SSブログ

2000年春の旅(9) リヨン [2000春ブルゴーニュ・ロマネスクの旅]

4/20(木) 

 寒いブルゴーニュから南下してくると、暖かく春の陽気のリヨンに心ウキウキでした。まずは念願のリヨン美術館へ。ベルクール広場から地下鉄で行きました。

↓ ベルクール広場から

Lyon2.jpeg

☆リヨン美術館(初)

ここでの興味のひとつはリヨン派です。どんな絵なのか、実物を観られると思うと足取りも軽く出かけました。後から気がついたのですが、このとき私は裏口から入ったらしく、リヨン派の目玉ジャンモの「魂の詩」シリーズが一番遠い部屋にありました。歩きまわってようやく発見できた時は疲れてへとへと。広場に面した表玄関からだとエレベータですぐだったのです。

↓ 美術館前のテルロー広場



lyon3.jpeg

 「魂の詩」の展示室(ここだけカメラ禁止でした)は同じリヨン派でも他の華やかな花の絵の部屋とちがって落ち着いた色調です。ロココとも異なる甘美さは官能性からも遠く、宝塚調とでもいえる軽やかなロマンティシズム。フランスの叙情とあまやかさがただよって・・・シャヴァンヌ以来のリヨンの伝統を受け継いでいるのでしょうか。

↓ リヨン派のシモン・サン=ジャン「女庭師」1837


Block_Image_3_2_1.jpg 

 シャヴァンヌの代表作の何点かはさりげなく階段室を飾っています。このさりげなさがなんか憎いなって感じ。印象に残ったのはジェリコーの「羨望偏執狂」の老婆。恨みのこもった凄い眼で自分の運命を呪っているよう。人生の終わり近くにこういう目をするって・・・怖いです。終わりよければすべて良しの終章を迎えたいものです。プッサンの「我アルカデァにもあり」と自画像はルーブルから貸し出しをうけて特別展示中でした。

 レンブラントの「聖ステパノの石打ち」(上)は初期の作品。まだ明暗の対比は強くないですが、弱冠19歳でこれだけのものを描いて居たのかと感嘆。同主題のエルスハイマー(エジンバラ・ナショナルギャラリー)
(下)と比べてみましょう。ステパノの衣装が似ていますが、明暗や色彩がそれぞれ素晴らしい個性の輝く名画です。

4784868.jpg

4784511.jpg

ティントレットの「ダナエ」、ヴェロネーゼの「パテシバの水浴」、グレコ「キリストの捕縛」など見ごたえのある名画の数々を3時間ほどかけて鑑賞しました。

さて、橋を渡りフェルヴェールの丘を目指しましたが、坂道に弱いので旧市街の手前で早くもギブアップ。TAXIを拾ってホテルに戻りました。ベルクール広場近くのビストロで遅めのランチ。今日のお勧めのお皿はオマールエビのサラダ&マコンの白ワインをテラス席で。ブルゴーニュは寒かったので、暖かい日差しの下で浮き浮き気分。リヨンのグルメを愉しみました。

2時過ぎにホテルに戻り仮眠。6時に起きてシャワー、身支度をして地下鉄でオペラ劇場へ。初めてのリヨン歌劇場は外観はクラッシク、なかはモダンな造り、内装はほとんど黒一色。バルコンは5階まであり、私は平土間の後方でした。

♪ ヘンデル・オラトリオ 『ヘラクレス』コンサート形式

指揮:マルク・ミンコフスキ 

デジャネラ:アンネ・ゾフィ・フォン・オッター  ヘラクレス:ギドン・サクス  
イオーレ:レイーヌ・ドゥソン   リシャス:カテリーヌ・ダンリィ   
ハイリウス:リチャード・クロフト 

 今回の旅はロマネスク聖堂巡りが主な目的だったのですが、日程はリヨンの
この公演に合わせて計画しました。
前年の夏、エクサンプロヴァンスで初めてミンコフスキとオッターの組み合わせ
『ポッペアの戴冠』を聴いたのですが、魅了され大ファンになったのです。
次の機会がこんなに早く実現できるなんて!と大喜び。初めてのリヨン訪問に
なりました。コンサート形式なので退屈するかとも思ったのですが、ロマネスク
巡りの疲れも問題なく、5時間近くかかったヘンデルのオラトリオを楽しむことが
できました
オッターが英雄の誇り高き、そして嫉妬に苦しむ妻を歌って素晴らしかったのを
筆頭に他の歌手たちも健闘。ミンコフスキも終盤になるにつれて気合の入った
熱情あふれる指揮で大感激!彼の大きな体を揺らすように軽くリズミカルに指揮
する姿も、ノリノリで大好き~☆
参考CD/2000.4 Theatre de Poissy でのライブ録音でキャストは上記のリヨンの時とほぼ同じ。帰国後購入。
2000.4.jpeg
帰途、地下鉄のエレベーターで一緒になった老婦人も美しい演奏だったわね~
感激の面持ちでした。
リヨンは大都会ですが、パリとは違ってメトロの車内も安全、真夜中のベルクール
広場を横切ってホテルへ帰りました。

   


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:旅行

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。