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(8&9)サン・マロ~パリ~ミュンヘン [2002初夏友人たちとヨーロッパの旅]

7/2(火)San Malo10:04→Renne10:54/11:05→Paris(M.P)13:05

     ParisCDG18:25→Munich20:00      Munich/Hotel An Der Oper 4泊(S朝食込 120€)


 早めに朝食を終え、タクシーでサン・マロ駅へ。レンヌでTGVに乗り換え、昼過ぎにパリに到着。地下鉄でオペラ座に移動、ランチは「やすべえ」の海鮮丼。「美味しくない~」道産子3人組の評です・・・。


サンルイ島のホテルに戻り、預けてあったスーツケースを受け取り、ホテルで予約してもらった小型のシャトルバスで空港へ。バイエルン歌劇場にほど近いホテルにチェックインしたのは9時過ぎになりました。それぞれ手持ちのものでおなかを満たし就寝。この日はこうして移動しただけの一日になりました。


7/3(水)

 ドイツのホテルはどこでも朝ごはんは充実していますが、ここも豪華と言っていいほど、チーズやハム、ソーセージ、生絞りのオレンジジュース、果物の中では時季のアプリコットが美味。


大移動の翌日でもあり、この夜のオペラの予定はなかったのですが、『ファルスタッフ』が上演されるということで、3人の観たい気持ちが一致しました。でもチケットがあるかどうか・・・バイエルン州立劇場↓に行ってみました。


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チケット売り場では売り切れとのことで、がっかりしてますと、大学生らしい感じの良い青年が声をかけてきました。額面8000円くらいの席ですが、手数料含めて10.000円くらいで3枚あるというのです。マダム?3人組は値切らずに即お買い上げ。苦学生を助けたみたいな良い気分の私たちでした。


↓チケット売り場付近にチケット譲るや求む?の貼り紙。こちらの方が安かったのかもですが、ドイツ語は解りません。


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↓市庁舎広場

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徒歩でマリエンプラッツからカールスプラッツまで。トラムでミュンヘンの美術館巡りへ。


 ☆Alte Pinakothekアルテ・ピナコテーク (2)

 ミュンヘンでの一番の見どころはこの絵画館です。前回は1995年に次女と訪れていますが、建物の大改修中でした。綺麗に改装されエレベーターやレストランなども新しくなったようです。直訳すると古画館という意のとおり18世紀までの絵画が展示されています。特に15,6世紀のドイツ絵画デューラー、アルトドルファー、グリューネヴァルトは見逃せませんが、イタリア、オランダ、フランドル、スペイン絵画も充実しています。


↓Michael Pacherパッヒャー「教父の祭壇画」1480頃 (129×161) 左から聖ヒエロニムス~聖アウグスティヌス~聖グレゴリウス~聖アンブロシウス。教父たちの秘蹟のエピソードも描きこまれていますが、解読できたのは聖ヒエロニムスくらい・・・。


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↓ハンス・バルドゥング・グリーン「キリストの降誕」1520 (105.5×70.4)画面中央の大きな柱に3つの光源。グリーンのユニークな画面に惹かれました。


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↓デューラー晩年の代表作「4人の使徒」1526  左/聖ヨハネと聖ペテロ(215.5×76)  右/聖パウロと聖マルコ(214.5×76)ルネッサンス時代に流行した人間の4つのタイプの分類とも関連づけられている作品。 


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↓JAN GOSSAERTホッサールト(通称Mabuse/16世紀ネーデルランドの画家)の「ダナエ」1527(113×95

)ダナエはギリシア神話の女王でアルゴスの王女。孫の誕生を恐れた父王により塔に幽閉された場面。古代ローマの建築に傾倒した画家の技巧が光る印象的な作品。

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↓春にNYで観たばかりのオラツィオ・ジェンテレスキ「マルタとマリアの会話」に再会。1620頃(133×155)


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↓ルカ・シニョレッリ「聖母子」1498頃 直径87  背景に見える古典的なモティーフ<とげを抜く少年>は報われない人間の一生のありのままの姿を暗示しているそうです。聖母子像にこのモティーフが描かれているのは初めて見ました。


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 館内のカフェで軽くランチ。野菜サラダが新鮮で美味しかったです。疲労で体調があまりよくないので、午後からはお向かいのノイエ・ピナコテークを見学する友人たちと別れて一足早くホテルに戻りました。途中果物屋さんでアプリコットやサクランボをショッピング。夕方まで休養したおかげで元気になり、バイエルンSOへ。安い席ですし、お洒落は必要ないと思い、ニットのワンピースで出かけたのですが・・・夏の音楽祭ですものね。華やかイヴニングドレスを着こなしたマダムたちに圧倒されました。


♪~ヴェルディ『ファルスタッフ』19:00開演 席は2階バルコン後方

 指揮:ズービン・メータ  演出:エイク・グラムス

ファルスタッフ:ブリン・ターフェル  フォード:ルチオ・ガッロ  アリーチェ:ダニエラ・デッシー  
バルドルフォ:アンソニー・メイー  メグ:パトリシア・リスレイ  ミセス・クイックリー:ジュネ・ヘンシェル  ナンネッタ:レヴェッカ・エヴァンス    フェントン:ライナー・トロスト

4月にNYで見た『ファルスタッフ』はゼッフレッリ演出のオーソドックス&豪華版だったが、こちらは今をときめくミュンヘン夏の音楽祭とあってシンプルながら良く練られた楽しい演出でした。開演前から薄い紗のカーテンの向こうに舞台が透けて見え、楕円形の木製?盤がやや傾いて置かれている。手前にターフェルがガウン姿で背を向け座っています。その背が何故か元気が無く見えて・・・その時、ヨナスさんが現れて「ターフェルが腰痛のため本来の動きは難しいが、歌は良いものを聞かせてくれるでしょう」と挨拶されました。ドイツ語のため理解不能でしたが、休憩のとき友人が係員に英語で説明してもらい分かりました。
そのせいで、ターフェルに関してはメトのときのほうが歌、演技とも生き生きしていました。カーテンコールのとき、自分でも不本意だったのでしょう、腰を指さしして彼らしい困ったちゃん仕草をして、笑いを誘いました。「ターフェルくん、良く頑張ってくれてありがとう!!」。
他の歌手はすべてと言っていいほどMETよりこちらのほうが勝ち!特にデッシーのアリーチェは素晴らしかったです。ガッロはマチェラータでも聴いたことがあったのですが、軽めのバリトンがこの役にぴったり。イギリス人ならぬイタリア男っぽい情熱的な嫉妬深さもユーモラス。

衣裳のセンスも面白くて、若い恋人達は今風にパンクファッション、洗濯かごを運ぶボーイズもなにやらベッカム風なヘアーと半ズボン。夫人たちは洗濯女風に頭に白い布を巻き付け木綿のドレスに裸足。場面が変わると色っぽいゴージャスなドレス。フォード氏はタータンチェックのキルトを着込んだスコットランドの紳士風。
演出全体がポップでチャーミングのうえにオーケストラも金管の音がソフトに響いて花。ただし、ここの劇場の欠点は木製の椅子の音がギシギシと絶え間なく聞こえること。このテアトルは初めてだったので余計に気になりましたが、この後3回目では慣れました。(マイHPから)


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 終演後はビールや食べ物を持ち寄って部屋宴会。初めてのバイエルン音楽祭に乾杯~!!


参考映像:ヴェルディ『ファルスタッフ』 2001.12 道新教室にて視聴

ファルスタッフ・・・・・レナート・ブルゾン(バリトン)
フォード・・・・・・・・・・・・・・・レオ・ヌッチ(バリトン)
フェントン・・・・・・ダルマシオ・ゴンザレス(テノール)
医師カイウス・・・・・・ジョン・ドブソン(テノール)
バルドルフォ・・・フランシス・エジセートン(テノール)
ピストラ・・・・・・・ウイリアム・ヴィルダーマン(バス)
アリーチェ・フォード夫人・・・カーテイア・リッチァレルリ(ソプラノ)
ナンネッタ・・・・・バーバラ・ヘンドリックス(ソプラノ)
クイックリー夫人・・・・・・ルチア・ヴァレンティーニ・テラーニ(メゾ・ソプラノ)
メグ・ページ夫人・・ブレンダ・ブーザー(メゾ・ソプラノ)
コヴェント・ガーデン歌劇場管弦楽団
コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団
合唱指揮:ジョン・マッカーシー
指揮:カルロ・アリア・ジュリーニ
演出:ロナルド・アイアー 













 

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