(4)シカゴ [2003秋シカゴとロサンジェルスの旅]
音はやはり大きく感じました。ビルの合間を縫って走るので、景観が良いわけでもなく、下から見上げたループのほうが面白く見えました。映画やドラマでのループ下のカーチェイスのシーンが印象的だからかも・・・。
↓シカゴの街角。あちこちに大きな彫刻が置かれています。下のはカルダーの作品
この日のランチはクラシックな建物がひときわ目立つパーマーハウスホテル内のレストランで。昨日のピザに懲りて、高級志向です。けれども、場所の雰囲気とお値段ばかりがハイクラスでお味は普通・・・あ~美味しいものが食べたい!
街の散策と昼食を終えて、ホテルに戻り仮眠・・・なかなか時差ぼけが治りません。
♪~ワーグナー『ジークフリート』18:00開演@リリック・オペラ
指揮:Andrew Davis 演出:August Everding
ミーメ:David Cangelosi ジークフリート:John Treleaven さすらい人(ヴォータン):James Morris アルベルヒ:Oleg Bryjak ファフナー:Raymond Aceto エルダ:Jill Grove ブリュンヒルデ:Jane Eaglen
指輪はまだ『ワルキューレ』だけしか見ていないので、これも初めての実舞台でした。表題役のトレレ―ヴァンはまずまずの出だしでしたが、最後のブリュンヒンデとの愛の場面はちょっとお疲れ気味。イーグレンもなにしろあの体型ですからちょっと動くとハアハアと息切れが聞こえそうでした。二人が愛を確認する40分ほど続くシーンは正直退屈しました。歌手のなかで素晴らしい活躍をみせたのはミーメのカンゲロージです。フシュクールタイプの小柄なテノールですが、屋根に登ったり、床にもぐったり少しもじっとしていません。アクロバットな演技に歌も完璧なのです。無邪気なミーメを装いながら欲望の固まりでもある複雑さを見事に表現していました。久方ぶりに背が寒くなる感覚を味わいました。モリスのヴォータンも良かったです。森の小鳥はピーターパン風の緑の衣装のダンサーが手に白い折鶴を持ってつとめました(歌声は陰で)。この場面は舞台も小鳥の歌も美しく『ジークフリート』でも好きなところです。堪能しました。全体的に音楽も小気味よく、シンプルといっても良いくらいですが、牧歌や動機のパートでは昂揚感に溢れ、めりはりのある響きでした。
シカゴッ子はおしゃべりです。美術館でも大声で話ながら鑑賞する人が多くびっくりしましたが、オペラでも同じでした....。アメリカ人(またはイリノイ人)の気質なのでしょうか?ヨーロッパの歌劇場にある良い意味での緊張感というものは感じとれませんでした。休憩時には日本のお弁当のような容器に入ったサンドイッチなど(予約しているらしい)受け取って、その辺(階段とかに)座って食べていました。
夜になってからホテルに戻るのは怖いと、なるべく人の後をついて歩いたのですが、皆さんは次々と駐車場に消えていきますので、結局は私一人…ほとんど駆け足でホテルへ。徒歩数分といえアメリカの大都会は慣れないので怖かったです。
参考映像:Wagner『SIEGFRIED』クラシカジャパンの放映で予習。
指揮:バレンボエム 演出:クプファー
ジークフリート:ジークフリート・イェルザレム
ブリュンヒルデ:アン・エヴァンス
さすらい人:ジョン・トムリンソン
ミーメ:グレアム・クラーク
アルベリッヒ:ギュンターフォン・カンネン
ファフナー:フィリップ・カン
エルダ:ビルギッタ・スヴェンデン
森の小鳥:ヒルデ・ライトランド
1992年6&7月、バイロイト祝祭劇場
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