2001年春の旅(11)ウィーン [2001春南仏、パリ、ウィーンの旅]
4/29(日)
ウィーンの3日目、昨日の続きのイタリア絵画部門を観るため美術史美術館へ。昨日より気温が上がり初夏の陽気でした。この日印象に残ったのはやはりカラヴァッジョ「ゴリアテの首を持つダヴィデ」、パルミジャニーノ、ティツアーノなど。途中、暑くて館内のカフェでビールを飲んでしまいました。
↓ パルミジャニーノ「弓を作るキューピット」1531-34
↓ パルミジャニーノ「凸面鏡の自画像」1523-24
↓ティツィアーノ「毛皮の少女」1535-37
アルベルティーナ素描館は改装中のため、臨時の展示場所があるとのことでしたが、事前に調べてきた住所には見当たらず、諦めてセセッションへ。ウィーン分離派(1892に結成されたユーゲントシュティール)の館で、内部にクリムトの壁画「ベートーヴェン・フリーズ」があります。ベートーヴェンの交響曲第9番を基に、幸福を求め、敵対する者との戦い、やがて理想の王国のうちに愛と喜びを見出すという壮大な物語を描いているということですが…正直、音楽と結びついた感は?よくわかりませんでした。
ケルンストナー通りのお魚マークの店で海老やサラダをテイクアウトして部屋でランチ。仮眠の後、重いのに持参した和服(今回の旅で2回目)を着て、ロビーに集合。着物姿の私たちは注目の的・・・恥ずかしながら、ぞろぞろと国立劇場へ。席は2階のボックス前列でした。
♪~ヴェルディ「リゴレット」
指揮:準メルクル 演出:サンドロ.セッキ
リゴレット:フランツ.グリュンベーガー マントヴァ公:マルチェッロ.アルバレツ ジルダ:ルビカ.ヴァルギコーヴァ スパラフチーレ:ゴラン・シミック マッダレーナ:スベトラーナ・セルダー
ストーリーの悲惨さもあって、あまり好みではないオペラです。この公演はメルクルの指揮、アルバレツの高音の冴えもあって優れた舞台だったと思います。ジルダは当初のロストから新人ソプラノの東欧出身ヴァルギコーヴァにキャスト変更。ロストは一度パリのホフマンで聴いただけですが、あまり良くなかったので、注目の新人に期待しました。可憐な容姿と歌もジルダにぴったりで満足でした。テノールのマルチェロ・アルバレツはこの時が2度目。前回(オランジュの野外劇場でのアルフレード)に比べると格段に素晴らしい歌声。演技も上手く、見直しました。ポスト3大テノールと言われ始めたのもうなずけました。
アフターオペラはホテルの近くのイタリアンで、夜食にワインとパスタ。
2001年春の旅(10)ウィーン [2001春南仏、パリ、ウィーンの旅]
4/28(土)
朝食も友人たちと美味しくいただいて、ウィーン美術史美術館へ。前回(1995)はまる2日間にわたって、見学しましたので、今回は地上階の彫刻、工芸品を主に見学しました。友人たちはガイドさんの案内で見学しましたので別行動でした。
☆ウィーン美術史美術館(2)
↓ 一番のお目当てはチェッリーニの塩壷。この部門の人気NO1らしく熱心に観察している若いカップルが立ち去るまで、しばらく待機していました。
ベンヴェヌート・チェッリーニ(1500~1570)はイタリア・マニエリスムを代表する彫刻家です。奔放な生涯を送り、自伝を残したことでも知られています。19世紀にはベルリオーズのオペラ「ベンヴェヌート・チェッリーニ」も作曲されました。序曲は聴いたことはありますが、オペラとしては滅多に上演されることはないようです。
この豪華な塩壷はこの2年後2003年3月に盗難に遭いました。この階の展示室が改装中だったので、やすやすと盗まれたのです。2006年1月には発見され、元に戻っています。小品ながら人の心をも狂わすような、黄金と宝石に彩られた豪奢な、オーラが漂うような名品です。
↓ 他には同じくイタリア・マニエリスムの彫刻家ジャン・ボローニャの「ヴィーナス」? ジャン・ボローニャはあちこちで見かけますが、ここのが一番印象に残っています。
↓ ドイツ・ルネッサンスのミハエル・エアハルト(1469~1522)の木彫「聖カタリナ」
↓ 大好きなリーメンシュナイダー「聖母子像」
最後に上階のフランドル絵画のフェルメール、ライスダール、テル・ボルフなども巡って、終わりにしました。
ランチも一人で日本食のレストランへ。ゴールデンウィークなので、大勢の日本人が食事していました。隣席にウィーンでヴィオリン修業中の11歳の女の子とお母さんがいて、少しお喋り。他にも大きな声で話をしている女性がいて、よく見るとバイオリストの梯剛之さんとそのお母さんでした。生チラシとお吸い物にビールもいただいて、ホテルに戻り仮眠。
夜はネットで予約したヴェンゲーロフのコンサートへ。楽友協会ホールは初めてでした。隣席に日本人の父子(中学生)、ゴールデンウィークの休暇で来たそうです。
1部はヴェンゲーロフのソロ(ブラームスのソナタNO.3) 2部は数名のヴィオリンとピアノをバックに軽くポピュラーな選曲。テクニックを駆使した演奏でしたが・・・。技巧に走リ過ぎて、心がこもっていない感じがして、少々がっかり。一緒だった友人も同じ感想でした。二人でホテルの近くでビールと海老のサラダで夜食。