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(7)レッチェ(オートラント、ガラティーナ) [2002 秋プーリア・ロマネスクの旅]

10/9(水)

 

 朝食のとき、日本人のツアーの方たちと一緒になりました。添乗員さんに「お一人ですか?」と大変驚かれ、この町はジプシーもいるので気をつけてといわれました。でも、あのモルフェッタの男の子たち以外はジプシーとか怪しい人達には一度も会っていないのです。

 

 1030発のSUD=EST線でオートラントへ。乗り換えのマリエからはバス。車窓からは相変わらずのオリーブ畑が見えてますが、次第にオリーブの木々も細く、岩のめだつ荒涼とした風景に変わっていきます。丘の上のオートラント駅に着いたのは12時近く、港方向の旧市街を目指して歩きました。聖堂が閉まっていたらランチを先にしようと思いながら、迷ったり、絵葉書買ったり、Informationに寄ったり、のんびり行ってみると、開いていました。

 

↓Google Mapより Otrantoの旧市街 茶色の大きな屋根が大聖堂です。

 

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↓旧市街へは城壁の門から入ります

 

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オートラントの大聖堂 Cattedrale

 

 プーリア・ロマネスクの傑作とされ、州では一番大きな教会です。献堂は1088年ですが薔薇窓は15世紀、ファサードの扉口は17世紀に加えられています。

 

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教会正面の扉口上の薔薇窓はレース編みのモチーフのよう。プ-リア地方の柔らかい白い石だからこのような繊細な窓が造れたのでしょう。これらの薔薇窓はプーリア・ロマネスクのなかでも最も魅力的なものです。

 

↓プラン(左クリプト)

 

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ここの12世紀のモザイクはエミール・マールの著書「ロマネスクの図像学」で知りました。ア-サ-王(フランスではアルチュール王)の物語がフランスからモデナ(司教座大聖堂/扉口の彫刻)を経てここまで伝わってきたとのこと。他にもアレクサンダー大王や12ヶ月のカレンダー、そして圧倒的な旧約の世界・・・。タンパンや柱頭彫刻に繰り広げられた聖書の世界がここではモザイクに表現されています。身廊の中央部は入れませんが、左右の側廊はモザイクの上を直に歩いて鑑賞出来ました。復活祭のころ訪れた友人の話では中央部のモザイクの上に椅子が並んでいたそうです。私が訪れたときは教会内は半分工事中だったのですが、お目当てのモザイクは充分見学できました。写真は残っていないのではっきりした記憶はないのですが、カメラ禁止だったと思います。

 

↓左「アーサー王」 右「アレクサンダー大王」

 

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↓レッチェで購入した本(モザイクの写真が多い)

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↓バベルの塔

 

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さて、次は地下のクリプトと、階段を降りようとしたら2時だからキュウゾといって皆追い出されてしまいました。お昼休みが終わったと思って来た人達(ガイドブックを信じて)はお気の毒。その人たちは当然文句を云うと、「わしだって、おなかがすくんじゃ」とかなんとか・・・昼休みの時間も鍵を持っている係員の気分次第なのが、いかにもイタリア。

 
オートラントの聖堂を出て時計を見ると、次の列車が30分後にあります。もうひとつの古代からの教会はあきらめ、急いで駅に戻りました。午後の汽車通学の中高校生で大賑わいの列車に乗ってガラティーナへ。ガラティーナへは2回も乗り換えて(待ち時間はほとんどなくスムーズ)到着。
ここも旧市街に入って迷っていると、粋な横縞のTシャツのおじいさんがひょっこり現れて、サンタ・カテリーナ・ディ・アレッサンドリア教会まで案内してくれました。徒歩10分くらいの路をグルグル回りながら・・・これでは迷うはず。
ところがようやく辿り着いた教会は内部が修復の工事中。おじいさんも遠い日本から来たのだからと一生懸命工事の人に頼んでくれたのですが・・・工事監督さんから危険だからと断られて。
マルケ派?といわれているフレスコ画を天井だけチラリと覗いただけ。残念でしたが親切なおじいさんには、本当に感謝でした。握手をしてアリベデルチ・・・だが、その手をなかなか離してもらえないの。歳はとってもイタリア男.(笑)。

タンパン上部にはアレクサンドリアのカテリーナの小さな彫刻、玄関柱廊にはお決まりのライオンの台座。後期プーリア=ロマネスクなのでアーキトレーブのレリーフは手がこんでいて、聖女の教会らしい優美さもあります。左の回廊は見学できました。後陣に回ってみたのですが、他の建物がびっちり隣接しています。それでも粘って写真を撮っていると、にゃーにゃー子猫が擦り寄ってきて。そういえば、この日はまともな昼食をとっていません。「空腹はあんた(猫)だけじゃないよ」。帰りの時間まで教会前のBARでスィートポテトと紅茶で休憩。

☆サンタ・カテリーナ・ディ・アレッサンドリア教会Santa Caterina di Alessandria

14世紀に建てられた後期プーリア・ロマネスク様式の教会。中央扉口は両側をライオンの台座に支えられた円柱に挟まれ、タンパン上部にアレクサンドリアのカテリーナの小さな彫刻。(写真はGoogle Earthより)

 

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↓内部は天井の高い身廊。15世紀前半のフレスコ画(ジョットの影響がみえる)

 

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帰途は迷うことなくInformationに寄り、親切なお嬢さんに地図(帰りにもらってもね)や教会のパンフレットなどいただきました。

ガラティーナ駅はトイレの鍵を借りて自分で開ける方式になっていました。(こんなのは初めて)。駅長さんの帽子やら駅員さんのレール切り替え作業などが、ノスタルジック。オホーツク海に近い、今は廃線になった故郷の駅を思い出しました。そういえば日本の鉄道はイタリアを参考にしたもの?


 

 レッチェでは駅からホテルまでタクシーなので、ついでにサンティ・ニコロ・エ・カタルド教会へ寄ってもらいました。ここからようやく自分で撮った写真になります~ほっ!

 

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☆サンティ・ニコロ・エ・カタルド教会SS Nicolo e Cataldo

街の中心から少し離れた墓地の敷地内に建っています。12世紀末にレッチェ伯によってロマネスク様式で建てられた教会ですが、ファサードと薔薇窓のほかはバロック様式で改築されています。

↓教会の墓地の方向

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夕食は近くに中華料理の看板が出ていたので、旅の中間でもあるし、このへんで中華もいいかなと行ってみたのですがが・・・お客さんは私一人、隅の方でここの店の家族が食事をしているだけ。。。ヨーロッパで食べた中華料理でも最低かな?という不味さ。★なし。

 


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