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(2-2)ミラノ [2002 秋プーリア・ロマネスクの旅]

~続きです。


 列車の乗り間違えもあって疲れていましたが、1時間ほどベットに横になって回復に努めオペラへ。ミラノと言えばスカラ座ですがこの2002年当時はスカラ座の改修のため、近郊のアルチンボルデイ劇場で上演しました。初めてのアルチンボルディ劇場。出発前の情報ではスカラ座の前からバスが出るとのことでしたがこの日はパヴィア観光の疲れもあり、ホテルからタクシーで向かいました。夕方のラッシュで多少混んでいましたが13ユーロ、帰りは10ユーロ程。時間も1015分ほど。女一人で怖々深夜の街を歩くよりは良かったです。Kikukoさんの行かれた初日は空席が目立ったとのことでしたが、この夜は金曜日とあって客席は90%の入り、テレビカメラも並んでいました。

 

♪~ドニゼッティ『ルクレツィア・ボルジア』ミラノ・アルチンボルデイ劇場 2000~

 

指揮:Lenato Palumbo 演出:HUGO DE ANA  オーケストラ:Teatro alla Scala

ルクレツィア・ボルジア・・・MARIELLA  DEVIA

フェッラーラ公・・・MICHELE  PERTUSI

ジェンナーロ・・・MARCELO  ALVAREZ

マッフィオ・オルシーニ・・・DANIELA  BARCELLONA

 

 私の席は一階中央左より、新しい劇場とあって、とても見やすく音響もGOOD。舞台はなかなか豪華な鈍色の鉄製に見える壁板を場面毎に組み替えながら展開。ヴェニスやフェッラーラの宮殿や街角の雰囲気が良くでていました。ルネッサンスの光と影、芸術の華開く人間復興の時代、そして聖職者をもまきこんだ血なまぐさい政争の嵐。官能的なダンスとともに堕落したカソリック法王の衣裳からあらわれる美女たち、ルクレツィアの出生のいわれを思い起こさせます。さまざまな悪女伝説に彩られたルクレツィアですが、2002年はルクレツィアがフェッラーラのエステ家に嫁いで500年ということもあり、フェッラーラでは記念の展覧会も開催されています。翌日バーリに飛んだため、残念ながらフェッラーラを訪れるのは不可能。

デヴィーア、ペルトゥージ、バルッチェローナ、アルバレツが丁々発止!!とでもいったらよいのでしょうか、火花の散るような歌を聴かせてくれました。デヴィーアはもの凄い人気、ファンクラブ?フライング気味の拍手にちょっと気分がそがれることも・・・もちろん、ミラノ名物?の「シーッ!!」は何度もかかり苦笑い。

このオペラは一度サザーランドの映像を観ただけで、予習用のCDもさらっと聞いただけ。まったくの予習不足で臨んだのですが、舞台美術、衣装もルネッサンスらしい華麗なもので素敵でした。最高のキャストをそろえ、タイトルロールのデヴィーアの入魂の歌唱が特に印象的。悪い噂や非情な夫との荒れた生活の中で、ようやくめぐり合えた吾が子の死に悲痛な最後のアリアに・・・涙。
演出は当時の16世紀のヴェネチアやフェッラーラを舞台に政治、宗教の荒廃や堕落のエピソード的なシーンを挿入した見事なもの。この日はカメラが入っていて、後日映像を観ることができました。ペルトゥージの細かい演技には改めて感心させられました。

↓プログラムの表紙は当然ながら、ヴァチカンの壁画に描かれた憂い顔の細面の美しいルクレツィア。

 

OPERA.jpg

 

夕食はオペラの前にアルチンボルディ劇場のカフェでカナッペとコーヒーで軽く済ませ,

夜食にはお湯を沸かして即席うどん。明日からは本命のプーリア探訪です。

 

 

参考CD:Donizetti『LUCREZIA BORGIA』1989録音

指揮:Jonel Perlea  RCA Italiana Opera Orchestra & Chorus

Don Alfonso:Ezio Flagello  Lucrezia Borgia:Montserrat Caballe  Gennaro:Alfredo Kraus

Maffio Orsini:Shirley Verret

 

img066.jpg 

 

 

 参考映像:ドニゼッティ『ルクレツィア・ボルジア』1999.10 道新教室にて

ドン・アルフォンソ・デステ・・・・・・・・・ロバート・オールマン(バリトン)
ルクレッツィア・ボルジア・・・・・・・ジョーン・サザランド(ソプラノ)
ジェンナーロ・・・・・・・・・・・・ロン・スティーブンス(テノール)
マッフィオ・オルシーニ・・・・・・・・・マルグレータ・エルキンス(メゾ・ソプラノ)
ドン・アポストロ・カゼッラ・・・・・・・・・リンダン・チラチーニ(バス)
アスカニ・オペトルッチ・・・・・・・・グリゴリーユリシック(バス)
オロフェルノ・ヴィテッロッツオ・・・・・・・・・・ランベルト・フェルラン(バス)
ルステイ・ゲッロ・・・・・・・・・・・グレイム・ユーア(テノール)
グベッタ・・・・・・・・・・・ピータ・ヴァンデア・ストールク(バス)
アストルフォ・・・・・・・・・・ジョン・シャーマン(バス)
ネグローニ公女・・・ジョセフィーヌ・バーモンガム(テノール)
管弦楽:・・・・・・・エリザベス・シドニー管弦楽団
指揮:リチャード・ボニング
合唱:オーストラリア・オペラハウス合唱団
合唱指揮:ジョフリー・アーノルド
演出:ジョージ・オグルビー
収録:1977年7月8日 シドニー・オペラハウス

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