはラッキーでした。というのは前日ストがあったからなのです。天候にも恵まれ、こういうことでもついているコートダジュールの旅でした。でもパリでは・・・。
さて、パリのホテルに5日ぶりに舞い戻りました。部屋は前回のスィートルームではありませんが、かなり広い凱旋門に面した角部屋でした。
ランチは向かい側の通りで偶然見つけた日本人の吉野シェフの「ステラ・マリス」で。昼のムニュのスモークサーモンのステラ・マリス風(ミキュイ)、野菜もたっぷり添えられて美味でした。アミューズは2皿も出していただいて、マダム(吉野夫人)が独りの私に気配りしてくれて、楽しく食事ができました。ケーキのお土産も持たせていただいて恐縮でした。吉野シェフはこの何年か後にミッシュランの星を獲得。現在は東京にも店を出して、成功されました。あの時の優しかったマダムは数年後?でしたか、詳しくは書きませんが失意のうちに病死されたとのこと。東京に行っても吉野シェフのレストランには行きたくないです。
さて、これからが大変なことに…と言いますのは手持ちの現金が少なくなり、シティ・バンクのシャンゼリゼ店でお金をおろす必要がありました。ATMではやはり駄目です。数日前東京のシティバンクに電話したときは、カードの磁気が駄目でも、パリ支店で緊急のキャッシュ・サービスが受けられるという話だったのです。ところがカウンターでパスポートとカードを提出しても、ノンなんとかと言って拒否。東京のシティバンクに電話してもらいました。その電話はカウンターではなくて、入口近くの立って話す電話でした。そして、信じられないことばかり延々と続きました。「ウィーンで友達にお金を借りたら?」とか「クレジットのキャッシュ・サービスでお金を借りたら?」とか・・・そのたびに「ウィーンに行くまでお金が足りない」「クレジットカードの暗証番号は控えてない」と説明するのですが、「少々お待ちください」と言って何度も中断して長いトイレ?、私が預金を引き出すのを諦めさせようとしているの?悔しくて涙がでてきそうでした。旅先であんなに困ったことはありませんでした。ミラノでスリにあった時よりも。札幌で口座を開設して、預金してきたのはなんのためだったのでしょう。自分のお金をおろせないなんて。こうなると意地でもおろすわ!逆境に強い私?です。最後にカードの暗証番号のほかに顧客の番号がありますが、答えられますか?えーっと〇〇〇〇かしら(自信なかったけれどあたり!)ようやくお金を手にできたのは、支店に入ってから1時間半後でした。何故こんなに引き延ばすのかしら?嫌がらせとしか思えませんでした。1時間も立ちっぱなしで腰は痛くなり、ほとほと疲れました。夕方のオペラまでホテルに戻って休まなければなりませんでした。
悪いことが続きました。余裕をみて早めにシャトレ座に向かったので、遅れないで済んだのですが、地下鉄がメカトラブルでストップ。しばらく動くのを待ったのですが、途中の駅で車内放送があり全員降車ということになり、地上に出てシャトレまで30分ほど歩きました。着いたのは開演ギリギリでしたが、実際には15分ほど遅れて幕が開きました。
♪~『ファルスタッフ』ヴェルディ
指揮:ジョン・エリオット・ガーディナー 演出:イアン・ジュドジュ
サージョン・ファルスタッフ:ジャン.フィリップ・ラフォント フェントン:ファン・ディゴ・フローレス フォード:アンソニー・マイケル.モア バルドルフォ:フランシス・エガートン アリス・フォード:ハイレヴィ・マルチンペルト ナンネッタ:レベッカ・エヴァンズ クイックリー夫人:キャサリン・クールマン
♪~予習のCDを聴いているうちにこのオペラが大好きになりました。ヴェルディが到達した職人芸のようなセリフとメロディーの絶妙なマッチング!シャトレ座も初めてでしたし、期待度大・・・おまけに一度はキャストから消されていたフローレスが無事出演しました。チャーミングなフェントンを歌い、確実な成長ぶりに目を細める私でした。このころからファン仲間では王子さまの愛称が付いたフローレスでしたが、まだ一般のオペラファンには知られていませんでした。私も1999年のミラノ以来2度目でした。
オーケストラも舞台上に配置された、狭い空間での展開でしたが、演劇的なきめの細かい演出とそれに沿ったガーディナー指揮の小振りながらも典雅な演奏、歌手達の洗練された動きと見事な歌唱に感嘆。シェクスピアの原作だけあります。お芝居としても楽しい作品で、笑いもフランスの公演らしくお洒落で上品、好感度の高い舞台でした。演出家はプログラムの紹介に寄りますと、イギリス人でシェクスピア・カンパニーで働いていたそうで、さすがと思いました。
↓ プログラム
当夜の素晴らしい舞台に朝から続いたトラブルも一掃されすっきり。10時半ごろの終演でしたが、メトロで戻った凱旋門付近は賑やかで、余裕でホテルに帰りました。美食ランチから何も食べていませんでした。手持ちのお粥でなんとかお腹を満たし、就寝。
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