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2000年春の旅(11) パリ [2000春ブルゴーニュ・ロマネスクの旅]

4/22(土)

 朝は灰色の曇り空でしたが、まもなく本格的に雨が降ってきました。午前中はポンピドゥーへ行ってみましたが、この雨の中凄い行列です。

↓ ポンピドゥー・センターの近くで。

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 諦めてオテル・ド・ヴィルの駅に戻ると「カルト・ミュゼ」を売っていたので、これがあると並ばずに済みますから三日有効を購入(140F)。メトロでコンコルド広場まで行って、プチ・パレへ。ところが4/18から改装のため閉館とのこと・・・次から次へ閉館を知らずに見学のひとがやってきました。今日はついてません。気をとりなおし、徒歩で30分くらいのオルセーまで。ここも何重にも並ぶ人々ですが、私はカルト・ミュゼの威力で並ばずに入館できました。

 オルセー美術館はパリに来ると2回に一回くらいの頻度で訪れました。初回は長女と、2回目は娘二人と3人で、3回目は一人旅と連続3年・・・今回で4回目でした。カメラは禁止です。
オルセーでお気に入りはカフェを抜けたところにあるデッサン画のための照明を落とした展示室で、必ず寄ります。ドガやロートレック、ルドンのパステル画がお目当てです。ルドンの「仏陀」「コキューユ/貝」など、ここで初めてルドンのファンになりました。実はパステル画を習っていたことがあり、特別に興味がありました。ご存じのようにパステルは油絵の具のように色を混ぜて使うことはできません。配色の妙による描き方で個性を出すのです。ルドンの画業はモノクロからカラフルに劇的に変化した画家なので、目の覚めるような色彩が余計に大胆に感じます。

↓ ルドン「仏陀」

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↓ ルドン「コキーユ」

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特別展で小規模なものでは「マグリットとマネ展」、もちろん、ふたつの「バルコン」が並んで展示されてました。
↓ Edouard Manet「Le Balecon」1868~69(169×125)

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↓ Rene Magritte「Perspective Ⅱ」(遠近法Ⅱ)1950(81×60)ヘント現代美術館から出品

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他にもクールベの特別展がありました。クールベの痛いほどのリアリズム。リンゴや花までもが画家の目で「生きることの厳しさ」を表現されています。一昨日観てきたばかりのリヨン派の花が目に浮かびました。なんという違いでしょうか!

コレクションのあれこれを一通り鑑賞した後は館内のレストランでランチ。レストランの中は英語が飛び交って、アメリカ人の観光客が多いのに驚きました。隣席のファミリーもアメリカからとのこと。フレンドリーでお行儀も良いかたたちで、片言でも臆せず話せるのが嬉しかったです。

 このころは絵葉書収集熱が高いころでしたので、何十枚も購入し、手持ちの現金が少なくなりました。サン・ジェルマンまで、歩いて現金両替用のATMを探し両替。手数料が高いのびっくりしていましたら、通りかかった日本人の方がオペラ座の近くのほうがで安いと教えてくれました。ところで、現金両替用のマシンは最近はあるのでしょうか?このころからシティバンクのカードや銀行のインターナショナルカード、クレジットカードのキャッシングなどが利便性があるようになって、キャッシュ両替やトラベルチェックは衰退していきました。ユーロが統一された通貨として浸透してきたからかもしれません。

 4時半頃ホテルに戻り休息。7時にお向かいのオペラ・バスチーユへ。

♪ オッフェンバック『ホフマン物語』 19:30~

指揮:ジェームス・コンロン  演出:ロバート・カーセン

ホフマン:ジャネ・ロートリック  ミューズ/ニクラウス:アンジェリカ・キルヒシュラーガー  リンドリフほか4役:サミエル・レイミー  アンドレスほか4役:クリスチャン・ジャン  オリンピア:デジーレ・ランカトーレ  アントニア:アンドレア・ロスト  ジュリエッタ:エンケライダ・ショコーザ  

2000.4  パリ・バスチーユ 

♪~ホフマン物語もカーセンの演出も初体験でした。幕の上がる前から酔っぱらったホフマンが下のプログラムの表紙のように舞台左手前に座っていました。鬼才と評されるカーセンの抱腹絶倒の舞台でした。人形のオランピアがホフマンを逆レイプ?するなんて誰が想像するでしょう。このころはオペラの情報も少ないころでしたから、なんの前知識もなかったので、もう驚きの一言!でもあのオランピアのアリアはこういう舞台で聴くとエロティック・・・でも少しもいやらしさを感じさせなくて、笑ってしまいましたが・・・。舟歌の場面も露出度は結構凄くて、ヴェニスの退廃と官能的な雰囲気満点でした。この演出は人気は高かったらしく、この後も2年ほど続けて再演されていました。ランカトーレのぴちぴち度満点のオリンピアがとても印象に残っています。このときまだ彼女は20代初め。若くて凄いソプラノがいるものだと思いました。キルヒシュラーガーは前年のラヴェンナに続いて2回目。ズボン役もミューズ役もとてもキュートで、歌唱も素晴らしい!ホフマン役のテノールは声は良いのですが、一本調子で演技も下手でやや不満。Aキャストではデセやシコフが出演した舞台を収録、バスチーユのショップでDVDも発売されました。2,3年後でしたかアマゾンから日本語字幕盤も発売されました。
席は2階席2列目中央。

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参考CD:1996収録

CD Les Contes D'Hoffman.jpeg

指揮:ケント・ナガノ  演奏:オペラ・ナショナル・ドゥ・リヨン コーラス:オペラ・ナショナル・ドゥ・リヨン

ホフマン:ロベルト・アラーニャ   リンドルフ/コッペリウス/Drミラクル/ダペルトゥット船長:ホセ・ヴァン・ダム   オランピア:ナタリー・デセ   アントニア:レオンティーナ・ヴァドゥーヴァ   ジュリエッタ:スミ・ジョー   ステッラ:ジュニッタ・ラスカッロ  ラ・ミュゼ/ニクラウス:カテリーヌ・ドゥボック   アンドレス/コシュニーユ/フランツ/ピティキナッチョ:ジル・ラゴン  スパランツァーニ:ミッシェル・セネシャル    シュレミール:ルドヴィック・テジエ




 


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