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2001年春の旅(14.15)ウィーンから帰国 [2001春南仏、パリ、ウィーンの旅]

5/2(水)、5/3(木)  ウィーン→フランクフルト→成田→札幌

 朝はO先生のグループと一緒に空港まで行きました。グループの皆さんはこれからプラハへ飛びましたが、私は帰国しました。まだ一緒に遊びたいのはやまやまでしたが・・・きりがない(汗)。オーストリア航空でフランクフルトまで、成田まではJALでしたが、バッケージスルーにしてくれました。チェックインや荷物のコンピューターが故障したとかで、1時間遅れて離陸。フランクフルトは空港が新しくなっていて、迷いながらモノレールでターミナル移動。夜便のフライトまでかなり時間がありました。幸いJALのカウンター近くに手荷物預かり所があったので、機内持ち込みの荷物を置いて、バックひとつでフランクフルト市内まで行くことができました。往復TAXI。ウィーンよりも暑かったのですが、省エネでTAXIのエアコンは切られたまま、さすがドイツ省エネが徹底しています。暑いとはいえまだ5月になったばかりですから。

 マイン川の畔に建つシュテーデル美術研究所は遠目には以前来た時(1995)と同じように見えましたが、内部は増築改装されて、ブックショップやレストランが新しく広くなりました。

 ☆シュテーデル美術研究所(2)

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 展示室も明るく広くなったので、以前より見やすくなりました。

↓大好きなカルロ・クリヴェッリの2枚に分かれた「受胎告知」をまずご紹介します。

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↓ヤン・ファン・エイクの「室内の聖母子」

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 ほかはバルドゥング・グリンの「2人の魔女」、以前は観た記憶がないのですが、ノルデが幾枚か展示されていました。ノルデはかなり気に入った作品もあったのですが、絵葉書が売って無くて、記憶が薄れています。エルスハイマーの「聖十字架の発見と崇拝」の祭壇画も再見。↓はそのうちの一枚「聖十字架を携えた馬上の皇帝ヘラクリウス」です。14.8×15.8という小型の銅板に油彩で描かれた作品。細密描写に優れ、詩情豊かな作品で知られています。

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 時間的には少し離れたリビーク彫刻館にも行けたのですが、ブックショップを覗いたり、コーヒーを飲んでいるうちに億劫になりパス。マイン川の橋を渡ってましたら、後ろから男性が走ってきて、どっきり。物盗りかと思ったのですが、ジャージー姿だったので、ただのランニング中でした。ところが私を追い越して何かを見つけストップ。良く見ると落ちていた吸殻を拾って、それを口に・・・人影のないところでしたので、またもやドッキリ。やはり気は抜けないものと思いました。フランクフルトは駅の周辺は危ないところなので、手前のインターコンチネンタルホテルの前からタクシーで空港に戻りました。

 JALのカウンターでチェックインのときビジネスクラスにアップグレードしてくれました。ラッキー!機内では食事の時以外はほとんど寝てました。こうして、南仏美術館めぐり&オペラの旅は無事に終了しました。独り旅とオペラ仲間との旅を巧くドッキングできましたので、これに味をしめて2001年夏も同じような旅を計画しました。(終)

 

 

 

 

 


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2001年春の旅(13)ウィーン [2001春南仏、パリ、ウィーンの旅]

5/1(火)

 ウィーン5日目、午前中はヴェルベデーレ宮殿へ行くことになり、友人3人でTAXIで向かいました。6年前に一度来ていますが、エゴン・シーレやココシュカをじっくり観たいと思ったので再訪しました。上宮はオーストリア絵画館になっていて、19世紀から世紀末のクリムトやシーレに代表される画家たちの作品までが展示されています。未完のままアトリエに残されていたというクリムトの絶筆「花嫁」も今回観ることができました。

☆ヴェルベデーレ宮殿・上宮/オーストリア絵画館(2)

↓ クリムト「花嫁」1917-18 絵葉書(部分)

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↓ エゴン・シーレ「家族」1918 絵葉書

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↓ココシュカ「プラハ」(港)1936 絵葉書

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 上宮から緩い傾斜のついた庭園を降り、下宮ものぞいてみました。下宮は上宮に比べると簡素な感じの建物で、コレクションも中世やバロックの彫刻や宗教画が主で、特別これは!という作品はありませんでした。なかではいくつかの面白い顔の彫刻(大理石/18世紀)が並んでいました。

↓はそのうちの一点です。ネットから拝借。Franz Xaver Messerschmidt作

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 ここから市の中心部まではトラムで移動しました。切符販売機が見つからず、結局無賃乗車になりました(ごめんなさい)。ランチはホテル・ブリストルのカフェで。スープ、豚肉のロースト野菜添え、苺のデザート。この日は旅のメモでは食後はホテルに戻ったようですが、ウィーン美術アカデミーにもこのときの旅で初めて行ったはずなので?他の日だったかもしれませんが・・・。

↓ ウィーンの街角

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☆ウィーン美術アカデミー(初)

 クレーヴェの「聖家族」の眼鏡をかけたヨセフやグリンの「野外の聖家族」のいじけたヨセフなど面白いコレクション。だがなんといってもここの目玉はボッスの三連祭壇画「最後の審判」です。

左は「エデンの園」イブの創造→楽園→追放と続くのですが、天使が剣を振り上げて、アダムとイブを追い払うのです。緑の楽園が美しく描かれていますが、天上にはすでに巨大ないなごのような怪物が現れ、人間の行く末を暗示しています。中央は「最後の審判」天上の一画以外は地獄図。人間の顔から足が出た怪物などさまざまな魑魅魍魎の世界。右は「地獄」です。これでもかというほどのボッスの想像する悪魔的な世界です。ただこの怪物たちはまったくのボッスの創造だけではありません。ご存じのように偏愛するロマネスク美術にも怪物たちが教会の柱頭などに彫られていますし。。。また、この祭壇画は数回の修復の跡があり、真筆か模写かの議論があるとのことです。

↓ボッス「最後の審判」の祭壇画 1510以降(ネットから拝借)

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♪~ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」@ウィーン国立歌劇場

指揮:セミヨン.ビシェコフ  演出:エヴァーディング
 
トリスタン:ゴス.ウィンベルク  イゾルデ:ワルトラウト.マイヤー
ブランゲーネ:藤村実穂子  マルケ王:マッティ.サルミネン

♪~前列2列目ほぼ中央という席でした。まだ着慣れない和服姿に、この日から涼しくなった影響、または旅の疲れもあり持病の気管支炎が悪化。途中で咳き込んだりで、あいにくのコンディションでした。(周りの方に御迷惑をかけました)
さて、ワーグナーは初めての体験でした。なにしろ長い演奏時間です。予習はフルトヴェングラーのCDでしてきたものの3幕ではいつも居眠りしていた状態でしたので、不安でした。
しかしこの公演は今まで聴いてきたウィーン歌劇場のオーケストラのなかでも最高のメンバーを揃えただけあって、鬼気迫る演奏でした。歌手陣はトリスタンのウィンベルグがやや物足りなく、クルヴェナールも予習CDのフィッシャーデースカウに比べると苦しすぎました。
しかし、前面に紗の幕を張ったオーソドックスで美しい舞台、マイヤーと藤村、サルミネンは完璧!!でしたから、初ワーグナー体験としては幸運であったと思います。3幕初めのトリスタンとクリヴェールの主従ふたりの場面の40分はやはり長く感じました。今まで観たオペラのなかでは最長・・・でも居眠りなどもせず頑張れました。ワーグナーは長い演目が多いので、オペラ入門クラスの私にとっては大きな関門でした。これで怖いものはなくなりました。

参考CD:ワーグナー『トリスタンとイゾルデ』 

指揮:Wilhelm Furtwangler  フィルハーモニア管弦楽団  ロイヤルオペラハウス合唱団 

トリスタン:LUDWIG SUTHAUS     イゾルデ:KIRSTEN FLAGSTAD

ブランゲーネ:Blanche Thebom   マルケ王:Josef Greindl      クルヴェナル:Dietrich fischer Dieskau   メロート:Edgar Evans 

EMI100周年記念盤(1997)/オリジナルは1952年ロンドン・キングスウェイ ホールにて収録

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 ↓劇場内でのスナップ

ウィーン国立歌劇場.jpg ウィーン国立歌劇場二階BOX席.jpg

 オペラの後は皆で日本料理の天満屋でお蕎麦を食べながら、今夜のオペラの感想をおしゃべりして帰りました。夜も遅くにホテルに帰ったのですが、入口が閉まっていてドキリ。呼び鈴を押して開けてもらいました。グループですとこういう時も怖くないのが利点ですね。

 

 

 

 

 

 

 


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