(3)ペーザロ(ウルビーノ) [2004夏ペーザロ、スポレート&ザルツブルク]
8/19(木)
この日はウルビーノ観光をしました。バスはペーザロの駅前から出発してウルビーノのドゥカーレ宮殿の裏側に到着しました。Kさんに教えていただいて宮殿のエレベーターから丘の上の街に出られ楽ちんです。早速宮殿内のマルケ国立美術館へ。この町はゴシック期よりモンテフェルトロ家が収めていたのですが、かの有名なフェデリコが跡を継ぎ傭兵隊長として、領土を3倍にしたといいます。平和になってもその手腕は冴えピサネッロ、ピエロ・デッラ・フランチェスカ、ウッチェロなどの画家や人文学者などが集まり隆盛。フェデリコが建て直させたドゥカーレ宮殿はルネッサンス様式の一大傑作とされています。宮殿内の部屋で最も印象に残ったのはフェデリコの書斎でした。傭兵隊長として負け知らずだった軍人の顔とは反対の物静かな思索にふける横顔がこの小さな空間にふさわしいと思われました。
しかし、全体は1フロアの高さが日本の家の3階分はあろうかと思うほどの規模なので、1階昇るのもハアハア・・・。
カメラは禁止なので絵葉書で。
↓ピエロ・デッラ・フランチェスカ「キリストの鞭打ち」1460-65頃58.3×81.5
一目見て引き寄せられる謎めいた作品です。主題はキリストの磔刑というポピュラーなものですが、肝心のキリストは左奥に配され、なぜか右半分を占める3人の人物は議論中?大きさからも一般の祭壇画とは違うサイズということもあり、ピエロの革新性が光る作品です。厳密な遠近法による空間、下部の煉瓦色と白色のはっきりした舗道?をはじめとしたさまざまな色彩はイタリアの陽光の下に生き生きしています。人物左の衣装は玉虫色が綺麗!図像解釈については多くの論があるようです。
ここにはピエロの作品はもう一点「セッニガリアの聖母」あるのですが、特別展で元あった場所のセッニガリアに里帰りしています。ペーザロの滞在後に立ち寄る予定です。
ラファエロはこの地に誕生しています。生家が公開されているので寄ってみました。途中で迷ったのですが、運よくインフォがあり、辿り着きました。小さな古い家に1枚の「聖母子」(フレスコ/ラファエロ最初の作品16歳頃)が残されています。
↓Rafaello Sanzio「Madonna col Bambino」1499頃97×67
このあとは何枚の聖母子を描いたのでしょう。ルネッサンスの巨匠として歩み始める出発点にたつのはなかなか感慨深いものでした。
バスの出発時間まで途中でジェラートを食べてましたら、偶然Kさんが通りがかり、帰りもご一緒させていただきました。
↓ウルビーノ全景(絵葉書)
↓ポポロ広場(暑いので人影なし)近くでランチを済ませ
↓広場から海に向かう道
♪~ロッシーニ『ELISABETTA REGINA D'INGHILTERRAイギリスの女王エリザベッタ』@AUDITORIUM PEDROTTI 20:00開演
指揮:レナート・パレンボ 演出:ダニエル:アバド
エリザベッタ:ソニア・ガナッシ レイチェスター:ブルース・スレッジ
マチルデ:マリオラ:カンタレロ ヱンリーコ:マヌエラ・カスター
ノーフォーク:アントニオ・シラク―サ グリエルも:フィリッポ・アダミ
オーケストラ:TEATRO COMUNALE DI BOLOGNA
この演目は初めてでしたが、歌手陣が素晴らしく、特にガナッシとシラク―サの丁々発止といえる声の競演には度肝を抜かれました。シラク―サのイタリアの青空のように晴れやかに伸びる高音にノックアウトでした。
舞台は豪華というより硬質なパイプを多用したもの。そのなかでの女王や回りの貴族たちの人間模様はドロドロした愛と裏切り・・・。なかなかに優れた舞台にペーザロの「勢い」を感じました。
↓プログラム
↓舞台写真(現地で購入)
K子さん、Mさんご夫妻(ボローニャ在)とは同宿でしたので、一緒に劇場に向かう時だったと記憶していますが、オペラ評論家の永竹先生(2012年逝去)と偶然お会いしました。札幌のオペラ仲間うちでも有名な方でしたが、とても気さくで、ユーモアたっぷりのお話も楽しい方でした。
予習CD:Rossini『Elisabetta Regina d'Inghilterra』1970年ミラノにてライブ録音
Conductor:Nino Sanzogno
Elisabetta:Leyla Gencer Leicster :UmbetrtoGrilli Matilde:Sylvia Geszty
Enrico:Wilma Borelli Norfolk:Pietro Bottazzo Guglielmo:Glauco Scarlini
Orchestra e Coro del Teatro Massimo di Palermo
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