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(4)ランス~シャロン・アン・シャンパーニュ(レピーヌ)~パリ [2002初夏友人たちとヨーロッパの旅]

6/28(金)Reins7:20→Chalons-en-Champaigne8:00/10:35→ParisEST12:05


 夏時間の新しい時刻表で確認したところ、やはり予定していた列車はなく、早朝の出発になりました。ホテルの朝食は7時からなので間に合わずパスして、駅のスタンドでコーヒーとパン。シャロン・アン・シャンパーニュ駅に着き、荷物をロッカーに預けようとしましたが満杯です。困っていましたら、突然日本語で「駅の事務室で預ってくれるよ~」振り返るとアメリカ人らしいシニアの白人男性です。彼は荷物をピック・アップするところで、一緒に事務室に行きました。どういうわけか駅員さんは私たちの顔を見て預からないというので、彼が「それはないでしょ!」みたいなことを言って抗議してくれて、無事預けることができました。日本に何年か滞在していたそうで(多分軍人さん)、リタイアした後旅行しているそうです。びっくりするほど大きなトランクを抱えて彼は去っていきました。


 さて、ここからタクシーでL'Épine/レピーヌ村に行く計画です。でも駅前にはタクシーは一台もいません。道路を渡ってカフェで尋ねると待っていれば必ず来るよというので結局15分以上は待ちました。東へ8Kほどのレピーヌ村はミシュランのガイド本で知ったのですが、小さな村にそぐわないほど立派なゴシックの教会があります。


 そのレピーヌのノートルダム大聖堂はかなり交通の激しい幹線道路の脇に建っていました。道沿いに民家やオーヴェルジュ(ミシュランの星付きレストラン宿)が並んでいるだけの静かなというか辺鄙な街道筋の村です。

☆Basillque Notre-Dame de L'Épine レピーヌのノートルダム大聖堂

 中世からの聖地巡礼の道筋にある重要な聖地でした。羊飼いたちが燃える茨のなかの聖母の彫像を発見したという伝説が残っています。15世紀初めにランスの大聖堂をモデルに次第に大きな教会になりました。

↓全景(絵葉書)


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↓西正面はフランボイヤン・ゴシック様式(16世紀)


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↓内に入りますと讃美歌が・・・雰囲気満点(スピーカーでも 笑)

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↓南側は広い墓地になっていて、屋根には奇怪なガーゴイユが林立。夜は近寄れないような怖ーい怪物たち。

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↓南扉口


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↓ふと下を見るとカーテンの彫物。昨日のフジタのチャペルのカーテンと同じ!シャンパーニュ地方にはこういう意匠が多いのでしょうか?


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ロマネスクの聖堂を巡ることが多いのですが、たまたま訪問したここエピーヌの大聖堂は思いがけず面白い体験になりました。1時間後にお迎えを頼んだタクシーが来るまでは、教会の正面のカフェ・テラスでのんびりお茶タイム。


駅で荷物を受け取り、パリに戻りました。日本を離れてまだ4日目というのにお寿司が食べたくなって、サン・ジェルマン・デ・プレの寿司屋へ。ビール、いつもの貝類と海草の酢の物、手巻きの納豆まきなどでランチ。2時過ぎにサン・ルイ島のホテルに舞い戻って休憩&昼寝。いつの間にか夕方になり、5時ごろ隣室から声が・・・オスロへ行かれていたIさんがご家族と別れてパリに到着されたのです。これからは3人の旅が始まります。


そして6時半ころオペラ・バスチーユへ。窓口でチケットを受け取ろうとしたのですが・・・大変なことになりました!今日の公演は週末だったのでインターネットでは完売だったので、昨年も利用したことのあるパリのチケット屋でNET予約しました。カードの引き落としも済ませていましたし、引き替えのメールのコピーを窓口に出したのですが、どうも様子がおかしいのです。奥から係りの女性が出てきて「予約は確かに受けたが、この会社は機能していなくて、代金が入らなかった。申し訳ないがあなたの席はありません。」え~っ!!そんな馬鹿なこと!!顔から血がひいていくのがわかるほど動揺しました。「・・・私はチケットが欲しいです。お金も払うことができます。」とお願いするが「当日券の窓口はあちらです」とだけ。友人に訳を話し、窓口に並んだのですが既に10人ほどが行列しています。『ルサルカ』は評判が良いらしく、劇場前もいつものダフ屋の姿はなく「チケット求む」の人ばかり。窓口の行列は動かず、駄目かなとあきらめかけたその時、二人の男性が現れました。連れが急に都合が悪くなったので定価で譲りたいと言うのです。北欧から駆けつけた友人が「疲れていて居眠りしそうだから、私はいいわよ」と辞退してくれました。あたふたと席にむかったのが開演5分前。怒りと困惑で心騒ぐままのうち・・・開幕。テレビカメラが入っていたのでこの公演はそのうちBSでも放送されると思います(後日DVDにもなったので購入)。


♪ドヴォルジャーク『ルサルカ』

指揮:ジェームス・コンロン  演出:ロバート・カーセン

ルサルカ:ルネ・フレミング  王子:セルゲイ・ラリン
湖の精:フランツ・ハウラータ 異国の王女:エヴァ・ウルバノーヴァ
魔法使い:ラリッサ・ディアドコーヴァ

舞台はいかにもカーセンらしい斬新なもの。ボヘミアの森や湖の影もなく、真ん中に四角のプール、白い壁に椅子やベットが宙づりになっていて、幕が変わるとそれらが降りてきて室内風景になります。白い壁は照明によって空や湖の青・・・それはマグリットのブルー。何幕目だったか黒服のバレエダンサー達がその青を背景にして立ったシーン「これで山高帽だったら・・・完璧!!」とマグリット好きなわたしは先程のショックも忘れていつしか舞台に魅せられていました。タイトルロールのルネ・フレミングは一度ヴェルレクで聞いただけですが、それがとても良かったので、生オペラが楽しみでした。はじめはあらこんな声だった?と思うほど調子悪いみたいで、アリア「深々と空にかかるお月様」も声の伸び、音の繋がりに無理がかかってるように聞こえハラハラ。それでも次第に乗ってきたのはさすがです。存在感のある舞台姿も綺麗で、王子の心変わりに絶望して歌ういくつかのアリア、集中力のある歌唱に引き込まれました。ラリンは2日前の代役にいささかお疲れ?でもこちらの役のほうが彼に合っています。特筆すべきはハウラータの立派な水の精のバス、深々と胸にしみる歌唱。このオペラのテーマ「水」の輪廻をも感じさせます。ディアドコーヴァも文句なしに素晴らしい。主役ふたりより断然ハウラータとディアドコーヴァが良かったので、舞台も引き締まりました。
カーセンの刺激的、知的な演出、洒落た舞台とコンロンのメリハリの利いた音楽とが一体になって、満足。こういうシュルレアリスティックな舞台は日本では観られないでしょう。謎解きの知的な刺激に満ちた洗練されたオペラ。パリは素晴らしいね。来てよかったね~!とE子さんと賑やかな
週末のサン・ルイ島へ帰りました。

以前に利用したチケット屋でしたが、私のうかつさのせいでオペラも見られず、文句も言わずに、慣れない道を独りで先に帰った友人には本当に申し訳なく思いました。しかも寝ないで待っていてくださって、感謝感涙でした。チケットを友人の分も取ってあげるのは、こういうことも不可抗力とはいえ責任があることを痛感しました。なお後日チケット代はカード会社から返金されました。


三人で手持ちのものにIさんのノルウエィ土産の鰊の味付け干物を肴に「これから3人で仲良く旅をしましょう~」と、プチ宴会。

参考映像:帰国後購入したものですが前述したとおり同じキャストです。


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また、地元のオペラ鑑賞会で観ていましたが、演技と歌唱は別々なので好みではなかったのかしら?ほとんど記憶に残っていません。

Rusalka
(96. 4)(96. 5)(99. 1)
 ルサルカ・・・・・・・カテジナ・マハーチコヴァ(演技)
ミラダ・シュブルトヴァ(ソプラノ)
王子・・・・・・・・・ミロスラフ・ノヒーネク(演技)
イヴォ・ジーテク(テノール)
外国の公爵夫人・・・・・マリエ・マールコヴァ(演技)
アレナ・ミコヴァ(ソプラノ)
魔女・・・・・・・・・スラーフカ・ブジーノヴァ(演技)
マリエ・オフチャーチコヴァ(アルト)
水の精・・・・エヴァルト・ハーケン(演技、バス)
森番・・・・・・・・ラジスラフ・クレチュメル(演技)
イジー・ヨラン(テノール)
皿洗いの少年・・・・・・・・ミハル・ミケシュ(演技)
イヴァナ・ミクソヴァ(ソプラノ)
木の精1・・・・・・・ ハナ・ジュジヒンツォヴ(演技)
ヤドヴィガ・ヴィソチャンスカ(ソプラノ)
木の精2・・・・・・・・ヤナ・ホウトコヴァ(演技)
エヴァ・フロビロヴァ(ソプラノ)
木の精3・・・・・・・・・リブシェ・クラーロヴァ(演技)
ヴィエラ・クリロヴァ(ソプラノ)
狩人・・・・・ヴァーツラフ・ベドナーシュ(バリトン)
プラハ国民劇場管弦楽団・合唱団
指揮:ズデニク・ハラバラ
合唱指揮:ミラン・マリー 


 



 

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(3)パリ~ランス [2002初夏友人たちとヨーロッパの旅]

6/27(木)パリ東駅11:05→ランス12:41   ランス/HOTEL DE LA PAIX1泊(S 73€)


 今日は1泊どまりでランスへ行きました。事前にタイムテーブルをチェックしたはずですが、ちょうどこの時期は夏時間に変更になる頃でしたので、東駅に着いてから再度検討しなければならず、また窓口も行列。計画より遅めの出発になりました。駅でサンドイッチを買って車内ランチしつつ、パリから東へほぼ2時間後に到着。(現在はTGVが開通したので、当時よりかなり短縮され所要時間は45分!)。ランスはシャンパーニュ地方の中心都市でもあり歴史のある街です。列車からもシャンパンの葡萄畑が続き、うっとり良い眺め。イケル口の私たちの期待は高まります(笑)


 ランスの駅から徒歩5分ほどのホテルに直行して荷物を預け、早速市内観光へ出かけました。。


↓ホテルはBest Western系のやや高級なホテル。


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 先ずはランス大聖堂を目指して


↓ ランスのオペラ劇場


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↓街角風景


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 市内マップを見ながらそろそろランス大聖堂と思ったところで、街角を曲がると突然大きな建物が現れました。↓大聖堂の北側面が目の前に聳え建っていて、その威容に驚きました。写真がないのでGoogle earthから拝借。

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☆ランス大聖堂Notre-Dame

 カロリング朝のものが炎上した後、13世紀ゴシック様式で建てられた大伽藍。フランスの数多あるカテドラルのなかでもトップクラス。屋根のあちこちから吠えるガルグーユ、月歴の農民たちなど見どころも満載です。内陣に13世紀のステンドグラス、中央の小祭室にシャガールのデッサンによる新作のステンドグラスもあります。


↓全景(絵葉書)


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↓西正面扉口の「微笑みの天使」は超有名です。柵で囲ってあり近づけませんが、ようやく撮りました

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↓ 内部も壮観。フランス歴代の王の戴冠式が行われたカテドラルです。


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↓大聖堂の前のジャンヌダルクの像で記念写真を撮り、次の目的地へタクシー移動。


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☆フジタのチャペル

シャンパンの試飲のできる蔵元マムの目の前が藤田嗣治のフレスコ画のある礼拝堂です。当然ですがシャンパンをいただく前に礼拝堂へ。
マム社の後援を受けて建てられた小さなロマネスクスタイルの教会です。係員がひとりいまして、カメラ禁止とのことでした。絵葉書も品切れでなかったのですが、最近(2009)札幌で催されたフジタの展覧会で買い求めることができました。
フジタの生涯については詳しく述べませんが、戦後フランスに戻り帰化、亡くなるまで永住しました。

私は以前から 画家というよりデザイナー的なセンスの持ち主と評価していましたので、この教会はどんなだろうと興味深深でした。確かに祈りの空間を埋める宗教画はフジタのカラーで統一され、彼自身も敬虔なクリスチャンだったと聞いています。うす塗りのはかなげな色彩感覚、デザイナー的な線描、伝統的な宗教画との折り合いのうえで最上のものが生まれたことが確認されます。
そのなかで、絵葉書の最後の晩餐に観られるカーテン状の布の描写が印象に残りました。

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↓外観 想像していたより小さな礼拝堂でした。

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 そしてお楽しみのシャンパンツアーです。予約なしですが他のグループに混ぜていただいて見学できました。ビデオを見た後30分ほどカーブを巡りましたが、寒いほどの自然クーラー。見学後はグループと別れて、個人客用のソファ完備の部屋で3種類ほど試飲。グループ用の部屋は立ち飲みで、試飲するシャンパンの種類も違ったみたいです。パリから半日のバスツアーで来られた方たちに羨ましがられました。そうそうもう一か所見学すべきところがありました。中心部から少し離れたロマネスク・ゴシック様式のサン・レミ教会へ。受付でタクシーを呼んでもらえました。

☆Basilique St-Remiサン・レミ聖堂

 6世紀にシャンパーニュ地方に信仰を根づかせた聖人サン・レミ(496年メロヴィング朝の国王クロヴィスⅠ世に受洗)の遺体を祀っています。着工は11世紀。12世紀のステンドグラスが残っていますが、何度かのの修復を経て、現在はロマネスク(身廊)とゴシック(内陣)が混在しています。

シャンパンの試飲のあとの訪問だったため?写真もなく記憶も薄れています。

↓全体図(絵葉書)

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 ↓西正面(内部から)の薔薇窓など。

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  帰途は幸い近くにバス停があり、間もなく来たバスに乗って駅まで。夕食は駅前のFLOのテラス席で。シャンパン試飲後ですから、お酒無し、魚のスープなど軽く済ませました。

 

 

 

 

 

 

 


 
















 




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(2)パリ [2002初夏友人たちとヨーロッパの旅]

6/26(水)

 地下の朝食室でハムもチーズもない簡素な朝ごはんのあと、市内観光へ。サン・ルイ島から橋を渡りノートルダム大聖堂へ行ってみましたが、すでに大行列!入場はあきらめて次の目的のサン・ティチエンヌ教会に向かいました。サンジェルマン大通りを横切り、なだらかな坂道を歩いて20分ほどで到着。


↓西側 朝なので暗く写りました

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↓豪華なファサード


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☆Eglise Saint-Etienne de Mont サン・ティチエンヌ・デュ・モン教会(1494-1624)

 フレンチ・ゴシックとルネッサンス様式で建てられています。ロマネスク好きな私にとって、訪れることは念頭になかった教会ですが、地元のカルチャー教室で「神秘の葡萄絞り機」という中世キリスト教の主題があると知って驚き、チェックしたところ、パリにあることが判明。この主題のものは珍しく、現在ではほとんど残っていないとのことです。


エミール・マールの『中世末期の図像学 上』によりますと中世末期の熱狂的な信仰がそのまま伝わるような奇妙な図像を芸術家たちは着想。イエスがその血を最後の一滴まで流しつくしたことをより深く理解させるために、イエスを葡萄絞り機の螺旋軸の下においたというのです。この主題は15世紀にはじめて現れるので、ロマネスク美術には見られません。ルターやカルヴァンのプロテスタンティズムに対して宗教芸術が開始した闘争の一環なのです。素朴なロマネスク期の図像からこの受難の中世末期の図像に至るまでの流れ‥単なる美術史以上に興味深いものです。


堂内は華麗な広い空間、立派なパイプオルガンが置かれていたほかはよく覚えていません。「神秘の葡萄絞り機」のステンドグラスは回廊(といっても室内のギャラリー)にありました。


↓フランス語で« Pressoir mystique »といわれるステンドグラス(17世紀初め)。キリストの足元に集まる聖職者たち(赤い帽子は枢機卿)が血の保管と信者の聖体拝領を行うという象徴です。


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 他にも何枚かのステンドグラスが並んでいましたが、写真でもお分かりのように黒い線の修理跡が痛ましく残っています。第二次大戦のパリ空襲の時、爆音で崩れ落ちたのを補修復元したそうです。


↓参考図書

エミール・マール『中世末期の図像学 上』(図書刊行会)


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 近くのパンテオンにも行ってみましたが、クローズでした。このエリアはパリ大学やソルボンヌ大学があり古本屋も多いところですが、E子さんの希望もありクリュニー中世博物館へ急ぎました。ここは8年ぶりの再訪でしたが写真もありませんので、省略します。


 ランチはサン・ジェルマン・デ・プレの老舗カフェ「ル・プロコープ」にて。店先に牡蠣が出ていたので、真夏なので躊躇したのですが、お店の人「うちのはオール・シーズンOKだよ」というので、白ワイン、生牡蠣、鶏とヌードルの煮込、木苺のデザートをいただきました。徒歩でサン・ルイ島に帰る途中ノートルダムにも寄り、見学しました。


↓カテドラルの後陣


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夕方まで仮眠した後、バスチーユのオペラ劇場へ。徒歩で25分ほどかかり、ヒールの靴では辛い道のりでしたが、初めて生のアラーニャが聴けると思うと足取りは軽かったです。ところが劇場に着いてみれば、なにやら騒がしい気配・・・手渡されたプログラムを見てがっかり。アラーニャはキャンセルで、代役はセルゲイ・ラリンになっていました。開幕前に説明がありましたがブーの大合唱・・・。ラリンは2日後の『ルサルカ』でも歌うはず、大丈夫?席は平土間中央左寄り第2カテゴリーで107€


♪ビゼー『カルメン』19:00開演@オペラ・バスチーユ


指揮:ジェス・ロペス・コボス  演出:アルフレッド・アリアス

ドン・ホセ:セルゲイ・ラリン  エスカミィリオ:ジョン・レイア  カルメン:デニス・グレィブス  ミカエラ:インヴァ・ムーラ


 
第一幕の舞台は半円形の闘牛場、手前に鉄柵がある。おきまりの煙草工場ではないのでアレレ。闘牛場の階段席に不気味に固まって座らせた仮面の人形たちはゴヤ風。主役3人に扮した美しいバレエダンサーたちにくっついて動き回る3人のこびと(差別用語だったらスミマセン)には正直苦しい気分。
以前映像で観た『ドン・カルロ』(カラヤン指揮)にベラスケスの絵画風におつきの道化姿ででていたこびとだが、その時にはそんな感情はなかったので、この演出に無理があるのではと思った。
最後のカルメンが刺されて倒れたシーン、閉まっていた闘牛場の扉が開いて、槍の刺さった血だらけの牛の首(本物ではないが)がゴロンと置かれて・・・うへぇ~気味悪い!!カルメンの哀しい運命に涙するはずだったのにぃ~。音楽はこのスペイン風のおどろおどろしさとは別物で、すっきりさっぱりパリらしく洗練された響き。
カルメン役のグレーブス、あまり歌に色っぽい陰影はないものの安心して聴ける素晴らしい声、ラリンは少し声が太め?なテノール、頑張ってはいたが次に聴いた『ルサルカ』のほうがあっていたように思った。エスカミリオは若くハンサムな背の高いバスバリトン。映像も含めて今までで一番かっこいい闘牛士、歌は普通でも沢山の拍手をもらった。この後はMETで大活躍します。ミカエラのムーラはほとんど印象に残らない(演出のせいかも)。総体的に演出と音楽が上手くかみ合っていないためか、私の好きなオペラなのに感銘度はすこぶる低かった。(My HPより転載)


終演は11時ごろになり、暗い夜道を酔っ払いに出会ったりしながらも、友人と一緒なので心細い思いもなく、走るように無事宿へ帰りました。


参考映像:地元のカルチャー教室で観た2本(1997.4&2002.1)

Carmen
カルメン・・・・・・・・・・・・・・・・・・ アグネス・バルツァ(ソプラノ)
ドン・ホセ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ホセ・カレーラス(テノール)
エスカミーリョ・・・・・・・・・・・・・・ サミュエル・レイミー(テノール)
ミカエラ・・・・・・・・・・・・・・・・・ レオーナ・ミッチェル(ソプラノ)
スニガ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ダイア・ケスリング(バス)
モラレス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ マイラ・レミット(バリトン)
メトロポリタン歌劇場管弦楽団・合唱団
メトロポリタン歌劇場バレエ団
指揮:ジェームス・レヴァイン
演出:ピーター・ホール
収録:1987年 メトロポリタン歌劇場  
Carmen
カルメン・・・・・・・・・・・・・・・・・・ マリア・ユーイング(ソプラノ)
ドン・ホセ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ルイス・リマ(テノール)
エスカミーリョ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ジーノ・キリコ(テノール)
ミカエラ・・・・・・・・・・・・・レオンテイーナ・ヴァドゥーヴァ(ソプラノ)
スニガ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ロドリック・アール(バリトン)
ダンカイロ・・・・・・・・・・・・・・・・ ブルーノ・キャプロニ(バリトン)
レメンダート・・・・・・・・・・・・・・・・ フランシスコ・エガルトン
フラスキータ・・・・・・・・・・・・・・・・ジュデイス・ハワース
メルセデス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ジーン・リクビー
コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団
コヴェント・ガーデン王立歌劇場合唱団
指揮:ズービン・メータ
演出:ヌーリア・エスペルト
収録:1991年4月 コヴェント・ガーデン王立歌劇場   










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(1)パリへ [2002初夏友人たちとヨーロッパの旅]

 

 今回の旅でご一緒していただく友人二人はオペラ鑑賞会のお仲間で何度かグループで旅をしてきた気心の知れた方たちです。目的はパリ、ミュンヘン、チューリッヒでオペラを楽しみ、観光もすると言う欲張りプランを立てました。E子さんとは千歳空港から同行ですが、Iさんは姪御さんのオスロでの結婚式に参列のため、先に出発しています。帰途パリで落ち合うということになりました。


日程:6/25~7/10(14泊16日)

パリ(2)~ランス(1)~パリ(2)~モン・サン・ミッシェル(1)~サン・マロ(1)~ミュンヘン(4)~チューリッヒ(3)


MAP



6/25(火)千歳8:00→関空10:05/11:50→パリ17:35(JAL/AFとの共同運航便)


パリ/Hotel Saint-Louis2泊(シングル1泊127€)


 千歳空港でE子さんと合流。早朝出発のため朝食抜きでしたのでE子さんご持参の五目御飯のおにぎりをごちそうになりました。千歳から関空経由でパリへ飛びました。CDG空港からはタクシーでサン・ルイ島のその名もホテル・サンルイへ。エレベーターが階段の途中にあるタイプとは着くまで知らなかったので、スーツケースを運ぶのが一苦労。3☆のプチホテルですが部屋はまあまあの広さ、バスタブ付き。レセプションの女性も親切で感じの良い方です。荷物を置いてから早速散策がてら夕食のため外出。サン・ルイ島に泊まるのは初めてです。パリのど真ん中、何かと便利な立地で決めましたが、宿泊代はやや高めです。6月の末ですから夜9時ごろまで明るく、気温も25度で結構暑いけれど、パリらしいお洒落な通りをそぞろ歩き、近所の牛のマークの付いたレストランで夕食。「パリに着いたね~!」とまずは乾杯。前菜にラビオリ,スモークサーモン、メインはフィレステーキ、サラダ添え。旅の第一夜は美味しいものをいただいて満足満腹。

↓サン・ルイ島にて

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