(11)ミュンヘン [2002初夏友人たちとヨーロッパの旅]
Arnold Böcklinベックリン「波間の戯れ」1883 180.3×237.5 |
さす光は柔らかい。衣裳の色遣いも抜群のセンスです。プログラムには
↓ヴァン・ダイクの「Konigin Henritta Maria」の美しいチャールズ1世の妃の肖像画。
エルヴィラの衣装や髪飾りなどはこの絵を参考にしたようです。このモデルはフランスからイギリス王家に嫁いだエンリッタ(劇中ではイタリア名エンリケッタ)オスカー・ワイルドの同名の詩が添えられて興味をそそられました。
エルヴィラの淡いグレイのサテンのドレスが石壁に美しく映えて。グルベローヴァのあの!!狂乱のコロラトゥーラは鳥肌のたつほどの感動。人間の声でこんなにも清らかで一途な表現ができるものなのか・・・と。
観られなかった東京でのボローニャ引越公演ではアルトゥーロをサバティーニが歌って大喝采だったそうですが・・・さて、ミュンヘンでのクンデです。尻上がりによくなったものの序盤は苦しげでした。
高音も振り絞ってようやくという歌唱で、がっかり。クンデはこの後だったと思いますが、「トロイの人々」(パリ・バスチーユ)は素晴らしく、復調してました。合唱は良かったのですが、他の歌手たちはほとんど印象に残らないほど・・・圧倒的なグルベローヴァの歌唱でした。。舞台袖のバルコン(右側・
)にずーっと詰めてらしたヨナスさんに、カーテンコー・ルのとき誇らしげな笑顔で会釈するグルべ様でした。生きているうちにこれ以上のエルヴィラを聴くことはないでしょうねと友人たちと話しながら満足感と寂寥感、複雑な気持ちを抱えてホテルに帰りました。
参考映像:Vincenzo Bellini『I Purtani』 2001 バルセロナ・リセウ劇場ライヴ盤
指揮:フリードリッヒ・ハイダー 演出:アンドレ・セルバン
ヴァルトン卿:コンスタンティン・ゴルニー ジョルジョ:シモン・オルフィラ アルトゥーロ:ホセ・ブロス リッカルド:カルロス・アルバレス エンリケッタ:ラクエル・ピエロッテイ
エルヴィラ:エディタ・グルベローヴァ
参考CD:Bellini『I Puritani』1953録音
指揮:トゥリオ・セラフィン オーケストラ:ミラノ・スカラ座管弦楽団
エルヴィーラ:マリア・カラス アルトゥーロ:ジュセッペ・ステファノ リッカルド:ロランド・パネライ
ジョルジョ:二コラ・ロッシ・レメーニ ブルーノ:アンジェロ・メルクリアーノ ヴァルトン:カルロ・フォルティ エンリケッタ:オーロラ・カッテラーニ
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